【豆知識】切り花の購入額の推移

花は日々の生活に潤いをもたしてくれます。
 一般的に所得が上昇し経済が成熟するのに伴い、基礎的食料のような必需財から、花など生活の質を向上させる財へと需要(支出額)がシフトすると考えられますが、実際にはどうなのでしょうか。

 リンク先の図189は、家計における切り花への支出額の推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/03/189_kiribana.pdf

 これによると、2000年における1世帯当たりの切り花に対する支出金額は全世帯平均で11,553円でしたが、右肩下がりで推移しており、2019年には8,401円と7割強の水準に減少しています。
 このことは、近年の経済や所得に対する実感を反映しているものとも考えられます。  なお、日本の花に対する消費額が欧米と比べて少ないことは、かねてより指摘されているところです。

 ところでグラフは、年間収入五分位階級別(低い方から1~5、グラフではローマ数字で記載)にも表していますが、興味深い結果となっています。   
 もともと切り花への支出額は最も所得が多い5層で高かったのですが、近年、支出額は大きく減少しており、現在はほぼ平均水準となっています。また、次いで所得の多い4層では平均を大きく下回っています。

 これに対して、所得の少ない1、2層における切り花の購入額が、平均を上回る状況になっているのです。
 これら層においては、せめて花を買うことによって生活の豊かさを求めようとしているのかも知れません。

[資料]
 総務省『家計調査』
 (家計収支編、2人以上の世帯、詳細結果表、品目分類、年)
 https://www.stat.go.jp/data/kakei/index3.html

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
 No.189、2020年3月24日(火)[和暦 弥生朔日]


 (過去の記事はこちらに掲載)
  https://food-mileage.jp/category/mame/