2016年7月も半ば。
和暦では水無月、まだ梅雨は明けませんが、今年もヒマワリが目を楽しませてくれる季節になりました。
7月13日(水)の終業後は、東京・葛飾区の立石へ。雨が落ちています。
京成立石駅から5分ほど歩いた狭い路地の奥に「スペース杉」があります。 民家を改装し、地域の方達が活動する拠点として開放されている場です。
ここで毎週(水曜が多いようです)、開催されているのが「立石マルシェ」。主催されているのは横山知代さん。
デパートに勤務しつつ、週1回、埼玉・ときがわ町の有機農家に研修に通うとともに、このマルシェで野菜や加工品を販売されているのです。
そして月1回程度は、生産者の方をゲストとしてお招きし、生産された野菜等を使った食事を頂きながらの交流会を開催されています。
この日のイベントの名称は、「夏野菜を食べて日本の農業を応援する会」。
19時過ぎに到着すると、7人ほどが平テーブルを囲んでいました。
奥のテーブルでは別の会合が行われていましたが、ほどなく終了し、そちらへ移動。テーブルの上には生野菜のサラダ、キュウリと空心菜の煮物、パスタなどが並んでいます。
シェフ役は、ここで簿記の講座を開催されているTさん(男性)です。
この日の参加者は(入れ替わりがありましたが)、女性陣は横山さんのほか、様々な地域活動をされているAさん、ここで子ども食堂を開いておられるIさん、それにパン作りをされているHAさん。この日は美味しい蒸しパンを頂きました(お土産にも購入)。
男性陣は、このスペースの大家さん、福祉関係の仕事をされているFさん、退職して革製品のペイント教室を主宰されているHさん、それに地元のお寺の副住職をされているKさん。
そしてゲストとして、鳩山かんちゃんファームのKさんが埼玉・鳩山町からみえられています。
この日の料理に使われている野菜は、Kさんが持ってきて下さったもの。ちなみにテーブルには、天狗のような鼻が生えたナスが飾られています。
Kさんは埼玉県の出身。
9年間勤めた県庁を退職し、埼玉・鳩山町で新規就農された方。
野菜等の中心に有機農業を営んでおられ、グループで「ときのこや」という直売所も運営されているそうです。
しかし、生産者の皆さんは天候や季節に左右される農作業に忙殺され、直売所の運営には(店番に人を出すなど)難しい面もあるそうです。
また、8月に開催される「夏の大マーケット」(8月7日、14日、21日。いずれも日曜日)についての情報提供も。
全員、Kさんの話に興味深く聞き入っていましたが、特にHさんは大学時代、半年間休学して長野の野菜農家に住み込んで農業に携わった経験があるそうで、新規就農したKさんの気持ちはよく分かる、と言っておられました。
そして多くの方から、ぜひ、鳩山町やときがわ村に行ってみたいという声が上がり、Kさんからはイベントの機会でもいいし、そうでなくてもいつでも歓迎します、と言って下さいました。
横山さんがツアーを企画されることになるかも知れません(期待しています)。
立石マルシェは、決して派手でも、大規模な取組みでもありません。
開催案内等も、基本的には口コミや地元でのチラシ配布、地元を対象としたFBグループページへの投稿等に、ほぼ限られています。
しかし、横山さんが個人的に顔が見える範囲で取り組んでおられるからこそ、都市(葛飾区立石)と農村(埼玉・ときがわ町や鳩山町)という具体的な地域の間で、濃密な信頼関係が生まれているのです。
横山さんの取組みに、心からエールを送りたいと思います。
そして、このような地域に根ざした取組みが各地に生まれ、広がっていくことで、日本全体の食べものの安定供給や安心の確保につながっていくことが期待されます。
なお、横山さんと「立石マルシェ」の取組については、拙メルマガNo.98でも紹介させ て頂いています。