2014年7月22日(火)、茨城・那珂市のポコアポコ農園にお願いしていた野菜が届きました。
ここの野菜は何度か「共奏キッチン♪」で頂いていたのですが、6月14日(土)の特別編に和知健一さんご一家が参加されて色々とお話を伺ったこともあって、今回、初めて自分でも野菜を注文させて頂いたのです。
和知さんは、会社勤務や海外青年協力隊を経て新規就農された方。ギリシャやラオスのナス、バナナピーマン、オレンジバナナというトマトなど、珍しい野菜がたくさんです。
さすが、都内のレストラン等と契約されているだけのことはあります。毎日少しずつ、美味しく頂いています。
24日(木)には、今度は金沢の中村早苗さんから素敵なプレゼントが届いていました。金沢に在勤・在住中、環境関係のNPOで活動されていた中村さんには色々とお世話になったものです。
届いたのは金沢近郊にある「ぶどうの木」のドレッシングとパスタソースのセット。ここは、ぶどう農場の脇に加工品を含む直売所、レストランや結婚式場まで併設されている「6次産業化」の先掛けです。ドレッシング等には、能登の海塩や加賀の老舗味噌も使われています。
2012年8月、金沢を訪れた際に中村さんに案内して頂いたことを懐かしく思い出しました。
さて、7月25日(金)の朝、吉永鴻一さんからメールが入っていました。
19時から東京・九段の「文庫Cafeみねるばの森」で、講演されるというのです。
終業後に足を運んでみると、お洒落なCafeを貸し切って10名ほどのこじんまりとした講演会です。タイトルは「行政で人気の講演者ノウハウに学ぶ~東京都八王子市と宮城県石巻市を元気にした男~」。
気恥ずかしいタイトルと恐縮されていた吉永さん(八王子在住)は、企業に在勤中から市民ボランティア活動に取り組み、八王子市市民活動支援センターの初代センター長、八王子市子ども政策推進協議会会長等を歴任し、現在は、「お父さんお帰りなさいパーティー」推進センター長、子ども支援アンアンネット代表等を務められています。
東日本大震災後は復興支援にも積極的に取り組まれており、2011年7月からは石巻に滞在、石巻市協働のまちづくりアドバイザー等として活躍されています。
私は、2011年6月に福島・南相馬行きのボランティアバスに参加させて頂いて以来、ご縁を頂いてます。
講演会の主催は知的生産の技術研究会。梅棹忠夫先生の名著『知的生産の技術』(1969、岩波新書)の影響を受けて勉強会等を重ねているNPOとのこと。その池中さんの講師紹介に続いて講演が始まりました。
冒頭から親父ギャグ(失礼)が炸裂です。
ボラバスに参加させて頂いた時も、笑いっ放しだったことを思い出しました。
「当年とって62歳になりました。とうねん(10年)取らなければ72歳ですが」
「年を取ると良くなることもあります。日に日に物忘れが良くなります。この前、自宅の2階から階段を下りてくる途中、何の用があったのか忘れてしまいました。次の瞬間、下りてくる途中か、上る途中か分からなくなったものです」等々。
笑いをとりながらも、話は次第に本論部分へ。
まずは「時代は180度大転換」という時代認識から。人口増・税収増が前提のシステムは終わり、前例のない時代が到来した。これからは市民一人ひとりが主体となって、自分たちのまちを支え合い作っていく必要がある。
今、噴出している多くの社会的課題(例えば自死の増加)を解決するためにはシニアの智恵が必要と、参加者に訴えられます(確かに、この日の参加者は高齢の方が多かったようです)。
そのためには、まず好きなことを仲間をつくって楽しみながら、イキイキと市民活動に取り組むべし(シニアデビュー)。10くらい活動しているうちに、自分に合ったやるべきことが見つかるとのこと。
また、復興支援に取り組む過程で痛感したのは、大災害には“日頃の備えが命綱”ということ。
いざという時には“日頃のつながり創り”が威力を発揮する。復興のスピードは、日頃の市民活動の活性度に大きく左右される。
石巻市山下地区での新しいつながり創りの取組(15以上の市民団体が活動)も紹介して下さいました。
犠牲になった方たちのためにも、残された人たちが希望を持って生きることが必要。にも関わらず、震災から4年目に入り、現地では明日への希望・展望が持てないという空気が広まっているとのこと。今も仮設住宅に住む人たち、役員の方達にもストレスがたまっているそうで、今こそ心のフォローが必要と、現地で体験・見聞された悲惨な出来事を紹介されながら訴えられていました。
そして、吉永さんが特に強調されていたのは、「遠方から、今、何ができるか」ということ。私たち東京に住んでいる参加者に対するメッセージです。
まずは笑顔を届けること。忘れていませんよ、と伝えることが大事。被災地に実際に足を運ぶことによって、初めて見えてくるものも多い(「千聞」は一見に如かず)。あるいはコーディネートはするので、支援に行く人たちへの支援を。同分野の市民団体による支援、心のケアやハンドマッサージなど、様々な手法を開拓していくことも必要、と。
そして、「思いやりの実践」の重要性を強調されました。口先、理屈だけでの「思いやり」は退化する。日頃から支え合いの実践が必要、と訴えられました。
(失礼ながら)年金生活のお立場で、一市民として尽力されている吉永さんの姿勢に、改めて深く感じ入った次第です。この8月にも、小中学生の学習支援、跡継ぎ漁師の漁業支援等のために、東京から大学生達を送り込む計画をされているそうです。
講演の終了後、参加者の皆さんとのざっくばらんな意見交換。それぞれ東北への思いがあり(仕事の関係で住んでいたという方もおられました)、就業機会が相対的に乏しいこと等についての問題提起がありました。
20時半過ぎにお開き。
久しぶりの「吉永節」に、高揚した気分で帰途に就きました。
耳の中では、「災害対策はつながり創り」「思いやりの実践を」という吉永さんの言葉が何度もよみがえり、背筋が伸びる思いがしました。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
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