2018年6月16日(土)は、前週に引き続き都心の某大学へ。
先週とは一変して小雨模様。気温も上がらず寒いくらいです。
途中の公園では紫陽花が見事でした。珍しい種類(野生に近いもの?)も植えられています。
前週から始まったN先生による読書会(非公開、ロコミ)の2回目。
イヴァン・イリイチ『コンヴィヴィアリティのための道具』を「スロー」に読んでいます。
この日の参加者は先生のほかに8名。
学生など若い人が中心ですが、私を含めて中高年の社会人も3名。
「はじめに」と「第Ⅱ章」について、前回に引き続き、先生から指名された参加者の一人が進行を担当。
それぞれ「気になった部分」等について意見を出し合い、先生がアドバイス(交通整理)するというスタイルです。
多くの興味深い論点が出されたのですが、特に「『働く』等の動詞ではなく『仕事』という名詞で語られるようになったという箇所(p.96)が印象的だった」との意見が出されたのに対して、
近代ヨーロッパ言語(特に英語)は、他の言語とは異なり名詞重視。この背景には、産業革命以降の産業社会化(全てを商品として取り扱うようになった)があること、
かつての人間社会(コミュニティ)は、土着的な人々の行為(動詞)と密接につながっていた、等のやり取りがありました(私の浅薄な理解の範囲内ですが)。
今回も多くの気付きを頂いた読書会は12時過ぎに終了、次回は23日(土)の予定です。
読書会の後は、埼玉・東松山市の共奏ファームへ。
東武東上線・高坂駅前まで、まさひこさんが車で出迎えて下さいました。たかったー氏も同行。
間もなく畑に到着。
どんよりとした曇り空、気温も低く寒い位です。幸い、前夜までの予報を裏切り、雨はほとんど落ちてきません。
ここを訪ねるのは一昨年の8月以来。
最初に来た2014年4月の時は、とても農地とは思えない草だらけで、あちらこちらにはノウサギの糞もありました。
それから数年、昨年よりもさらに作物の種類も増えています。まずは、ぐるりと畑を見学させて頂きました。
ナスやキュウリ、ニンジン、安納芋など。
メインは引き続きトマトのようです。いずれも固定種とのこと。支柱を立て、ネットをかけて誘引する作業も、まさひこさんは1人でされています。
自然農法の畑は、農薬も肥料も農業機械も使いません。水もやらないそうです(したがって天候次第)。
ズッキーニの花が咲いていました。
数年前から始められた養蜂は、今は限定的ながら、手作りの蜂蜜の販売も始められているとのこと。
マダケも伸びています。長くなっても先の方は食べられるとのことで、折って持ち帰らせて頂きました。
さて、この日のメインイベント(?)はジャガイモの収穫。キタアカリです。
数日来の雨で粘土質の土は雨を含んで重くなっていましたが、スコップと手で掘り返すと、形も大きさも見事なイモが次々と出てきます。豊作です。
作業は少しだけで終了、明るいうちに駅前の蕎麦屋さんへ(こちらがメイン?)。
久しぶりにオッサン3人、天ぷらなどで20時の閉店まで盛り上がった次第。
お土産(共奏ファーム特製の蜂蜜)まで頂きました。まさひこさん、有難うございました。
ところで中野佳裕先生の『カタツムリの知恵と脱成長』によると、コンヴィヴィアル(convivial)とは、「食卓を囲んで和気あいあいと楽しい時間を過ごす」という意味で使われることが多い言葉ですが、本来は「分かち合い」や「共に生きる」という含意もあるとのこと(p.97)。
イリイチは、この言葉を行き過ぎた産業社会に対抗しうる概念として取り上げ、現在まで、脱成長思想等の柱の一つとなっています。
共奏ファームの自然農の畑は、まさにコンヴィヴィアルかも知れません。