2018年8月28日(火)の終業後は、東京・新橋のご近所ラボ新橋へ。
「ご近所イノベーション」を起こすための様々な実験(部活)が行われている場所(最近では戦後について対話する会に参加)ですが、この日、開催されたのは「読集会」です(読「書」会ではありません)。
主催は、本に関わる様々な取組みをしている部活「本処(ほんどころ)せな」。
「せな」は主催者の方のお名前から取られています。
少人数で同じ本を何回かに分けて読み、お茶やお菓子を頂きながら、時折り雑談も交えながら、のんびりと話し合うという趣旨とのこと。
現在、みんなで読み進めているのは田中元子さんの『マイパブリックとグランドレベル』(2017年12月、晶文社)。
田中さんは自分たちの建築事務所に無料のバーを設置したことから「ふるまうこと」の楽しさに目覚め、自分のできる範囲(時間、お金、労力)で開かれた場(マイパブリック=自家製公共)を作っていくことを提唱・実践されている方。
グランドレベルとは、建物の1階部分をまちづくりに活用することの重要性を表した言葉です。
カタカナばかりのタイトルを見たときは、建築家らしい(?)理屈っぽい本かと思いましたが、読んでみると、ユーモアたっぷりの楽しい内容の本でした。
その田中さんが2017年に開いた「喫茶ランドリー」(東京・墨田区、洗濯機(!)も置かれたカフェ)を訪ねた「本処せな」のメンバーが、ご近所ラボ新橋での活動にも大いに参考になる、刺激になるのではと、この本を選んで読集会を始められたのです。
8月初旬にスタート。各回一章ずつ読み進め、この日(第4回)は4章をみんなで読みます。
「第三の趣味・マイパブリックの仲間たち」という標題が付された第4章では、キッチンカーで各地に赴き勝手にカレーを振る舞う大学教授等のグループ(カレーキャラバン)、ライブ会場と化すレコードコンビニ等の事例が紹介されています。
せなさんの感想。
「カフェやカレーキャラバンはそれ自体が目的ではなく、地域で交流し、プロセスを共有するツール。いわば『お皿』で、ブレなければ載せるものは何でもいいのではないか」。
例えば「本処せな」でも、小説に出てくるメニューを(くじ引きで)実際に作って食べたり、水引でしおりを作ったりするワークショップも開催されているとのこと。
さらに、本、書店、図書館等を特集した雑誌等を持ってきて(ご近所ラボ新橋には、地域づくり等に関わる多くの図書も備えられています。)、これらを見ながら話し合い。
この辺りから雑談になっていきました。
読集会について「いろんな方の感想や疑問、そしてそこに見える読み手の視点にも関心を寄せながら、ゆるやかな時間を過ごしていきたい」と語るせなさん。
『マイパブリックとグランドレベル』の読集会はこの後2回(9月7日(金)、14日(金))を予定。
続く企画にも期待したいと思います。