2015収穫祭 @上越・大賀集落

 
 2015年11月最後の週末は新潟・上越市大賀集落へ。
 28日(土)、朝6時のJRたかったー馬場は真っ暗です。ここで「たかったー」氏に拾ってもらい、4名で関越道に向かいます。
 途中で夜が明けてきました。富士山がくっきりと見えます。
 上里SAで地場産小麦粉を使用した「こむぎっち肉まん」で朝食。ここで合流したみずか号に乗せてもらい、さらに北へ。
 左側には真っ白な浅間山の雄姿。上州の山々が迫ってきます。素晴らしい眺めです。
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 ところが国境の長いトンネルを抜けた途端に天候が一変。雪混じりの雨が落ちています。
 途中、休憩した道の駅・まつだいのクリスマスの飾り付けも雨の中。
 
 青空市場(上越市大島区)で、各自、昼食やお土産を購入。
 実は前回も雨模様だったのがこの辺りから小降りになり、現地に着く頃には上がって無事に稲刈りができたのですが…。
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 国道から山あいの道に入り、目指す大賀集落についたのは10時40分ころ。
 集会所も柿の木も田んぼも、かなり強い雨の中です。
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 この日は、実は桜を植樹する作業をお手伝いする予定だったのですが、雨が強くなることを予想されてか、地元の方達によって既に終了していました。
 集会施設の前のスペース等に、合計10本ほどのソメイヨシノとオオシマザクラが植えられました。再来年の春には花を咲かせるそうです。大賀に来る楽しみが、また一つ増えました。
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 加工施設には、今年の春から田植え、草取り、稲刈りをさせてもらったお米が、玄米になって並べられていました。
 参加者の分を小分け。
 集会所に戻って、それぞれ持参の昼食。私は青空市場で求めた舞茸おむすび。外はかなり気温は低いのですが、室内は薪ストーブが暖めてくれます。
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 13時頃になって、地元のお母さん達が材料を持って収穫祭の準備に来て下さいました。
 今日は鴨汁を作って下さるそうです。野生の鴨は食べた経験が無かったので楽しみです。
 半数ほどは加工施設に移動。こちらでは蕎麦を打って下さるとのこと。
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 木鉢に入れられた地元産のそば粉に、つなぎとしてヤマノイモと卵を入れて、こねていきます。
 東京からの参加者も体験させて頂きました。力とコツが必要な工程です。
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 こね上がった生地を丸く整え、麺棒で平たく伸ばしていきます。
 麺棒に巻きつけるように繰り返し伸ばし、次第に薄くなっていきます。打ち粉には米粉が使われています。
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 十分に薄く伸ばした生地を折り畳み、大きな包丁で切っていきます。
 駒板は使いません。なかなか幅が揃えるのが難しいです。
 
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 蕎麦打ちが終了して14時30分頃に集会所に戻ると、鴨汁の準備が進められていました。
 午前中にさばいたばかりという鴨肉は、目にも鮮やかな深い紅色です。
 囲炉裏のストーブにかけた鍋の中に鴨肉を投入、あくを取りながら里芋や野菜を入れていきます。
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 他にも様々なお料理が並びました。
 地元産野菜等を使ったスルメにんじん、ジャガイモ、栗きんとん、煮物。
 仕出しの折詰も1人ずつに準備して下さいました。
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 鴨汁も出来上がりました。カボチャのサラダ。
 金沢出身のみずかさんは、郷土料理のえびす(別名べろべろ)を作ってきて下さっています。
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 16時過ぎに収穫祭がスタート。
 地元の14名の方が集まって下さいました。東京組は9名。賑やかな宴です。
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 大賀地区がある上越市吉川区は、杜氏の里と呼ばれるほど昔から酒造りが盛んな地です。
 美味しい日本酒も並びました。
 「よしかわ杜氏大辛口」は地元産の酒米・五百万石を使用したものこと。「金鶴」は佐渡の加藤酒造店製。
 東京組が途中で調達してきたのは、千代の光酒造(妙高市)の新銘柄(数量限定)の「KENICHIRO(けんいちろう)」。
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 歓談が続くくなか、不覚にも部屋の隅で「寝落ち」。
 しばらくして米価がどう、中山間支払いがどう、という話声が耳に入ってきて目が醒めました。
 地元の30代男性は、鉄道会社に勤める傍ら(つまり兼業農家)、地域の水田を引き受けて規模拡大しつつ農業経営をされています。ところが中山間地の水田は一つひとつの区画は狭く、傾斜地にあるため、効率化にも限界があります。ブランド化して直販等に取り組んでおられるそうですが、交付金で何とか成り立っている状況とのこと。
 一方で、厳しい条件は覚悟の上で首都圏からこの地域に移住され、農業を始められた若い一家もおられます。
151128_16_convert_20151203024656.jpg 地形によって、作目によって農業の在り方は様々です。
 全体として生産性向上が必要があることは当然ながら、一方で、このような条件不利とされる農業を支えていくためには(国土や環境を守っているのですから)、都会の消費者の理解と協力が不可欠です(いわゆるCSAもその一つ)。
 そのためには、この日のような交流活動を続けることが大事、といった結論にまとまりかけたところで、気が付くと時計は23時近く。10時間以上、呑んで話していたことになります。 
 翌朝も雨は上がりませんでした。
 玄関先には、地元の方がたくさんの柿や大根を届けて下さっていました。
 精米したばかりの新米のご飯は、一粒一粒が輝いているようで、何とも言えない美味しさでした。
 
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 中山間地域、あるいは限界集落(嫌な言葉ですが)と言われる地域、しかも豪雪地帯で農業を営み、暮らしておられる方達の話を親しく伺い、交流できることは、私にとって何にも代え難い経験です。
 来年も楽しみにしています。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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