【豆知識】輸入食料のフード・マイレージ(1人当たり)

前号では、日本の輸入食料のフード・マイレージの総量が韓国・アメリカの約3倍、イギリス・ドイツの約5倍、フランスの約9倍という水準に相当すること、近年は穀物等の国際価格高騰の状況を反映して若干縮小している状況等を紹介しました(リンク先の図89)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/89_FM.pdf

今号では、1人当たりのフード・マイレージについて紹介します。
 フード・マイレージとは国全体の輸入量に輸送距離を掛け合わせた指標であるため、その総量は国の人口や経済規模に大きく左右されます。そこで、フード・マイレージを人口で割って1人当たりのフード・マイレージをみたものが、リンク先の図90です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/90_FM2.pdf

これによると、日本の一人当たりのフード・マイレージは約 6,628トン・キロメートル(t・km/人、2016年)となっています。
 諸外国と比較すると、韓国は人口が日本の約4割であるため1人当りフード・マイレージは日本にかなり近くなります。一方、アメリカは日本の2倍以上の人口を擁することから、1人当たりフード・マイレージは日本の1割強の水準となります。西欧諸国は日本より人口が少ないため、1人当たりで見ると総量よりは日本に近くなるものの、それでも3~5割程度の水準にとどまっています。
 このように、総量で見ても1人当たりで見ても、日本の輸入食料のフード・マイレージは諸外国に比べて大きなものになっています。

また、図90は輸入相手国別に表示してありますが、日本の輸入食料のフード・マイレージは特定の輸入相手国に偏っていることも分かります。

[参考]
 中田哲也『フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える』([新版]2018.1、日本評論社)pp.132~134
 https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7625.html

F.M.Letter No.136、2018.1/31[和暦 師走十五日]掲載】