【ブログ】世田谷・喜多見農業公園

2017年9月9日(土)の重陽の節句は、気持ちのいい秋晴れになりました。気温も上昇。

小田急・成城学園前から10分ほどの次大夫堀公園前バス停で下車。
 歩いていくと、住宅地の間にあちらこちらに畑が残っています。生産緑地地区と「せたがやそだち」の看板。
 さらに少し進んだところに、目的の喜多見農業公園がありました。

ここは日常的に農に「触れ」「学び」「楽しむ」ことがきるように世田谷区が設置した公園で、広さは約1500平方メートル。
 お洒落な看板。簡単な調理もできる施設やトイレも設置されています。

去る6月25日の「マチモノ設立記念収穫祭」の際に食材を提供して下さったのが池田あすえさん(池田農園)。
 その場で名刺交換させて頂いたのですが、この日9時から「草むしりと種取り」イベントを開催するとの案内を頂いていたのです。

主催は、池田さんが副理事長を務められているNPO法人「せたがや喜多見 農とみどり」。
 農作業体験の場を提供すること等を通じて、地域住民に農業・農地の役割やその魅力を発信・啓発することを目的に活動されているNPO法人だそうです。

到着したのは10時過ぎ。
 じゃがいもを掘った跡地の草むしりは一段落したようで、10数名の参加者の皆さんは休憩中でした。

再開した作業は、ニンジン畑の草取り。
 真っ青な空。汗ばむほどの陽気です。隣は大きなお寺らしく、東京23区内とは思えないほどの豊かな緑に包まれています。

並行して、昨年、収穫しておいた大蔵ダイコンのサヤから種を採る作業に取り掛かりました。

かつて世田谷区は、地域特産の大蔵ダイコンの産地として有名でした。
 その大蔵ダイコンは、都市化・宅地化の進行と栽培しやすい青首大根の普及に伴って次第に姿を消していきましたが、近年、地産地消や伝統野菜が再評価されるのに伴い、再び栽培が広がっているそうです。

現在は、世田谷区の地場野菜ブランド「せたがやそだち」の一つとしても親しまれているとのこと。

からからに乾いたサヤ(殻)をつぶして種を採るのは、煩雑な手作業です。
 自作の種採り器(ギザギザに溝を入れた木の板をこすり合わせる仕組み)を持参された方もおられました。

この日は午後から別用もあり、11時半頃、作業が一段落したところで失礼しました(あまり手伝えず済みませんでした)。
 市民が主役の世田谷区の「農」の取組み、これからも注目していきたいと思います。

帰途、すぐ近くに塔が見えていた慶元寺へ。
 ここは、戦国時代に太田道灌に江戸城を追われてこの地に移った名族・江戸氏(後に喜多見氏に改姓)の菩提寺で、この辺りに喜多見城(江戸時代は喜多見藩の陣屋)があったそうです。
 境内には、江戸氏(喜多見氏)累代の墓所もありました。

それにしても23区内に「藩」があったとは、知りませんでした。

近隣には古墳時代後期の遺跡(喜多見稲荷塚公園)や、昼なお暗いほどの鬱蒼とした森に囲まれている氷川神社もあります。次大夫堀公園民家園もあります。

多摩川支流の野川が流れるこの地域は、古代から肥決な土地だったことが、歩いてみて実感できたような気がしました。

徒歩で成城学園前に戻り(暑い!)、電車で経堂に急ぎました。
 午後からは生活クラブ館でセミナーです(別途、紹介させて頂く予定)。

ところでこの日の夜、頂いてきた大蔵ダイコンの種をサヤから取り出して水に付け、翌日、自宅近くの市民農園の一画に播いてみました。

うまく育つといいのですが。