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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.50; 2014.8/10(日)[和暦 文月十五日]発行
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暦の上では秋ですが、まだまだ気温は高い日が続きます。
台風接近に伴い、全国各地で豪雨等による被害が発生しています。お
見舞いを申し上げます。
時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と
十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今号は文月十五日
の発行です。
このささやかなメルマガも、2012年10月の創刊以来、お陰さまで50回
目の区切りの号を配信することができました。少しでも皆さまの役に立
つ情報発信を心掛けてきたつもりではありますが・・・。
ご意見、ご要望等があればお聞かせ頂けると幸いです。
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◆ F.M.豆知識
フード・マイレージを始めとする食や農に関わる話題について、毎
回少しずつ取り上げていきます。
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5 フード・マイレージ基礎知識
(13) フード・マイレージ指標の限界-2 (LCA-2)
フード・マイレージ指標は、地産地消が輸送に伴う環境負荷を低減す
る効果があることを説明する上で、単純で分かりやすい指標である一方、
2つの大きな限界・問題点があります。
一つは輸送に伴う二酸化炭素排出量は大きく異なること。
もう一つは、生産、包装、流通、加工、消費、廃棄・リサイクルとい
う食料のライフサイクルのうち、輸送の過程のみに着目した指標である
ことです。
前回は、北海道のコープさっぽろ(札幌市)によるカーボンフットプ
リントの算定、表示の取組において、みそとポテトピラフのライフサイ
クルにおけるCO2排出量のうち、輸送部分が占める割合はそれぞれ7%、
2%弱に過ぎないことを紹介しました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/12_CFP1.pdf
LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を用いた研究は、海外でも
盛んに行われています。その中には、イギリスのフードマイルズ運動
(いわゆる地産地消運動)に批判的な内容のものもあります。
ニュージーランド・リンカーン大学のソーンダースらは、ニュージー
ランドからイギリスへの主な輸出農産物についてエネルギー使用量及び
二酸化炭素排出量の計測を行いました。その結果、例えばイギリス国内
で生産された乳製品は、ニュージーランドで粗放的に生産され輸入した
ものに比べて、その輸送のためのエネルギーを加えても、全体で約2倍の
エネルギーを費やしているとしています。
このため、イギリスのフードマイルズ運動は、国際貿易を歪め、結果
的に環境負荷を増大させる恐れがあると警告しています。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/13_NZ.pdf
それでは、フード・マイレージという指標には有用性が無いのでしょ
うか。
次回以降も考察を続けていきたいと思います。
[参考]
F.M.豆知識(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の閉塞感を打ち破るためのユニークな活動や、それに取り組
んでおられる方達を紹介するコーナーです。
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吉永鴻一(こういち)さんは1941年生まれ、東京・八王子市に在住の
方です。
42年間の会社に勤務中から社会貢献・社員ボランティア活動に携わり、
個人としても社会福祉協議会の運営委員等として市民ボランティア活動
の推進に取り組んでこられました。
その後、八王子市市民活動支援センターの初代センター長、八王子市
子ども政策推進協議会会長等を歴任し、現在は、「お父さんお帰りなさ
いパーティー」推進センター長、子ども支援アンアンネット代表等を務
められています。
さらに、東日本大震災後は、被災地の復興支援にも積極的に取り組ま
れており、2011年7月からは石巻市協働のまちづくりアドバイザーとして、
かなりの時間を石巻に滞在されているそうです。
私が個人的に吉永さんとのご縁を頂いたのは、2011年6月下旬、吉永さ
んが企画・運行された福島・南相馬に向かうボランティアバスに同乗さ
せて頂いたのがきっかけです。
当時を思い返してみると、様々なマスコミ報道やネット情報が渦巻く
中、不安定感にさいなまれ、一方で単独で被災地ボランティアに飛び込
む覚悟もなく悶々とした日々を過ごしていたなか、ボラバスの案内をみ
て、救いを感じるような思いで申し込んだものです。
発災から3カ月ほど、小学校の校庭に横倒しになった多数の漁船などに
大きな衝撃を受けました。生憎の雨模様で(当時の警戒区域のすぐ北の
地域でした)、本来の目的である津波被災家屋の泥出し作業はできなかっ
たものの、写真の洗浄や避難所の慰問など、全くの微力ながら得難い経
験をさせて頂きました。
2014年7月25日(金)、その吉永鴻一さんの講演を久しぶりにお聞きし
ました。主催は知的生産の技術研究会、会場は東京・九段の「文庫Cafe
みねるばの森」です。
冒頭から親父ギャグ(失礼)が炸裂。3年前のボラバスの帰途も笑いっ
放しだったことを思い出しました。
講演で吉永さんが強調されたのは、「思いやりの実践」が大事という
こでした。
理屈や口先だけではなく、日頃からの支え合いの実践が必要とのこと。
東京など遠方に住んでいる私たちも、笑顔を届けること、忘れていませ
んよと伝えることはできると訴えられていました。
また、災害からの復興のスピードは、日頃からの「つながり」の強さ
や市民活動の活性度に大きく左右されるそうです。
この夏の間も、小中学生の学習支援、跡継ぎ漁師の漁業支援等のため
に、吉永さんは何度も被災地に足を運ばれる予定と伺いました。ご高齢
でありながら、一市民としてできる限りのことを実践されている吉永さ
んの姿には、いつも背筋が伸びる思いがします。
また、地域に密着した市民レベルの活動こそが、被災地を含む社会全
体の課題解決に向けて大きく貢献し得るということにも、大いに共感し
ているところです。
(参考・拙ブログより)
2011年6月の南相馬ボラバスの模様
http://food-mileage.jp/2011/06/28/
2014年7月25日の講演会の模様
http://food-mileage.jp/2014/07/28/
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◆ 情報ひろば
食や農に関わるセミナーや勉強会の情報、拙ブログの更新情報、各
種イベントの開催情報等をお知らせします。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ 吉永鴻一さん講演会−「思いやりの実践を」
(07/28)
石巻など被災地支援を含めてボランティア活動に取り組んでおられる
吉永鴻一さんの講演会の様子です(「オーシャン・カレント」の欄もご
覧下さい)。
http://food-mileage.jp/2014/07/28/
○ 東京ゴマ01 in 檜原村★夏物語り (07/30)
グリーンスマイルが取り組んでいる東京ゴマ01(ゼロワン)プロジェ
クトの夏休み特別編には、多くの親子連れが参加してくれました。
http://food-mileage.jp/2014/07/30/
○ カフェスローバル@東京・国分寺
(08/07)
国分寺のカフェスローで開催されたパル。ポコ・ア・ポコ農園(茨城・
那珂市)の野菜などを頂きました。「望郷のホウレンソウ」後日談も。
http://food-mileage.jp/2014/08/07/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
○ 種まきからはじめる 秋そばづくり第1弾「そばの種まき」
日時:8月16日(土)11:00〜20:00
場所:山梨県上野原市西原(さいはら)
主催:しごと塾さいはら
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/864411946919983/
○ 真鶴キッチン
日時:8月16日(土)11:00〜20:30(昼、夜2部制)
場所:真鶴町民センター(神奈川県真鶴町岩172-8)
主催:真鶴まちなーれ実行委員会
(詳細、お問合せ等↓)
http://www.machinale.com/workshop/ajiwau/manazurukitchen.html
○【定員20名】稲刈り参加者募集!
国内でも数少ない、天水だけの「棚田」で米づくり!
日時:8月30日(土)9:00〜15:00(現地集合・解散)
場所:千葉県鴨川市大山千枚田
主催:地元びいき
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/274865209384609/
○ 第1回コミュニティスペースフォーラム「コミュニティカフェは、いま」
日時:8月30日(水)12:50〜16:10
場所:高島平区民館ホール(高島平駅西口徒歩3分)
主催:いたばしコミュニティスペース連絡会
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/280319088818026/
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* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
* 次号No.51は8月25日(月)[和暦
葉月朔日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也