「シェア奥沢」1周年

 2014年7月6日(日)は曇り。雨の降らない日曜日は久しぶりです。
 東京・自由が丘の駅前から1本入ると、カフェや古着屋に挟まれた緑道があり、多くの人たちがベンチで憩い談笑しています。その緑道を徒歩5分ほど歩き、尽きたところを右に折れると、駅近くの喧騒とは打って変わって閑静な住宅街になります。
140706_1_convert_20140712012247.png
 その中に「シェア奥沢」があります。
 玄関先にたたずむモジャモジャ頭のお兄さんが目印です(注:いつもおられる訳ではありません)。
 ちなみにこの辺り、かつて海軍士官が多く住んでいた名残で「海軍村」とも呼ばれているそうです。
140706_2_convert_20140713104647.png
140706_3_convert_20140712012337.png 玄関脇には、ワークショップで作られたロケットストーブが並んでいます。
 料理をする賑やかな声が、中から聞こえてきます。
 この日は、シェア奥沢が仮オープンしてから1周年の祝賀会の日です。
 
 キッチンでは、この日のキッチンマスター・「なべちゃん」さんを中心に料理が進められています。参加者みんなで食事を作って一緒に食べる、という「共奏キッチン♪」スタイルです。
 蕎麦粉を水で溶いたものが、小さなフライパンで薄く焼かれています。蕎麦のクレープになるそうです(珍しい)。
 分量を少なめにしないと、もちっとしたものになり、それはそれで美味しいのですが、人数分が確保できなくなります。
140706_6_convert_20140712012445.png
 お母さんと幼い姉妹は、懸命に餃子を包んでいます。具にはトマトが使われている(これも珍しい)ため、水分が多く、ちょっと包むのが難しそうです。
 後でスープで煮込まれ、水餃子になりました。
140706_7_convert_20140712012512.png
 鶏の塩ヨーグルト漬け、なんきんの二色きんとん等は、焼きあがった蕎麦のクレープで、お好みで巻いて食べるそうです。
 イワシはミニトマト等を添えてオイル焼きに。アスパラは長いままチーズを巻いてレンジへ。めばちマグロの大きなカマは豪快に焼かれました。
140706_8_convert_20140712012535.png
 豚バラ肉とキャベツのお稲荷。長ネギのぬた。オクラの鶏そぼろあん。トマトのサラダにはにんにくとオリーブオイル、パセリのみじん切りで見た目も美しく。
 ほかにも、たくさん緑のサラダ、ツルムラサキの胡麻和え、ピーマンと小女子の炒め煮、焼きトウモロコシなど。
140706_9_convert_20140712012602.png
 お祝いの花が飾られたテーブルに、なべちゃんさんのアイディア料理が次々並べられていきます。参加者からは拍手。
 なお、中玉トマト(フルティカ)は、常連の世田谷の生産者・せいさんが持ってきて下さったものだそうです。
 隣の板の間では、一心に子どもに遊んでもらっている大人の姿も(親子ではありません。たぶん)。
140706_10_convert_20140712012622.png
 まだまだ料理は続いているのですが、18時を過ぎて乾杯。シェア奥沢1周年パーティーがスタートです。
 この時点での参加者は30名ほど。
 午後からロケットストープ作りのワークショップ、レコード鑑賞会、セレモニーなどプログラムが目白押しで、多くの人の入れ替えがあったそうです。総勢では、本当に多くの人が1周年のシェア奥沢を訪ねて来られたことになります。
 スクリーンには、シェア奥沢が取り上げられた先日のテレビ報道番組が映し出されました。
140706_4_convert_20140712012359.png
 ところで翌7月7日は、オーナーの堀内正弘先生(多摩美術大学デザイン学科教授)の60回目の誕生日。
 ということで、急きょ、サプライズの誕生パーティーも兼ねることになりました。堀内先生は半ば照れながらも、赤いチャンチャンコがお似合いです。
 ご近所の方が準備して下さったケーキは、キャベツにたくさんのシュークリームが串で刺されているという面白いかたち。キャベツも後で料理され、みんなで頂きました。
 ところで他の人は入れ替わり立ち替わりでしたが、キッチンマスターのなべちゃんさんだけは、つまんだり飲んだりしながらも、ほとんどキッチンに入り浸り。
 アイディアに溢れ、ひと手間かけた料理の数々、有難うございました。ご馳走さまでした。
140706_5_convert_20140712012425.png
 スクリーンでは、これまでのシェア奥沢を振り返るビデオが流されました。
 築80年の古民家(空き家)だったのが、地域密着型の交流スペースとして仮オープンしてから1年。毎日のように様々なイベントが開催されてきました。
 平成25年度「世田谷らしい空き家等の地域貢献活用モデル」として採用され、また、東京新聞、朝日新聞、NHKテレビ等でも紹介されるなど、大きな注目を集めています。
 また、堀内先生が推進されるアイディア「SHARE HUB」(eco japan cup 2013 特別賞を受賞)の実践事例の先駆けでもあります。
 
 その堀内先生、この日のパーティーの挨拶では、
 「そう大げさなことを考えているわけではなく、多くの人の力を借りながら、自分自身楽しみながらやっている。その結果、地域の人たちが集まり、いろいろなアイデアがシェアされる場になるのが夢」と、謙遜されていました。
 シェア奥沢がオープンしてからの1年は、日本の地域社会に新しいタイプのコミュニティが芽生え、根付き始めた1年として記憶されることとなるかも知れません。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
(↓ランキングに参加しています。よろしかったらクリックして下さい。)

人気ブログランキングへ