この土日は福島関連の「美味しい!」イベントをハシゴ。
前日の福島・川内村の地酒「歸宴(かえるのうたげ)」お披露目会に続き、2018年3月25日(日)は東京・豊島区西巣鴨の大正大学へ。
この日も好天、気温も上昇(花粉も大悲惨!)
JR大塚駅から都電荒川線で2駅目の庚申塚駅で下り、商店街通りを5分ほど歩いたところにあるのが鴨台(おうだい)花壇カフェ。
大正大学の第3学生食堂で、宮城県南三陸町を始めとする東北の被災地を支援するアンテナショップも兼ねているとのこと。
午前11時から開催されたのは、おむすび上映会「生きてこそ」。
主催は世田谷区でおむ すびのケータリング事業を行っている「笑むすび∞」(代表・山田みきさん)です。
上映に先立ち、山田さんから映画の紹介がありました。
「この映画は、私の実のおばあちゃんを主人公にしたドキュメンタリ。親が子どもを殺したりする社会で、昔話を伝えていくことが大きな力になるのではと、昔話を伝え広める活動をしている様子が描かれている」
「私の実家は会津喜多方の米農家((有)やまだズ)。原発事故後、福島のお米が安心で美味しいことを実家のお米を使って伝えようとしたのが、おむすびを作り始めたきっかけ。
お母さんの手のぬくもりが伝わるおむすびを通して、作る人と食べる人のつながりが増えていけば、世の中は自然と良い方向に変わっていくのではないか。この映画の主題とも共通している」
「今日は映画を観ておむすびを食べて、福島のことを一緒に思うことができたらと考えている」
映画の上映が始まりました(写真は公式ウェブサイトの予告編から)。
主人公の山田登志美さんは、自身が子どもの頃に聞かされた昔話話の節々に「人としての道」が盛り込まれており、知らず知らずのうちに子供たちは良き方向へと導かれていくのではないかと、「語り部」として活動される様子が描かれます。
子ども達の米づくり体験の様子や会津盆地の美しい光景も映し出されます。
そして東日本大震災と原発事故の発生。会津のお米も全袋検査が義務づけられます。
登志美さんは被害の大きかった浜通りを訪問し、避難している方達と交流するなかで「しあわせの言霊が栄えますように」と祈ります。
そして「被災地のこれからを見届けるために100歳まで生きる。生きてこそ」と決意されるのです。
続く交流会では、8種類のおむすびを出して頂きました。枝豆、チーズ、ゆかりなど彩りも鮮やかです。
にしんの山椒漬け、玉こんにゃく、霊山漬け、いきのソフトかまぼこ、こづゆ(お祝いの時に頂く会津地方の郷土料理)等も。
食事を頂きながら、自己紹介と映画の感想のシェアなど。
山田さんが主催したツアーに参加したのをきっかけに福島に通っておられるご夫妻、ふくしま有機ネットの堰さらい(用水路保全のボランティア活動)に8年間通っておられるという女性、南会津にIターンされた男性など。
大塚で有名なおむすび屋さんを経営している男性の姿も。
「もっと多くの人に観てもらいたい」「会津弁が理解できない部分もあったが雰囲気で伝わってきた」等の感想が述べられていました。
なお、この会場は4月におむすびカフェにリニューアルされる予定で、この日のイベントはそのお披露目も兼ねているそうです。
ところで、日本人の米の消費量は1960 年代に比べると半減(!)しており、今後も少子高齢化の進行によりさらに減少することが予想されています。全国各地で荒廃農地も増えており、日本の米作りは危機的な状況にあると言えます。
一方、新しく豊かな感性と熱意で、新たに農業を始めたり、おむすびを広める活動に取り組む方達も、何人もいらっしゃいます。
そのお一人である山田みきさんの活躍に、これからも注目し、期待したいと思います。