【豆知識】米の1人当たり消費量の推移

国民1人・1年当たりの米の消費量は、1960年代前半には120kg近くあったのをピークに、2000年頃までに半減しました。これは、経済の高度成長と所得の増大に伴い、食生活のパターンが、それまでの米を中心とするものから、パンや麺、さらには畜産物や油脂を多く消費するものに大きく変化したためです。
 ところが、かつてのように経済が成長していない近年においても、米の消費量は減少し続けているのです(リンク先の図206参照)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2020/12/206_komeshouhi.pdf

これによると、1996/97年(96年7月から97年6月までの1年間)における米の1人当たり消費量は75.0kgだったのが、2019/20年には56.6kgへと、四半世紀足らずの間に25%も減少してます。

この背景には、引き続いている単身世帯や共働き世帯の増加や、中食(持ち帰り弁当など)・外食への支出の増大等があるとされています。特に2019/20年においては、コロナ禍の影響により家庭における米の消費量は増加したものの、それ以上に外食における米の消費が減少したため、前年に比べて3%以上と大きく減少したのです。
 本年産の米の作柄が「平年並み」だったこともあり、米の需給バランスの崩れが懸念されています。

米は、国内で自給可能な主要食糧であると同時に、水田が国土・環境あるいは景観の保全等の面でも大きな役割を果たしています。これ以上の米消費の減少は、経済社会面で大きな悪影響をもたらしかねません。

[資料]
 農林水産省「米に関するマンスリーレポート」(令和2年11月)
 https://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/kikaku/attach/pdf/201110-5.pdf

出所:
 F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
 No.206、2020年11月29日(日)[和暦 神無月十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
(購読(無料)登録もこちら↑から)

(過去の記事はこちら↓に掲載)
  https://food-mileage.jp/category/mame/