奥沢ブッククラブ(第14回)

 2016年11月17日(木)の終業後は、東京・自由が丘のシェア奥沢へ。夜が長くなってきました。
 奥沢ブッククラブに久しぶりに参加。毎月1回のペースで開催されている「まだ出会っていない本、まだ出会っていない人との出会いを大切にする読書会」も第14回を迎えました。
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 いつも通り19時頃に到着した時は、皆さん食事はほぼ終わりかけていました。今夜のシゲさん特製メニューはうどんすき。遅めに来た人にもちゃんと取り置きして下さっています。
 京都の黒唐辛子をかけて頂きました。どなたかが持参して下さったボジョレーも。
 遅れてきた2名も到着し、今夜の参加者10名が集合。読書会のスタートです。
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 前半はオススメの本の紹介。
 ベテラン男性のU氏からはこの日の課題本の関連でホーホフート『神の代理人』ヴェルコール 『海の沈黙』
 T氏からはメアリー・シェリー『フランケンシュタイン』。科学は諸刃の剣という現代的な意義もあるとのこと。
 毎回、絵本を読んで下さるUさんオススメのル・グウィン『さいはての島へ-ゲド 戦記(3)』は子どもの成長物語。大人になってから読むとさらに深い意味を感じるそうです。
 シゲさんからは若松英輔『生きる哲学』。読書家のシゲさんが、深く本を読むことを初めて教わった本だそうです。
 私からは宮沢賢治詩集から『稲作挿話』。個人的に思い入れのある作品です。
 昔読んだ本を全てスキャンしてデジタル保存されているというNさん。その中から松岡正剛とレオ・レオーニの対談『間の本』をススメて下さいました。
 Oさんからは岩合光昭『野生動物カメラマン』。猫の写真集で有名な著者ですが、本書は大自然に対する畏敬の念が感じられる本とのこと。
 風邪気味でマスクを掛けられたKさんのオススメは林真理子『源氏がたり』。毎回のオススメ本は図書館で借りて読んでおられるそうです。
 Sさんからは三浦しおん『神去なあなあ日常』。だまされるように「林業」に従事することとなった若者の物語(これは私も読み面白かった本です)。
 男子学生・Iクンのオススメは星野道夫『旅をする木』。自然に近い視点に共感を覚え、ぜひ会いたいと思った作者は既に亡くなっていると知り、落胆したとのこと。
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 今回も様々なジャンルの本の紹介がありました。
 ぜひ読んでみたいと思った本も何冊もあるのですが、なかなか追いつきません。
 後半は、この日の課題本である遠藤周作『沈黙』の感想や意見を交換します。課題本を事前に読んでくることが、(一応)この読書会の唯一の参加条件。
 推薦されたU氏は、まず、キリスト教を全世界に広めようとする伝導士の迫力を感じたとのこと。また、神が何をしてくれるかという疑問は、ドストエフスキー『罪と罰』(第12回の課題本でした。) でラスコーリニコフがソーニャに語った言葉と同じとの指摘。
 ストーリーが巧みでエンタテイメントとして面白く読んだという感想。
 キリストを生身の人間として描いた劇団四季『ジーザス・クライスト=スーパースター』を思い出したという方。
 なぜ日本の貧しい人達がキリスト教を信じるようになったのかという疑問を呈した方に対しては、生活の苦しさの中で平等を標標するキリスト教しかなかったのではないか、だからこそキリスト教は体制から弾圧されたのでは、との意見(ご本人もクリスチャンとのこと)。
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 拷問でも何でもできてしまう人間の本質が恐ろしいという感想。一方、同じ拷問でも西洋と日本では違いがあるところが興味深かったという方も(拷問フェチ?)。
 私からは、日本での教えは真の教えではないというくだりにキリスト教の微慢さを感じたと発言。当時のイエズス会と現在のキリスト教を一緒くたにした乱暴な感想ではあります。
 これに関連して、外部のものを取り込んで編集する(キリスト教も日本化するという)日本人の力を感じたという意見も。
 ほかにも遠藤周作の作品の二面性を指摘する人など、様々な意見や感想が出されました。同じ本を読んでも、感じるところは様々です。
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 読書会の最後は、恒例のUさんによる絵本の朗読。
 この日は、ひがしちから『ぼくのかえりみち』を読んで下さいました。
 道路に引かれた白線に沿って帰ると決めた主人公(小学生男児)。ところが自宅のすぐ前で白線が途切れてしまったのです。そこに現れたのは・・・。
 予定の21時を30分ほど回り、この日のブッククラブは終了。
 11月23日(水・祝)には、映画の会とのコラボイベントとして篠田正浩監督による映画版『沈黙 SILENCE』の上映会が開催されます。
161117_6_convert_20161121220931.jpg そして次回(第15回)奥沢ブッククラブは12月20日(火)18時からを予定。
 課題本はT氏のオススメ『フランケンシュタイン』に決定。怪物を主人公にしたSF小説を読みながら、料理を持ち寄って楽しもうという趣向です。
 終了後、そのT氏にカードを頂きました。
 Tさんを含む4名の作家による「funny cats」展が、12月9日(金)~18日(日)の間、東京・梅ケ丘のギャラリーで開催されるとのこと。猫好きの方には必見かもしれません。
 【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
 (プロバイダ側の都合で本年1月以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業中です。)
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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2 Replies to “奥沢ブッククラブ(第14回)”

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    読書会で教えて頂いた正岡子規の『病牀六尺』を読んで、病の苦しみや不自由さの中でも 、平気に生きることが悟りの境地であるとの考えに死生観を揺さぶられました。また家族を大切に想い生きていくことの大切さを学びました。本年の読書の大きな収穫の一冊でした。

  2. SECRET: 0
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    シゲさん、コメント有難うございます。
    ブッククラブのお陰で沢山の素敵な本に出会えています。前回、シゲさんが推薦された若松英輔『生きる哲学』も読んでいます。引き続きよろしくお願いします。
    > 読書会で教えて頂いた正岡子規の『病牀六尺』を読んで、病の苦しみや不自由さの中でも 、平気に生きることが悟りの境地であるとの考えに死生観を揺さぶられました。また家族を大切に想い生きていくことの大切さを学びました。本年の読書の大きな収穫の一冊でした。

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