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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信− ◇◆◇
No.89; 2016.3/9(水)[和暦 如月朔日]発行
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和暦では如月(きさらぎ)に入りました。
高月美樹さん『和暦日々是好日』によると、如月とは草木がよみがえ
る「生更来」「草木張月」、まだ寒さが残る「衣更着」の月とのこと。
ちなみに今日は部分日食があるようですね。
気が付くと道端ではホトケノザのピンクの花が満開。季節がめぐり、
間もなく5年目の311を迎えます。
時の流れを体感するため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)と十五
日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は如月朔日の配信
です。
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◆ F.M.豆知識
食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、
あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げ
ていきます。
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【尖鋭化する一極集中】
前々回は半ば冗談ながら、牛1頭当たり、森林面積当たりの「一票の格
差」を計算してみたところ、それぞれ1100倍、140倍という大きな格差が
あり、日本の国土はバランスがとれていないのではないかと問題提起し
ました(表44)。、
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/44_kakusa.pdf
また、前回は、大都市圏への人口集中の状況について国際比較を試み
たところ、日本の東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)は世界の中でダ
ントツの大都市圏であることが明らかとなりました(図45)。
日本は国土、特に平地面積が狭いという制約があるとはいえ、日本の
一極集中の度合いは諸外国と比べても特異と言わざるを得ないようです。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/45_daitosi.pdf
今回は、先日、2015年値の速報が公表された総務省『国勢調査』によ
り、人口の一極集中の経緯を概観します(図46)。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/46_kokucho.pdf
図46の棒グラフは、圏域別の5年ごとの人口増減率を示したものです。
これによると、高度経済成長期の初期(1970年頃まで)は地方圏(20
15年における人口が下位20県)の人口減少と、三大都市圏(東京圏、中
部圏及び大阪圏)への移動がみられましたが、70年代に入ると、日本全
体の人口が増加するなか、地方圏でも人口が増加あるいは横ばいとなり、
「国土の均衡ある発展」がある程度は実現しかけていました。
ところが2000年代に入り、再び地方圏の人口は減少し始め、しかも減
少のペースが加速しているのです。さらには、中間圏(三大都市圏及び
地方圏以外の道県)の人口も減少に転じています。
一方、大都市圏への人口移動の状況をみると、2000年代に入ると大阪
圏や中部圏への人口流入は頭打ちとなっており、東京圏のみに集中する
ようになっています。そして、特に直近(2000〜05年)では、実に東京
都のみが増加しているという状況です。
東京及び地方圏の人口増減率(折れ線)をみても、最近は、地方圏で
の人口減少が再び加速し、東京都のみに人口が集中するようになってい
ることが分かります。
つまり、日本全体の人口が減少に転じるなか、日本における人口の一
極集中は、さらにいびつに、尖鋭化しているのです。
[出典、参考資料等]
総務省『平成27年国勢調査』
http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2015/
FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html
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◆ オーシャン・カレント −潮目を変える−
食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでお
られる方達、トピックス等を紹介しています。
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【対話ラボ】
「対話」について、ゆるゆると、かつ、真剣に「研究」しようという
活動が始まっています。
活動の拠点は、東京・新橋にある「ご近所ラボ新橋」。
「ご近所イノベーション」のための研究や実験が「部活」等として行
われているオープンな交流の場です。
部活の一つに「対話の場づくり部」というのがありました。
約1年半の間の毎週水曜日、有識者をお呼びしての講演会等も含め、
オープンな対話の場づくりに取り組んできたのですが、さらなるレベル
アップを目指していったん解散、改めて「対話ラボ」として発足するこ
ととなったのです。
そして先日(3月2日)、「対話ラボ・キックオフパーティー」が開か
れました。
この日は10名強が参加。うち8名の方から、1年をかけて実施する研究
テーマが発表されました。そのキーワードは、例えば「静寂」「サード
プレイス、コモンズ」「丸は三角に勝てるか」「愛、金」「哲学カフェ」
「自分にとってのサステナビリティ」「アフォーダンス by ホラクラシ
ー型の復活」など多彩なものです。
内容については、やや抽象的だったため、本日(3月9日)夜、改めて
具体的な研究プランを持ち寄って、お互いに聞きあい深めていくことに
なっています。
この「対話ラボ」はオープンな場で、研究テーマの準備等がなくても
誰でも自由に参加できます(出入り自由)。毎週水曜(19時位から)が
定例日ですので、関心のある方はふらっと覗いてみて下さい。
対話のなかから、何か化学反応が起こるかもしれません。
[参考]
ご近所ラボ新橋
https://www.facebook.com/gokinjyolaboshimbashi
対話ラボ キックオフ(拙ブログ)
http://food-mileage.jp/2016/03/04/
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◆ 情報ひろば
拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント
の開催情報等をお届します。
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▼ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報
○ 齋藤修先生最終講義「フードシステム研究と食・農・地域をつなぐ」
(02/26)
http://food-mileage.jp/2016/02/26/
○ 奥沢ブッククラブ(第5回) (02/27)
http://food-mileage.jp/2016/02/27/
○ 「対話ラボ」キックオフ (03/04)
http://food-mileage.jp/2016/03/04/
▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には
必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。
○ 結イレブンvol.27
特別篇「311未来へのつどい
ピースオンアース」
日時:3月11日(金)12:00〜17:00
場所:日比谷公園(東京・千代田区)
主催:ゆうきひろがる〜有機農業とオーガニックライフ〜
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/219793418373785/
○ わかやまおむすび会 @ IRORI
日時:3月12日(土)18:30〜20:00
場所:IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen(中央区日本橋横山町)
主催:しおじさん
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1605559146350221/
○ 福島の今を知る2
日時:3月15日(火)18:30〜20:00
場所:毎日ホール(東京・千代田区竹橋)
主催:毎日メディアカフェ
(詳細、お問合せ等↓)
https://mainichimediacafe.jp/eventcal/?yy=2016&mm=3#l1688
○ ふくしまオルガン堂 感謝祭(閉店イベント)
日時:3月20日(日)12:00〜
場所:ふくしまオルガン堂(東京・世田谷区代沢)
主催:福島県有機農業ネットワーク
(詳細、お問合せ等↓)
http://fukushima-yuuki.net/organ/
○ 奥沢ブッククラブ(第6回)
日時:3月22日(火)18:00〜21:00
場所:シェア奥沢(東京・世田谷区奥沢)
主催:奥沢ブッククラブ
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/events/1578926795767115/
○ 畑のうない作業
& ヒロ牧場で乗馬体験
日時:3月20日(日)8:25 JR中央線上野原駅前バス停集合
場所:山梨・上野原市西原地区
主催:しごと塾さいはらプロジェクト
(詳細、お問合せ等↓)
https://www.facebook.com/しごと塾さいはら-134546543288230/
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* 今号のコツコツ小咄。
「もう忘れちゃったの? あれから何年だと思ってるのよ」
「ごめんね(ごねんめ)」
注:「コツコツ小咄」は、拙FBページにて土日祝を除く毎日、絶賛(?)投稿中です。
https://www.facebook.com/tetsuya.nakata.7
* 次号No.90は、3月23日(水)[如月十五日]の配信予定です。
* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて
頂いています。いつもありがとうございます。
* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方
は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】
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◆ 発行者:中田哲也