2015年5月11日(月)。
東日本大震災から4年と2ヶ月目の「月命日」が巡ってきました。
新宿・富久町の「小料理・結」では、毎月11日、「結イレブン」と銘打ち、福島など被災地と新宿を結ぶカフェイベントが開催されています。
この場所は、福島・いわきのご出身で前新宿区議の根本二郎さんが、大震災からの復興を支援する人々の交流と情報発信の拠点として、運営されているカフェ(小料理屋さん)です。
この日は、結イレブンに先立ち、根本さんが理事長を務められているNPO法人「元気になろう福島」の総会が開催されていたそうです。
19時過ぎに開会。
総会に引き続いての方を含めて20名弱の参加者で、さほど広くない店内は今夜も一杯です。
福島の地酒で乾杯(お好みで生ビールや焼酎など)。
この日は、奥会津・金山町の赤かぼちゃ焼酎「ちゃちゅちょ」もありました)。
福島、あるいは地場・東京産の野菜を中心とした料理が出されました。江戸料理の専門家の女性が調理して下さっています。
福島・浪江町(今も全域が避難指示区域)の有名なB級グルメ・浪江焼きそばや、福島・二本松の「きぼうのたねカンパニー」のお米を使ったおむすびも。
食べたり飲んだりしながら、初参加の方を中心に自己紹介。
今回は、若い方を含め初参加の方も多数おられました。新しく新宿区議に当選された男性、千葉・鎌ヶ谷から来られた女性2人など。
主催者の一人、鈴木亮さん(すずめの未来市、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)福島担当)からは、今年の結イレブンの活動方針等についての説明と提案がありました。
「若い力で風評対策(仮)」をテーマに、食べものに焦点を当て、便利さ優先の現代を問う企画を計画されているそうです。期待が高まります。
NPO法人「元気になろう福島」の本田事務局長は、この日もスタッフの方とともに最終列車で福島にご帰還。
終わり近く、根本さんから熱意のこもった挨拶。
実は、この日は統一地方選後の最初の結イレブンだったのですが、福島など被災地の復興と、地元・新宿の地域づくりにかける根本さんの情熱は変わっておられないようです。
22時過ぎに失礼して「結」を出ると、そこはいつもの繁華街の夜の情景。
大声で話しながら練り歩く多くの人たち。カップル。とみに増えてきた外国人旅行者のグループも。
経済も回復基調、5年後にはオリンピック・パラリンピックを控え、何となく街はふわふわと華やいでいます。
4年と少し前の震災のことなど、ほとんどの人は忘れてしまっているかのようです。
5年間の集中復興期間も最終年度。
地震・津波被災地など、それなりに着実に復興が進んできた地域もありますが、その一方で、原子力災害被災地域など、まだまだ息の長い取組が必要な地域もたくさんあります。
福島県では、現在も1000平方km以上の地域が避難指示区域に指定されています。これは東京都23区の面積の2倍弱に相当します。
そのうち、山手線の内側の5倍に当たる面積が、長期にわたって居住が制限される「帰還困難区域」となっているのです。
そして今も、福島県の12万人の人たちが県内外に避難されています。
うち県外への避難者は4万6千人。東京都はもっとも多い6千人を受け入れています(2015年4月、福島県ホームページ)。
3月11日(水)に開催された「東日本大震災を忘れない3.11のつどい」では、避難されている方のお話を伺うことができました。
「風化」が進みつつあることは、残念ですが、認めざるを得ません。
しかし、その繁華街・新宿の一隅に、福島を始め被災地の方たちとともに、前を向いて歩もうとされる方たちの拠点として「結」があります。そこでは、あたかも篝火(かがりび)のように、小さいかも知れませんが、確実に、私たちの社会の良心、矜持、あるいは意地が、燃やし続けられているのです。
そのことが、私自身に深い安堵をもたらせてくれています。
「小料理・結」は、日・祝日を除いて毎日17時から営業。
ご多忙な根本さんも、こちらに顔を出せる時間が少しは増えるのかもしれません。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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