2015年10月17日(土)。昨夜からの雨は午後から上がりました。
自宅近くの市民農園へ。播種した大根、東京長カブ等も順調。
キャベツは、苗を植え付けてからネットをかけるまで1日ほど空いたせいか、すごい虫食い状態に。大きい青虫を1匹、小さいのを3匹ほど発見し駆除。まだいそうです。
翌18日(日)は絶好の秋晴れに。
朝9時過ぎにJR中央線の上野原駅(山梨)に到着。ハイキングに行く人達が列を作ってバスに乗り込んでいます。
車に乗せて頂き、西原(さいはら)地区へ。紅葉が始まり、ススキの穂が揺れています。
この日は、古民家再生ワークショップの第2回。メインの作業は「基礎の修復」とのこと。
9時過ぎに30名ほどが現地に集合。9月22日(火・祝)に開催された1回目のメンバーのほとんどが今回も参加。すごいリピート率です。
冒頭、前回に続き、指導して下さる森田千史さん(一級建築士)から、ワークショップの意義等について説明を頂きました。
特定非営利活動法人 伝統木構造の会にも参加されている森田さん、「耐久性や風土性に優れている伝統木造建築の優位性は理解されておらず、どんどん取り壊されている。この価値を認め、大工さん達の技術とともに将来の世代に継承していくことは自分たちの世代の義務」と、今回も熱く語られました。
(伝統木構造の優れた性質については、前回の拙ブログでも紹介しています。)
続いて主催者のOさん(千葉出身で、すぐ隣の家に移住されている方)から、この日の作業内容等について説明。
前回は家財等を運び出して掃除し、柱や敷居を磨いたのですが、この日の作業はまず、畳を運び出すことから。
人海戦術で次々と運び出していきます。
畳の後は、パール等を使って床板を剥がし、手渡しで家の外へ。
床下の大引(おおびき、太い横架材)や根太(ねだ、床板を支える平行材)が露わになってきました。シロアリに食べられてボロボロになっている部分も。これらもすべて撤去します。
かまどのような構造物も出てきました。
養蚕のための加温に使われたカマドのようです。
築100年以上、床下に溜まったゴミを片づけ。動物の糞なども。
運び出した畳や床板は、使えるものは再利用する予定です。
ここでOさんのご主人(大工さんです。)が取り出したのが、水盛り管(みずもりかん)という器具。建物がどのくらい水平からずれているかを計る器具です。
長いビニールの管を引っ張って、様々な場所の水平を計っていきます。レーザー式のものも併用します。
やはり、かなり歪んでいるようです。
特に歪みの大きい個所(入り口から入って右奥の柱部分)には、サポという金属製の支持材をかまして取りあえず補強。
建物全体の歪みを直していくため、まず、基礎の部分を修復するのがこの日の作業の目標です。
正午を回って昼食の時間。
この日は、地元のお母さん達がカレーライスを準備して下さいました。晴天の下、大勢で頂く食事は格別です。
食事後は、改めて参加者一人ひとりから自己紹介など。多くは1回目に続いての参加です。
作業再開。
改めて柱の根元をみると、柱は土台となっている石の上に置かれているだけで固定されていません。地震の揺れ等にも強い、いわゆる「柔構造」になっているのです。
ここが、コンクリートの基礎を打ち込んで柱をしっかりと固定する一般的な木造建築と異なります。建築基準法に基づく「在来工法」とは、決して伝統的な工法ではないのです。
家全体が水平を取り戻すまで、各所の梁を少しずつジャッキで持ち上げ、サポを入れて行きます。
ジャッキは地元の子ども達にも人気。
柱と基礎の石との間にできたすき間に、別の平たい石や木片をかまします。そして、石がぐらぐらしないように、石の回りをコンクリートで固定していきます。
必要な箇所には、コンクリートを流し入れる板枠を設けます。
並行して、建物の外では剥がした床板等を、再利用できるものと廃棄するものとを分別する作業など。
2階部分も、測量や補強を行います。
15時過ぎにはおやつの時間。
今度は葱チジミを焼いて下さいました。手づくりの味噌や唐辛子の醤油漬けをつけて頂きます。
地元産の2種類のサツマイモも。
陽が傾いてきました。
基礎部分が土に埋もれている箇所は、シャベルで土を取り除いて猫車で搬出。
次々と基礎部分を補修していきます。あくまで固めるのは土台の石だけで、柱は固定しません。
屋内に西日が射しこんでくるようになった16時30分頃、予定されていた作業は終了。
森田さんから、この日の作業の振り返り。
「やる気のあるボランティアの皆さんだから、今回も予想以上に作業が進みました」と、なかなか人をおだてるのも上手です。
Oさんから次回の説明。11月22日(日)は、この古民家をどのように活用していくかについて話し合いをする予定とのこと。
この日は恒例の地元のお祭り「はたけっとまーけっと」の開催日でもあることから、この古民家にも多くの見学者が訪れることになりそうです。
17時を回って太陽が山の端に隠れると、たちまち肌寒くなってきました。
すぐ上のOさん宅から古民家を望むと、だいぶ水平になってきたようです。庭には立派な鯉のぼりの棹が立てられています。
山梨県の上野原駅は、東京・高尾からJR中央線で3駅、20分ほど。そこから車かバスで40分ほどの西原(さいはら)地区は、豊かな自然にも包まれています(アサギマダラの写真は午前中に撮影したもの)。
さいはらにはOさんのような移住者の方もおられ、地元NPOと東京のNPOが協働して様々な交流活動にも取り組んでいます。
そのひとつ「しごと塾さいはら」は、次回は11月3日(火・祝)に蕎麦と大豆の収穫を行う予定とのこと。
東京にも至近の「ふるさと」を、一度、訪ねてみませんか。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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