参院選投票日の2013年7月21日(日)の夕方、東京・下北沢は、多くの人たちで賑わっていました。
駅から歩いて12分ほど、繁華街を抜けた住宅街の中に「ふくしまオルガン堂」があります。
福島県の農産物・特産品の販売と食の提供、交流・体験の窓口、さらに東京に避難している方達の集う場として、NPO法人福島県有機農業ネットワークが開設した拠点です。
この日、オルガン堂では「第2回 料理とお酒で福島を感じる夕べ!」というイベントが開催されました。
福島の郷土料理をつまみに「夏酒」を頂こうという趣旨で、料理と4種類の試飲で会費は1500円。12名定員の参加者は、男女半々くらいです。
この日のイベントをボランティアで企画して下さったのは、利き酒師の「ほづみん」さん。
もともと福島ともご縁がある方だそうで、今回も自ら福島の蔵元を回られる等して、この日のために「旬」の日本酒を揃え、ていねいに説明して下さいました。
最初に料理が配られます。
ふだん定食で出して下さっている福島の郷土料理が、ワンプレートに盛りつけられています。
イカ人参、豆腐、厚揚げ、みがきニシン、夏野菜のラタトゥイユなど、地元の食材にこだわったものばかりで、テーブルが一気に豪華な雰囲気になりました。
続いて、利き酒用の日本酒が順番に配られます。
最初の食前酒は、郡山市の(有)仁井田本家の「隠」。シャンペンのような爽やかな風味の、発泡うすにごり生酒です。
続いて、同じ蔵元の純米大吟醸「穂の香」。こちらは華やかな香りと味です。
「日本の田んぼを守る酒蔵でありたい」という仁井田本家は地元の“自然米”にこだわり、さらに現在は、全製品・全ロットについて放射能検査を行い、「不検出」を確認した製品のみを出荷されているそうです。
利き酒の3種類目は、会津若松市の宮泉銘醸(株)の純米生酒「写楽」。
明治29年に老舗から分家して創業したメーカーで、会津の水と米、人による酒造りがモットーとのこと。まろやかで飲みやすいお酒です。
最後は、会津坂下(ばんげ)町の曙酒造(合)の「天明」・さらさら純米。
天明は老舗メーカーの新しいブランドで、「人の輪の中で舌鼓を打たせ続ける酒」がコンセプト。その名の通り、さらっと淡麗な喉越しです。
4種類の利き酒の後は、好みの日本酒をグラス1杯(たっぷり1合はあります。)500円で頂けます。試飲した以外の銘柄も豊富に取り揃えられています。
大和川酒造(喜多方市)の、夏限定の純米吟醸酒も頂きました。
この日のイベント、お酒や料理だけではなく、参加されている方も素晴らしい方ばかりでした。
それぞれに福島や東北の被災地、あるいはこのオルガン堂とご縁があり、様々な活動をされている方も多くいらっしゃっていました。
偶然、同席した女性は、岩手県を中心に被災地支援に取り組んでいるNPO法人の代表の方。
陸前高田市等において、仮設住宅の自治会長さんの連絡会(リーダーだからこその悩みやご苦労が多いとのこと)の発足と運営の支援や、仮設住宅での孤立を防ぐための「一緒にご飯!プロジェクト」等を進められているとのこと。
この方、手弁当でNPO法人を立ち上げられ、東京在住ながら週の半ば以上は被災地で活動しておられるそうで、2日後にも夜行バスで仙台に向かわれる予定とのこと。
こういった方々が、様々なかたちで被災地の復興を支えているのです。
さて、コミュニティー&オーガニックカフェ「ふくしまオルガン堂 下北沢」のコンセプトは、「福島と東京、人と人とを結びます。農の文化を伝えます」。
オルガンという名称には、オーガニック(有機)と、対話・交流のハーモニーを奏でるという意味が込められているとのこと。
まだ行かれていない方は、ぜひ一度、足をお運びください。ボランティアの方達を中心とした営業は、水~日の12~18時です。
なお、ふくしま定食(800円)は数量限定ですので、予約していかれることをお奨めします。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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