2013年11月10日(日)は、西日本から北陸等では豪雨。朝の時点では、関東も午後から雨になるとの予報でした。
10時に武蔵小金井へ。
駅前では前日に引き続き農業祭が行われています。この日はその一環として、市民交流センター大ホールで「食育フォーラム」が開催されました。
まず、フードジャーナリスト・食文化研究家の向笠(むかさ)千恵子先生から、「郷土料理は、人をつなぐ~古くて新しい『食』コミュニケーション~」と題して講演。
郷土料理の活性化のためには「食財」から。地域の食材は正に財産(食財)とのこと。
続いて、実際に足を運ばれた全国各地の農家レストランを、美味しそうな料理の写真とともに紹介されました。普段の食事がそのまま出てくるから、なおさら美味しいと。
さらに、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録される見通しとなっている中、地元の食材を使った郷土料理を継承していくことが、食や地域を見直し、日本人としての自信にもつながると強調され、最後は「一食一会」という言葉でまとめられました。
続いて、食育・野菜料理コーディネーターの酒井文子(あやこ)さんから、「小金井市内の食育活動~楽しくおいしくおもしろい食育活動レポート」と題して講演。
冒頭、スライドに映し出されたのは柿の写真。
禅師丸柿という市の天然記念物だそうです。身近な食べ物にも歴史がある、ということから話は始まりました。
そして、小金井市においては、保育園、学校、さらには青年会議所のメンバー等を対象に、多彩な食育推進活動に取り組まれている様子が報告されました。
最後は、「学んで、おいしく食べて、面白い発見をしながら、みんなで食育の実践をいたしましょう」と締めくくられました。
その後は、小金井市食育ホームページの紹介、さらには食育劇の公演もありました。
ホールを下りると、1階の品評会会場は特売会の準備中。
長蛇の列で、残念ながら見学はできませんでした。
屋外の広場には様々なブースが出展され、多くの人で賑わっています。被災地・東北の物産も販売されています。
恒例の野菜の宝船もありました。
江戸東京野菜を紹介するブースも設けられていました。
ポスターやパンフレット等とともに、亀戸大根、伝統大蔵大根、伝統小松菜、寺島茄子など、江戸東京野菜の実物が展示されいます。
興味深そうにのぞき込む通りがかりの方に、NPOや生産者の方が丁寧に説明されていました。
なお、小金井市では、11月16日(土)から12月1日(日)の間、今や恒例となった「秋の黄金丼フェア」が開催されるとのこと。
市内の農家が江戸東京野菜を栽培し、市内の飲食店がそれを使ったオリジナルメニューを提供するという「農業と商業」が手を取り合ったイベントで、料理教室や食事会も開催されるそうです。
電車に乗って地元・東村山市へ。
実はここでも2日にわたり「市民産業まつり」が開催されていました。
同じように地元農産物の品評会が開催されており、多くの野菜が誇らしげに並べられています。
野菜の宝船には、天候悪化に備えてビニールがかけられていましたが、親子連れが興味深そうに眺めていました。
生産者の方から、水菜の苗とともに体験農園のチラシを頂きました。
現在借りている市民農園は、自分の好きな作物を植えられる自由はあるのですが、何年続けても技術は自己流のままです。一方、体験農園ではプロの農家の方が1年間じっくりと指導してくれるので、技術を身につけるには好都合です。
午後を回り、天候は悪化するどころか、秋の柔らかな陽光まで差し始めました。気温も上昇してきます。
その市民農園に立ち寄ってみると、先週播いた亀戸大根の芽が出揃っていました。
この日の夜の鍋用に、伝統大蔵大根(やはりでかいです。)と仙台雪菜を収穫しました。
スダチは玄関先の鉢植えから収穫。
今年は豊作で、食べきらない内に色づき始めてしまいました。黄色くなると風味が落ちてしまいます。
東京都の食料自給率は1%(カロリーベース)と、全都道府県の中で最低です。
しかし、多摩地方を含め、多くの生産者の方達が野菜等を中心とした農業生産を行っています。
都市近郊農業は、生産条件としては不利な面も多いですが、一方、消費者が近くにいて顔の見える関係を構築しやすいという利点もあります。
逆に消費者としても(私も消費者の一人ですが)、土に触れる機会があり、生産者が身近にいることの有り難さを、もっと噛みしめなければならないと思います。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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