【豆知識】各国の輸入食料のフード・マイレージの比較(輸入量と平均輸送距離)


 総量でみても1人当たりでみても、日本のフード・マイレージの大きさは際立っている ことを前々号、前号で紹介しました(リンク先参照)。
[総量]
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/89_FM.pdf
[1人当たり]
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/01/90_FM2.pdf

フード・マイレージとは、食料の輸送量に輸送距離を掛け合わせて累積した指標です。
 そこで、輸入食料のフード・マイレージを、輸入量と平均輸送距離に分割して図示したものがリンク先の図91です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2018/02/91_FM3.pdf

横軸が食料の輸入量、縦軸が輸入食料の平均輸送距離(フード・マイレージを輸入量で除したもの。)で、長方形の面積がフード・マイレージの大きさを表しています。
 2001年について諸外国と比較すると、まず輸入量は、韓国は日本の約4割にとどまっているものの、欧米各国は5~8割の水準となっており、フード・マイレージほどの格差はありません。

それにもかかわらず日本のフード・マイレージの大きさが際立っているのは、縦軸で示される平均輸送距離が、欧米各国では日本の2~4割の水準にとどまっているためです。
 ちなみに日本の輸入食料の平均輸送距離は約1万5千km ですが、これはニューオーリンズ港から東京港までの海上輸送距離の約9割に相当し、直線距離では東京からアフリカ大陸南端のケープタウンまでの距離にほぼ等しくなります。

つまり、日本の食料輸入を特徴づけているのは、その量の大きさもさることながら、諸外国に比べてかなりの長距離を輸送されてきているということにあると言えるのです。

ところで、日本については2010年、2016年のデータも記載してあります。
 近年の食料価格高騰の影響を受けて輸入量が減少することによりフード・マイレージは縮小しているものの、平均輸送距離はやや長くなっている状況がみて取れます。

[参考]
 中田哲也『フード・マイレージ-あなたの食が地球を変える』([新版]2018.1、日本評論社)pp.116~117(イラストで掲載されています。)
 https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7625.html

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F.M.Letter No.137、2018.2/16[和暦 睦月朔日]掲載】
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