2017年4月22日(土)は曇り空。時折、細かな雨が落ちてきます。
午後から東京・代々木公園へ。この日から翌日にかけてアースディ東京2017が開催されています。
1970年、米国で始まった「地球のことを考えて行動する日」が、今年も東京でも開かれました。
大勢の人出。食べ物や雑貨など多くのブースが立ち並んでいます。
子どもが覗きこんでいる水槽にはトウキョウダルマガエルやミズカマキリなど。様々なコンサートやダンスのパフォーマンスも行われています。
「はじめる自給!種まき大作戦」の特設“竹”ステージで14時30分から開催されたのは、「生きたい人生を生きる!暮らしのメソッド。それが半農半X!」と題するトークセッション。
司会のハッタケンタローさん(種まき大作戦)に紹介されて登場したのは、塩見直紀さん(半農半X研究所代表、京都・綾部市)、高坂勝さん(「たまにはTSUKIでも眺めましょ」店主、匝瑳プロジェクト)、それにYaeさん(歌手、千葉・鴨川市)です。
以下、網羅的な記録にはなっていませんが、印象に残った言葉の一部を紹介します(文責・中田)。
進行役はYaeさんのようです。まずは自己紹介から。
Yaeさん「日本のふるさと、典型的な里山である千葉・鴨川に住んで10年以上の半農半歌手です」
塩見さん「信号機まで何10分もあるような京都・綾部の田舎から来ました。そんなところに先日、半農半X(はんのうはんえっくす)について論文を書いているという香港の学生が訪ねてきた」
髙坂さん「池袋で小さなバーを経営。洗脳するには飲ませるに限る(笑)」
ざっくばらんな雰囲気でトークは始まりました。
Yaeさん「2002年に亡くなった父の藤本敏夫は、農業を再評価し、人々の命をつなぐために走り続けてきた。その遺志を受け継ぎ、シェルターである農山村を残していくという大きな使命を感じている。
そして今、新たな時代の到来を感じる。父も空から見てくれていると思う」
高坂さん「藤本さんの『農的幸福論』は素晴らしい。当時、都市と田舎を繋ぐという提言は斬新で、都市も農村も、それに何より自分達が幸せになるというもの。私も感動した」
塩見さん「半農半Xとは、半自給的農業と好きなこと(X)を両立させること。誰でも実践できる。ボランティアでもいいいし、都会のベランダでも始めることができる。
みんなが好きなこと(使命)をすることで社会を変えていってほしい。日本の進むべき方向について言葉で発信していきたい」
Yaeさん「自分の食べ物は農地や海とつながっている。食べ物があるから生きていけるという当たり前のことを、改めて感じないといけない」
高坂さん「言葉ではなく五感で感じることは本当に大事。知識と知恵は違う。古来、農は誰でもやってきた。誰でもできる。プランターに種を落とすところからでいい。必ず感じるものはある」
仕事に悩んで髙坂さんの店を訪ねてきたという若い男性(楽になったとのこと)、夢がかない沖縄・西表島に移住されたという若い女性(本当に楽しいそうです)も、髙坂さんから指名されて発言。
髙坂さんは、多くの人を千葉・匝瑳での農作業体験に受け入れているとのこと。
「農村に行けば一瞬でも癒される。気持ちがいい楽しい生き方ができる。経済一辺倒とは違う軸足の生き方がある」
Yaeさん「里山には食べるものはいくらでもある。耕作放棄地が増え農地もたくさんある。参入できるチャンスは増えている」
塩見さん「社会に選択肢を増やしていきたい。田舎が発信すべきは生き様、格好よさ。綾部にもっと空き家があれば 1000家族でも受け入れられる。
最近、ミニブックを発行した。収益の全額は積み立てて起業する次世代の人を応援するのに使うという新しい取組みも始めた」
最後に髙坂さんが「無茶振りですが」とYaeさんに『そこらじゅうに神様』をリクエスト。塩見さんも大好きな歌だそうです。
即興で高坂さんが太鼓で伴奏。素晴らしい熱唱でした。
中高年の「定年帰農」の動きもありますが、特に若い人の間で農業や田舎暮らしへの関心が増しているようです。
興味や関心だけではなく、この春、東京で働いていた身近な(独身で魅力的な)女性が2人、山梨県に実際に移住して農業に携わる新生活を始められました。
「田園回帰」という言葉もあります。確かに世の中は大きく変わりつつあるようです。