がんばろう ふくしま、つながろう さいたま

 2013年8月4日(日)は、久しぶりにさいたま新都心へ。何となく怪しい曇り空です。
 以前、この近くに勤めていたことがあり、近代的なアーチ型の駅が懐かしい。
 駅を出ると、すぐに右側に立派な「さいたまスーパーアリーナ」。ペット関係のイベントが行われているようで、多くの人たちが出入りするのが見えます。
 この施設、ほとんど忘れられていますが、東日本大震災の直後は、避難されてきた多くの方達の一時避難所になっていたところです。
 復興庁の資料によると、現在も約29万4千人もの方達が避難生活を送られており、うち、約3万2千人が東京、埼玉など関東におられるそうです。
 福島県から県外に避難されている方は約5万3千人(うち関東に約2万5千人)とのこと(福島県ホームページ)。
 前日からこの日の2日間、スーパーアリーナ前の「けやき広場」では、「がんばろう ふくしま つながろう さいたま」というイベントが開催されていました。
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 大勢の人たちで盛況です。
 福島のJAや埼玉の生協など多くのブースが並んで特産品や飲食物が販売されています。ライオン(株)の皆さんたちもボランティアで参加され、スタンプラリーの景品を配っています。
 主催は「相双ふるさとネットワーク」。
 事務局のテントを訪ね、地方紙『福島民報』、避難者向けの『ふくしまの今が分かる新聞』(福島県避難支援課発行)等の資料を頂きながら、少し話を伺うことができました。
 福島・浪江町、南相馬市で生まれ育った同級生7人が、避難者も含めてみんなで同窓会をやりたいね、という思いから立ち上げたネットワークだそうです。
 「進行中」の原発事故の風化防止と、被災者の孤立・孤独を防ぐためにボランティアで活動をされているそうで、この「夏祭り」は3回目になるとのこと。
 つまり、大震災・原発事故から3回目の夏を迎えたということです。
 会場の一画には、ひときわ目立つ長蛇の列。
 「なみえ太っちょ焼きそば」を待つ人たちです。B1グランプリで上位入賞の常連ながら、地元では食べることができない幻のメニューとなってしまいましたが、この日は、県内外に避難されている方達が、3枚の大きな鉄板で豪快に調理してくれていました。
 私も初めて頂きました。うどんと見紛うような太いもっちりとした麺に、シャキシャキのモヤシと豚肉がたっぷり。濃厚なソースに、お好みで一味唐辛子を振りかけて頂きます。
 隣のブースで求めた猪苗代地ビール、ソーセージとともに、美味しく頂きました。
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 中央のステージでは、民謡やフラダンス等のプログラムが次々と繰り広げられています。
 14時からは和太鼓グループ「Tawoo(タヲ)」が出演。海外でも公演されている一流のグループですが、被災地支援の活動も積極的にされている方たちです。
 躍動感のある素晴らしいステージです。太鼓の音は、耳で聞くというよりは、身体全体で圧力を受け止めるといった迫力です。
 ワークショップも行われました。言葉を太鼓の音で表そう、ということで、この日のお題は「浪江焼きそば」。リーダーの女性がド、ド、ド、ドーンッ!(な、み、え、焼きそばっ!)と叩くのに続いて、子ども達が太鼓を叩きます。
 ところが、小雨が落ちてきて中断。和太鼓には雨は禁物、ブルーシートをかけて様子を見ましたが、結局、残念ながらその後のステージは中止になってしまいました。
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 南相馬市の小高商業高校の生徒さん達も、出展されていました。
 ここで求めさせて頂いたのが「小高だいこんかりんとう」です。
 地元名産の大根を使って高校生達が考案・開発した人気商品だったそうですが、原発事故で小高地区が避難区域に指定され、製造を委託していた工場も津波で被災したことから、生産はストップしていました。
 学校自体、現在は原町高校の敷地内の仮設校舎にあるそうです。
 その商品を、JAと連携して会津地方のだいこんを使い、現在は鳥取県に移転した工場にお願いして、復活させたとのこと。「福島県産農産物を多くの方々に食べてほしい」との思いからだそうです。
 頂いたパンフレットには、商品の説明とともに、農産物のモニタリング検査の様子等についても詳しく掲載されていました。
 向かいのJA白河のブースでは、桃や漬け物が飛ぶように売れていました。
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 この日のイベントは盛況で、心強く感じましたが、福島産の農産物等に対する「風評被害」が払拭されているわけではありません。
 事故により大量の放射性物質が放出され、現在も漏れ続けていることは紛れもない事実ではあります。
 しかし、先日の市民研・上田昌文先生の学習会でもあったように、いたずらに放射能を恐れるのではなく、消費者一人ひとりが正確な知識を得て(なかなか難しいですが)、冷静に対応していくことが求められています。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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