【ブログ】大平農園から共奏キッチン♪へ

2019年7月17日(水)。
 日照不足と低温が続いていた東京地方は、久しぶりの陽射しに恵まれました。気温も上昇。

 1時間早く退庁して、東京・世田谷へ。
 東急大井町線・尾山台駅に着いたのは17時前。住宅街の中を5分ほど歩くと、こんもりとしたケヤキの木が見えてきました。
 ここが大平農園です。

大平農園は、この地で400年続く伝統ある農家。

 先代の大平博四氏(2008年に逝去)は日本の有機農業運動をリードしてこられた方。何冊もの著書があり、2018年にも映画化されています。
 近年、アメリカ等で拡がっているCSAの原型も、博四さんが創り上げた産消提携運動にあります。

念願だった「聖地」を、初めて訪ねることができました。
 この日は、メンバーとともに「共奏キッチン♪」に使う食材を受け取るだけでしたが、直売スペースで、奥様と少しお話することもできました。

もう夕方だからとおっしゃって、たくさん「オマケ」して下さいました。
 貴重な野菜等を、有難うございました。

道路際には、無人の直売スタンドもありました。住宅街の間にハウスが何棟も並んでいます。

 特に今年は日照不足の影響で野菜の値段が上がっていることもあり、大都市の中で重要な食料供給の役割を果たしていることが伺えます(防災機能もあります)。

一行と別れて、九品仏浄真寺に立ち寄ってみました。
 340年の歴史を誇る名刹です(大平農園は、浄真寺が開山される前からこの地にあったのですね)。

 生憎と17時を過ぎて門は閉ざされていましたが、実はここは中世の奥沢城の址。小田原北条氏が滅ぶとともに廃城となったと伝えられています。
 周囲の道路からも土塁の址を認めることができました。

快適な緑道に沿ってシェア奥沢に向かいます。緑道の下には、暗渠化された九品仏川が流れているとのこと。
 18時過ぎに到着。NPO「土とみどりを守る会」の会報も掲示されています。 

この日は、共奏キッチン♪@自由が丘シェア奥沢 #93の開催日。

 テーブルには、大平農園で頂いてきたキュウリ、トマトなど、色も鮮やかな野菜が並べられています。
 やはり世田谷区内で農業を営む「せーさん」も、自家産のゴーヤやシシトウを持参してきて下さいました。

みんなで献立を決め、スーパーで調達してきた食材も使って、手分けして料理がスタート。
 初参加の小学2年生の女の子は、見事な包丁さばきです(いつも自宅でお手伝いしているとのこと)。

この日の献立は、バンバンジー、野菜スープが2種類、キュウリの酢の物、パスタ2種類(ナス、トマト等)、それにフルーツカクテル。
 三浦産のメロンとスイカは、参加者のお一人が持ってきて下さったもの。

20時を回ってテーブルにお皿が並びました。
 担当して下さったシェフの方達から料理の説明をお聞きした後に乾杯。

 一斉に手が延びます。この日も野菜たっぷりです。

食事が一段落した21時頃からは、テーブルを囲んで椅子に座って自己紹介など。

 この日は20名ほどが参加。
 リタイアして自然農に取り組んでいる男性、子ども向けの絵画教室をされている方、会社を辞めて起業された女性、料理教室をされている方、ライターをされている方、大学でロシア語を教えていらっしゃる方など。

 性別も年齢層も様々ですが、いずれも場作りやコミュニティ作りに関心のある方ばかりです。

シェア奥沢のオーナー・堀内正弘先生(多摩美術大、環境デザイン学科教授)も顔を出して下さり、シェア奥沢では自主的に活動に場を提供しておられる様子などを紹介して下さいました。
 大平農園とも、かねて深いつながりがあるそうです。

みんなで食事を作って一緒食べることによって、人と人との間の距離は一挙に縮まります。さらに今回は、野菜などを実際に取りに行ったことによって、生産者の方との距離も一層近くなったようです。

 シェア奥沢での共奏キッチン♪は、これからも毎月1回のペースで開催される予定です。
 また、西東京市「仙人の家」でも定期的に開催されています。