表54 リスク認知に影響する要素


◆ F.M.豆知識
  食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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 【リスクの大きさを感じるメカニズム】

 食に関するリスクについて、前々回、前回と、9割以上の消費者が「家庭での取り扱い方」については「安心」と感じているのに対し、食中毒により死者は家庭で最も多く発生していることから、ある程度科学的・客観的に評価できる「安全」と、主観に基づく「安心」とは全く異なることを紹介しました。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/52_monitor.pdf
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/53_shokuchudoku.pdf

 それでは、人がリスクの大きさを感じるメカニズムとは、どのようなものでしょうか。
 リンク先の表54は、農林水産省ホームページに掲載されている「健康に関するリスクコミュニケーションの原理と実践の入門書」の一部を表に整理したものです。

 これによると、自分で制御・管理が可能と感じられるリスクは実際よりも小さく感じられる一方、他人により制御・管理されていると感じられるリスクは実際よりも大きく感じられるとしています。
 また、熟知していると感じられるリスクは実際よりも小さく、逆に経験がないリスクは実際より大きく感じられるとのこと。
 家庭での取り扱い方に関する「安全」と「安心」のギャップは、どうやらこの辺りに起因しているようです。

 さらに、この表によると、信用できる源から起こっていると感じられるリスクは実際よりも小さく、信用できない源からと感じられるリスクは実際よりも大きく感じられるとしています。

 食生活の多様化・高度化等に伴い、消費者には、自分たちの食べものが、どこで誰によってどのように作られているかが見えにくくなっています。つまり「食と農の間の距離」が拡大してしまっていることが、食に対する不安感を高める要因ともなっているのです。
 食に対する不安感を減らしていくための方策を考える場合、この辺りにヒントがありそうです。

[出典、参考資料等]
 農林水産省「健康に関するリスクコミュニケーションの原理と実践の入門書」
  http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/r_risk_comm/index.html 

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)
  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

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