2016年7月9日(土)。
「がまだせ、くまもと! 食べて呑んで勝手に熊本を応援する会」の当日は、生憎の雨模様になりました。
前夜は妻はナスの揚げ煮づくり、私は資料の準備等でよく眠れませんでした。
準備してあった米、ジュース、ペットポトル等を詰めたリュックを背負って8時半頃に自宅を出発。
雨と荷物が重いのとで、タクシーで駅へ。
10時前にJR神田駅到着。改札でお手伝いを申し出て下さっていたNさんが待っていて下さいました。
連れ立って全国うまいもの交流サロン・なみへいへ。ここが今日の会場です。
玄関脇に張られている今日のチラシには、「満員御礼」の紙が張られています。
定員を上回る方から申し込みを頂いています。今日の天候で、果たして当日キャンセルが何人出るか?
なみへいのオーナー・川野真理子さんが待っていて下さいました。
朝早くからお店を開け、熊本から送られた宅配便を受け取っていて下さっていたのです。各種野菜、トマト、しゃぶしゃぶ用のあか牛の肉、ひご野菜コロッケ(冷凍)など、全て揃っています。
やがて、やはり手伝いを申し出て下さっていたUさん、Mさん、YHさん、YMさんが到着。Kさんは、わざわざ名古屋から来て下さいました。
早速、料理に取り掛かります。
野菜等の詳しい品目は当日まで分からなかったため、よく言えば臨機応変。悪く言えばバタバタ。
手分けして野菜を切ったり、ひたすらコロッケを揚げたり。調味料やガスボンベは近くのスーパーに買い出しに。
ハーブがたくさん入っていたので、Nさんの発案でハーブティーを作って下さいました。半分は熱いままポットに詰め、残りの半分は水と氷で冷やします。
やがて、発起人代表の蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)も到着。今日は演奏をお願いしているため、お一人で楽器の調整とリハーサル。
蔦谷先生の奥様も、調理と配膳を手伝って下さいました。
発起人の茂木正光さん(戦略経営研究会)と植村春香さん(農業情報総合研究所)も到着。受付の準備に取りかかります。
気がつくと12時近く。開会まで1時間、まだまだ調理と配膳は終わりが見えてきません。間に合うか!
できた料理からようやくテーブルに並べ始めた頃、早くも「何か手伝うことがあればと思って」と何人もの方が来て下さいます。有難いことです。
厚かましく、パンフレットの四つ折やシール貼り等をお願いしました(助かりました)。
そして開会予定の13時。
悪天候にもかかわらず当日のキャンセルは3名のみで、参加者は45名です。もともと40名を想定していたため、やや窮屈になってしまいました。
発起人代表の蔦谷先生から挨拶。
蔦谷先生は、元農林中金熊本市店長として3年弱、熊本に在勤・在住。多くの知人、友人もいらっしゃいます。
4名の発起人の思いつきから実現にこぎつけた文字通り「手作り」の食事会に、多くの方の参加を頂いたことに感謝の言葉を述べて頂き、引き続き乾杯の発声。
時間も限られていることから、食材の紹介はパンフレット(生産者など詳細はこちらをご覧下さい。)を見て頂くこととし、前夜に作ったスライド(5月に熊本を訪問した際の写真集)も流すだけにして(店長さん、スクリーン設置などお世話になりました!)、まずは懇談して頂くことに。
この日の献立。
前菜は辛子蓮根、日奈久竹輪(チーズ入り)、豆腐の味噌漬け、水前寺海苔。これらは銀座熊本館で求めたものです。
ほとんどが熊本の食材ですが、漬物は福島・いわき市のしそ巻き等。東北、福島の被災地にも思いを馳せて頂きたいという思いを込めたつもりです(会場では、7月24日の福島オーガニックコットン・ボラバスのチラシも配布)。
南阿蘇オーガニック(株)の各種野菜、橋本龍生さん(山都町・阿蘇草原研究会)のトマト、それに塩根嗣理さん(芦北町、自然処代表)から提供(寄付)頂いたサラダタマネギ等のサラダ。
ナスの揚げ煮は、前日、わが家で作って持ち込んだもの。この季節、都内で売られているナスはほとんど関東産に置きかわっていて、妻は熊本産を求めてスーパーを5軒回ったそうです。
「ひご之すけ」(熊本市)のひご野菜コロッケ。熊本(肥後)の伝統野菜やあか牛を使ったコロッケ、メンチカツです。
宴の後半には、世界農業遺産にも認定されている阿蘇の草原で育てられたあか牛のしゃぶしゃぶ。
生産者は井俊介さん(産山村)です。井さんのあか牛は、地元のレストランでも頂けます。
〆の雑炊には、飼料米で育てられた那須ファーム(宇城市)の八十八卵と、「熊本ヒノデ米プロジェクト」のお米。
この辺り、写真を撮り損ねてしまいました(スミマセン)。
飲み物は、まず日本酒は産山村(純米吟醸、山鹿市・千代の園酒造)、泰斗(特別純米、同)、雲雀(純米、山都町・通潤酒造)、墨守(本醸造、熊本市・瑞鷹)。
いずれも東京ではなかなか手に入らない珍しいものを、熊本市の酒屋さんにお願いして取り寄せました。
芋焼酎は、茂作の赤及び白(和水町・花の香酒造)。
ソフトドリンクはデコポンジュース、甘夏ジュース、白水(ミネラルウォーター)。それにNさん特製のハーブティー(温、冷)など。
なみへいから、サービスでワイン等も差し入れて下さいました。
この日は、ちょうど上京しておられた熊本市在住の古閑元子さん(フードコーディネーター、クッキングスタジオ主宰)が、お兄様ご夫妻とともに参加して下さっていたので、現地・熊本の現状等について報告を頂きました。
「本震を受けた時はクッキングスタジオで講座の準備をしていた。椅子に座っていたのが後ろに弾き飛ばされるような強い揺れ。スタジオも自宅も大きな被害を受けた。ところが、その前代未聞の大地震が、最近は報道も少なくなり、全国の人達から忘れられようとしているのではないかと危惧している。
自分は引越しも済ませ、クッキングスタジオも近く再開する。皆さんも、熊本で頑張っている生産者の産物を目にする機会があれば、ぜひ、購入して頂くなど、これからも支援を続けていって頂きたい」
実際に体験された方から直接伺う話は、重みがあります。
開会から一貫して賑やかだった会場も、この時だけは静かになり、皆さん古閑さんの話に耳を傾けていました。
古閑さん、有難うございました。
しばし歓談に続いて、蔦谷さんによる熊本や復興に関わる楽曲の演奏。
曲目は熊本県民謡「五木の子守歌」(尺八)、早坂泰子作詞、原荘介作曲「海の見える町-東日本大震災レクイエム」(ギター)など。
弾き語りの時は、東京・小金井市の生産者Tさんがマイクを持って下さいました。
続いてジャンケン大会。
景品は、ひご之すけ・北さんが提供して下さったひご野菜コロッケ(冷凍)と、タマネギ3袋。
くまモンならぬ「くまミン」を相手に盛り上がりました(植村さん、有難うございました)。
気がつくと、終了予定時刻の15時を回っています。
まさに宴たけなわではありますが、15時20分頃、なみへいオーナーの川野真理子さんから中締めの挨拶を頂きました。
思えば、「東京から地域興し」をコンセプトとするなみへい以上に、今回のイベントにふさわしい会場はなかったことを改めて実感した次第です。
それから後片付け。参加者の皆さんの多くも、自主的に食器等を運んで下さいました。
ほとんど食べ残しはありませんでした。一般的に宴会は、結婚式の披露宴等と並んで、最も食べ残し・食品ロスが出るといわれているのですが、熊本から届いた「顔の見える」食材等を、皆さん、大事に思って下さったようです。
午前中から調理や配膳を手伝って下さった方たちが、食器洗い等にも残って下さいました。
川野さんにはハラハラさせましたが、何とか約束の17時までに片付けも終了。
その川野さんがビールを出して下さり、 「くまもと食べる通信」のムービーやスライド(写真集)を見ながら、ささやかに打ち上げ。
全くの手作りの食事会は、何とか無事に終了。どこからも助成等は頂きませんでしたが、多くの方が参加して下さったおかげで収支もトントンに。
反省点はいくつもあります。
一つは、やはり少し時間を使っても、食材の由来や生産者のことを口頭でも紹介し、併せて「くまもと食べる通信」のムービーも皆さんで見て頂けば良かったこと。
今日頂く食材が、どのような土地でどのような方達が生産されているか、より感じ取って頂けたと思います。
もう一つは、なみへいの川野さんと店長さんには全くのスタッフとして朝から対応して頂き、せっかくの食事を試食して頂けなかったこと。気配りが足りませんでした。
いずれにしても、多くの方の協力を得て、何とか終了することができました。
特に、食材を調達して下さったくまもと食べる通信の林信吾さん、会場を提供して下さった「なみへい」の川野真理子さんと店長さんには多大の協力を頂きました。また、塩根嗣理さん(芦北町、自然処代表)からも食材を提供(寄付)頂きました。
ここに記してお礼申し上げます。
そして土曜日の午後という時間帯、しかも足元の悪い中、素人による食事会に足を運んで下さった参加者の皆さま全員に、心よりお礼申し上げます。
報道は少なくなっていますが、もしこの日の会合が、これからも熊本産の食材を購入する等の支援を続けて下さるきっかけとなれば、発起人一同、それに勝る喜びはありません。
追伸:本記事の写真の何点かは、入江杏さん、高橋金一さんに提供頂いたものです。有難うございました。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
(プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業を検討中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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