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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.75; 2015.8/14(金)[和暦 文月朔日]発行
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文月に入りました。
七日(20日)は七夕。新暦では梅雨時になりますが、本来は空気が澄
んでくる初秋に行われる行事です。
厳しい残暑が続きますが、蝉の声に日暮れとともに虫の声が交り始め
ました。鎮魂と祈りの歌に聞こえます。明日は70回目の終戦記念日です。
時の流れを体感するため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と十五
日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は文月朔日の配信
です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、
あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げて
いきます。
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本稿では、近年のエンゲル係数の上昇をきっかけに、主に総務省「家
計調査」のデータを用いて食料消費の変化の状況について紹介してきま
した。
そして前回は、2年ほど前からパンに対する支出額が米への支出額を上
回るようになっていることを説明しました(消費「量」については、依
然として米の方が多いことも併せて紹介しました)。
今回は、主食に対する消費支出額が、都市と農村でどのような状況に
なっているかをみてみます。
リンク先の図33は、2014年における米、パン及びカップめん等(カッ
プめん及び即席めん)に対する世帯員1人当たりの消費支出額を、数量と
価格に分けつつ、都市階級別にみたものです(全国平均=1)。
なお、「大都市」とは政令指定都市及び東京都区部、「中都市」とは
大都市を除く人口15万以上の市、「小都市A」とは人口5万以上15万未満
の市、それ以外が「小都市B・町村」です。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/33_toshikaikyu.pdf
このグラフによると、米に対する支出額は大都市から農村にいくに従っ
て減少しています。これは、米の価格が農村部ほど低くなっていること
を反映したものです(消費量は小都市Aで最も多くなっています)。
次に、パンに対する消費額をみると、これも農村部ほど少なくなって
いますが、米と違って価格に大きな違いはなく、農村部における消費量
の少なさが支出額の少なさに直結していることが分かります。
これら米とパンに対する消費についての都市部と農村部の特徴は、ほ
ぼ予想できるものです。
やや意外だったのは、カップめん等の消費です。
これについては、農村部ほど支出額が大きく、かつ、消費量も多くなっ
ているのです。以前(No.69; 2015.5/18配信)、食生活の欧米化・外部
化は高齢世帯においてより大きく進んでいることを指摘しましたが、カッ
プめん等に代表される食生活の簡便化は、都市部よりも、むしろ農村部
で進んでいるというやや意外な結果が、伺われるのです。
[出典等]
総務省「平成26年家計調査」
(都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入
数量及び平均価格)(2人以上の世帯)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001129409
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
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7月下旬、念願だった相馬野馬追の観覧に行ってきました。
会場となる相馬市、南相馬市へは、本来であれば東京からJR常磐線で
直行できるのですが、東日本大震災の影響で、現在も一部区間が不通と
なっています。
このため、いったん東北新幹線で仙台まで出て、そこから常磐線に乗
り換えて亘理まで南下。ここから相馬まで代行バスに乗りました。津波
被害を受けたこの区間では、以前の路線を内陸に移設すると同時に高架
化する工事が行われています。2017年春の運行再開が予定されています。
しかし、もう一箇所の不通区間である竜田〜原ノ町間は、原発事故に
伴う帰還困難区域を通るため、運転再開は「除染や異常時の利用者の安
全確保を完了した後」とされており、常磐線全体がつながるにはまだ時
間がかかりそうです。
さて、今年の相馬野馬追の主な行事は、7月25日(土)の中村神社
(相馬市)での出陣式に始まり、南相馬市・鹿島区での総大将出迎え、
翌26日(日)には原町区・雲雀ケ原祭場地における甲冑競馬と神旗争奪
戦等が行われ、これら一連の行事を観覧することができました。
間近に見る騎馬武者たちの華麗で勇壮な姿、甲冑競馬等の迫力は、想
像していた以上の素晴らしさでした。
ところで相馬野馬追とは、相馬氏の祖とされる平将門が軍事訓練のた
めに原野の馬を捕らえ神前に奉納したことに由来する国の重要無形民俗
文化財で、一千余年の歴史を誇るそうです。
かつてこの地域では馬は農耕にも使われ、多くの農家で飼養されてい
ました。しかし、大震災の津波で多くの人馬が犠牲となり、さらに原発
事故によって、人だけではなく馬も避難を余儀なくされました。
このため、2011年の野馬追は大幅に規模が縮小されたましたが、それ
でも、行事は途切れることなく続けられてきているのです。
さて、27日(月)の最終日には南相馬市の小高神社境内で野馬懸(上
げ馬の神事)が行われましたが、この地は現在も避難指示区域内にあり
ます。人々の居住は許されていません。
このように福島・浜通りでは、インフラなど着実な復興が進められる
一方で、依然として大震災と原発事故の大きな爪痕は消えてはいません。
そのようななか、千年も続く伝統行事を守り伝えることによって、地
域そのものを維持していこうとする方達の思いに、深く感じ入ることが
できた旅でした。
[参考]
相馬野馬追執行委員会 公式ページ
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ 常磐線で福島・相馬へ (07/30)
http://food-mileage.jp/2015/07/30/
○ 2015年の相馬野馬追 観覧記(上)
(08/02)
http://food-mileage.jp/2015/08/02/
○ 同(下)(08/03)
http://food-mileage.jp/2015/08/03/
○ シェフズテーブル:銀座で味わった小川町の野菜 (08/06)
http://food-mileage.jp/2015/08/06/
○ 2015年8月の「結イレブン」は花火大会も @ 新宿 (08/12)
http://food-mileage.jp/2015/08/12/
▼ 筆者が説明者として参加予した8月2日(日)のシェフズテーブル
(US.Peaceファーム主催)の説明資料です。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/150802_USP.pdf
(主催者による開催レポートはこちら↓)
http://uspeace.jp/user_data/report10.php
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ そうだ!檜原村の東京ゴマ01畑へ行こう!
〜夏休みの濃ゆすぎる思い出づくり編〜
日時:8月15日(土)10:30 JR武蔵五日市駅集合
場所:東京・檜原村
へんぼり堂近く
主催:檜原村の東京ゴマ01を応援し隊!
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/992746197424998/
○【だれでも参加OK!】
へんぼり集落夏祭り!
みんな久しぶり! あの興奮をもう一度!
日時:8月15日(土) 10:00〜16日(日) 10:00
場所:へんぼり堂近く(西多摩郡檜原村人里1839)
主催:東京ひのはら村ゲストハウス
へんぼり堂
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/856572281090112/
○ 生物多様性と食と農
日時:8月22日(土)13:30〜16:30
場所:生涯学習センタークリエイトホール(東京・八王子市)
主催:八王子市民のがっこう<まなび・つなぐ広場>
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/462955423865572/
○ 若手野菜農家×若手八百屋対談
「旬のおいしい野菜へのこだわりとお客様とのつながり」
日時:8月27日(木)19:00〜21:30
場所:バー・クオーレ(東京・池袋駅西口)
主催:農業ビジネス研究会
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/976970219013752/
○ ユギムラBBQ!!「みんな集まれ!」
日時:8月29日(土)15:00〜20:00
場所:ユギムラ牧場(東京・八王子市堀之内)
主催:株式会社フィオ(FIO)
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1498790843745945/
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* 今号のコツコツ小咄。
「こう毎日暑いと、南の島にでも行きたくなるね」
「そう言えば、桃太郎とゴーギャンは同じ島に行ったらしいよ」
「えっ、何ていう島?」
「退治(タヒチ)に行ったって」
* 次号No.76は、8月28日(金)[文月十五日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/