【オーシャン・カレント】大塚洋一郎さん


 大塚洋一郎さんは1954年、東京・府中市のご出身。
 北海道大学大学院修士課程(原子工学)を修了後、旧科学技術庁に入庁し、国際課長、文部科学省宇宙開発利用課長等を歴任。その後、経済産業省に出向され、大臣官房審議官(地域経済担当)として農商工連携促進法の制定と運用に参画されていましたが、一大決心して2009年に早期退職され、NPO法人農商工連携サポートセンターを設立されました。

大塚さんは「公務員からNPOに転じて一番良かったことは、人に感謝されるという実感があること。それまでモノクロームだった人生は、NPOの活動を始めてからはフルカラーになった」と語っておられます。

農商工連携サポートセンターのミッションは「農商工連携による地域の雇用創出-地域に元気を!食と農の新しい出会いをサポートする!」。
 その具体的な取組みのひとつが「ちよだいちば」(東京・神田錦町)です。全国の市町村の特産品を販売するアンテナショップで、お客さんは近隣に勤める女性会社員などで多くがリピーターとのこと。ここに出店する市町村は月替わりで、毎月、異なった地域の特産品を購入することができ、特産品を使ったお弁当も販売されています(毎日25食限定)。
 また、その期間内に「○○町のちょい飲み」等と称するイベントを開催し、特産品を実際に味わいつつ、生産者と都会の消費者が直接交流できる場を設けられています。
 さらには、定期的に希望者を募って都会から産地の農作業体験等に出かけるツアーも開催しており、都会と地方との間でヒトとモノ双方の流れを作るというユニークな活動をされているのです。

また、コンサルタント業務も重要な活動になっています。
 国の交付金制度等も活用し、都市農村交流を通して所得や雇用を増やそうという地方自治体等の相談に乗り、多くの実績を上げています。

大塚さんは、「食」とそれを支える「農」が、都市と農村の交流のきっかけになるとされます。
 「今、都会人は、再び農とつながることを求めている」と、大塚さんは実感されているそうです。

[参考]
 特定非営利活動法人 農商工連携サポートセンター
  http://www.npo-noshokorenkei.jp/
(拙ブログより)
 大塚洋一郎さん講演会「食農交流で地方を元気に!」(2018.1/11、冒頭の写真もこの時のもの)
  http://food-mileage.jp/2018/01/15/blog-72/
 ちよだいちば「下関ふく飲み大会」(2018.2/7)
  http://food-mileage.jp/2018/02/11/blog-80/

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F.M.Letter No.137、2018.2/16[和暦 睦月朔日]掲載】
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