【ブログ】「中田哲也さんに聞く『フード・マイレージ』と『新版』刊行おめでとうの会」

2018年3月21日(水)の春分の日は、季節外れの雪になってしまいました。南岸低気圧が発達して真冬の寒さに。

15時頃に東京・吉祥寺に到着。
 雪は雨に変わっていましたが、花見の名所である井の頭公園もあちらこちらに雪が残っています。道路はぬかるみ、大きな水溜りも。
 「森の食卓」の看板にはビニールカバー。

中に入ると、オーナーの田中眞喜子さん達が会場を設営し、料理を準備して下さっています。

この日16時から予定されていたのは「中田哲也さんに聞く『フード・マイレージ』と『新版』刊行おめでとうの会」。
 今年1月に拙著(新版)が刊行されたことを受けて、田中さんが企画してくださったのです。有難いことです。

この悪天候で心配したものの、開会時間の頃には、事前に申し込みされた全員の方が集まって下さいました。
 会場は20名ほどで満席です。

進行は石川敏行さん(八王子市)が引き受けて下さいました。
 開会に当たって田中さんから、
「食べることは全ての基本。『森の食卓』でも、食べることをないがしろにしないようにと様々なイベントを開催してきた。今日はフード・マイレージのお話を聴き、交流会で皆さまとつながりたい」等の挨拶。

私からは1時間ほど、今回の新刊の構成に沿って概要を説明(資料はこちら)。

まず「フード・マイレージを考える背景」として食生活の変化、栄養バランスの崩れ、食に対する不安感の高まり、食料の海外依存率の推移など。徳野貞雄先生の「消費者の分類」も紹介させて頂きました。
 「私たちの食と地球環境問題」として、農地や水(バーチャル・ウォーター)の海外への依存、二酸化炭素排出量の推移など。

そして輸入食料のフード・マイレージの現状(総量、1人当たり)と、主要4品目のフード・マイレージの長期的推移等について説明。

最後に、地産地消による二酸化炭素排出量の削減効果等について説明させて頂きました。

この日は中野佳裕先生(国際基督教大)も参加して下さっていました(先日、同じ会場で開催された『カタツムリの知恵と脱成長』の出版記念エキシビションでは、多くの示唆を得ることができました)。

英国留学経験もある中野先生からは、
 「英国のフード・マイルズ運動があまり聞かれなくなったのは、今世紀に入ってからより幅広い運動を担う組織に再編されたためではないか。何でも市民運動でやってみようという英国のスタイルには学ぶ点が多い」等の貴重なコメントを頂きました。

引き続き、田中さん達による手作りの料理が並べられての「お祝い会」に。
 のらぼう菜は、この日参加して下さった地元の農家の方が持参して下さったものとのこと。

横浜、川越、柏など、比較的遠いところから来て下さった方も。
 それぞれのお立場で、食べもの、農業、環境等に関わっている方ばかり。色々と貴重なご意見や助言、資料等を頂きました。これからの活動に活かしていきたいと思います。

会の半ばには、蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)ご夫妻が三味線と尺八の演奏を披露して下さいました。

かねて銀座農業コミュニティ塾等でも様々な指導を頂いており、子どもの「いなか体験」等の拠点でもある「農土香」(山梨市牧丘町)にお邪魔したこともあります。
 大変、お世話になっているご夫妻が、悪天候の中、楽器を持参して足を運んで下さったのです。

ちなみに飲みものは、蔦谷先生が差し入れて下さった牧丘町のワインのほか、埼玉・小川町の有機米で造られた「大愚」など。
 私は先日のふくしま有機ネット交流会の際に入手できた「鵞(あひる)」(広野町・新妻有機農園)を持参。

結局、22時近くまで楽しい時間を過ごさせて頂きました。、

改めて企画・運営して下さった田中さん、お料理を手伝って下さった浜さん、事前に機器の準備をして下さった小林さん、受付や進行を担当して下さった石川さんと石井さん、素晴らしい演奏を披露して下さった蔦谷先生ご夫妻、中野先生はじめ貴重なご意見、助言を頂いた皆さまにお礼申し上げます。
 有難うございました。