私にとって、東京・日比谷公園は職場至近にある昼休みのオアシス。図書文化館にもいつもお世話になっています。
東京・日比谷公園を見下ろすように、今年3月にオープンしたのが東京ミッドタウン日比谷です。
2018年9月19日(水)の終業後に訪ねてみました(職場から徒歩5分です)。
豪華なエントランスとホール。お洒落なレストランやショップ、さらに映画館、オフィス、インキュベーション施設などが入居しており、歩いている人たちもスタッフの方たちも、みんなスマートでファッショナブル。
場違い感、アウェー感満載です。
6階の展望デッキからは、東京の摩天楼の夜景。
あたかも東京一極集中を象徴しているような光景です(東京電力本社の鉄塔も近くに見えます)。
その場所で、現在、食に関するイベントが開催されています。
その名も「Social Good+食 Week(ソーシャルグッドな食ウィーク)」。
まず9月20日(木)から23日(日)の間、1F日比谷ステップ広場では、Hibiya Q Marche’(日比谷キューマルシェ)を開催。
日本各地で様々な食の課題に取り組んでいる生産者が出店し、消費者との間で直接対話できる場になるとのこと。
また、9月18日(火)から28日(金)の平日8日間は、異業種・異分野の視点を持ち寄って食の可能性を追求するセッション「Food Q」(フードキュー)が連続開催されます。
テーマは健康、情報、エンターテイメント、サステナビリティ、地域、コミュニティ、社会課題、テクノロジーの8つ。
ちなみに会場にはキッチンが併設されており、毎回、試食付きとのこと。
この日(19日、Session 2)のテーマは「食×情報~美味しさを高める情報とは」。
情報が溢れる現代社会において、改めて「美味しい」とは何かという本質を見つめ直そうというテーマです。
登壇されたのは、一流イタリアンレストランのシェフ、VR技術を活用した広告制作プロデューサー、ビジュアルディスカバリーエンジン運営会社の方、香りの研究が専門の東京大学教授、料理関係の雑誌を刊行されている方たち。
いずれも時代の最先端を走っておられる方ばかりです。
シェフの方は「シチリアの海に近いレストランで食べたボンゴレ・ビアンコは本当に美味しかった。貝の匂いと磯の香りが混ざっていた。その美味しさを追体験してもらうためにコースを工夫している」とのこと。
VRは、写真や映像だけでは伝えられないものまで体験できるような技術だそうです。
また、ビジュアルディスカバリーエンジンは、見たい人、見てもらいたい人に情報(店のこだわり等)を届けようとするものとのこと。
「店を選ぶ時は覗いてみて直感で決める。直感とは自分の体験に基づくもの」と語られた研究者の方。
食をめぐる情報に関して、新技術等の大きな可能性が語られると同時に、一方で個人的な体験の重要性も明らかになったセッションでした。
トークの終了後は、肩に乗せるだけで臨場感が体験できる新技術(ウェアラブルネックスピーカー)等の体験もありました。
順番を待っている間には、お洒落な前菜(鶉のガランティーナ、鴨とレンズ豆のインサラータ、カプレーゼ・ビアンカ)等と、それぞれに合うワインを提供して下さいました。
さすがに美味!。
ちなみに私も、9月27日(木)19時からの「Session7・食×社会課題~様々な事象から食の現在と未来を考える」にパネリストの1人として登壇させて頂く予定です。
私以外の登壇者はキラキラした方ばかりで、あまり時間もないようですが、何とか最低限のこと(フード・マイレージ指標もヒントに、産地や生産者の方のことに想像力を及ぼすことの大切さ)をお伝えできればと思っています。
なお、当日は「フードロス解決から発想された人気CAFEメニュー」の試食もあるそうです(内容は私も知らされていません)。
個人的には、現在の食や農の抱える問題の多くは、食と農の間の距離が離れてしまったことに起因していると思っています。
農の現場から最も離れた(およそ土の匂いなどは感じられない)場での食のイベント。
だからこそ、意義あるものとなればいいのですが。