【メルマガ】F.M.Letter No.208(2020年まとめ)

◇フード・マイレージ資料室 通信 No.208◇
 2020年12月29日(火)[和暦 霜月十五日]
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◆ F.M.豆知識  2020年の振り返り
◆ O.カレント   〃
◆ ほんのさわり  〃
◆ 情報ひろば  ブログ更新、イベント情報等
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 異例続きだった2020年も、暮れにきて感染が再び拡大。来る年が平穏な年になることを祈念します。
 時の流れを体感するため和暦の朔日(新月)と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今年はNo.184(1月9日(木)[和暦 師走十五日]から今号を含め25本を配信させて頂きました。今号は恒例の2020年の振り返りです。

◆ F.M.豆知識

食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるデータをコツコツと紹介してきましたが、やはりコロナ関連のデータが多くなりました。

新型コロナ感染者数は人口密度が高い都道府県ほど多いこと(No.191)、第一次産業のシェアが高い都道府県は相対的に感染者密度が低いこと(No.194)、東京圏では人口密度の長期的に上昇していること(No.193)を紹介しました。
 食料支出への影響の関連では、米や麺類の家計消費が増えている一方で外食が大きく落ち込んでいること(No.195)、飲食店は一定の経済的地位を有している(No.192)ものの、外食の売上げが大きく落ち込んでいること(No.196)を紹介しました。
 また、緊急事態宣言下で米の買い占めが話題となるなか、米の備蓄/在庫は十分にあること(No.190)、家計消費が増えた以上に外食が落ち込んだため米の1人当たり消費量は減少していること(No.206)、野菜価格も秋口以降低迷していること(No.207)を紹介しました。
 さらに、切り花の購入額も低所得層を中心に減少している状況にあります(No.189)。

世界経済の関連では、世界の経済成長率が長期的に低迷する(No.184)なか、コロナ禍により貿易額も減少に転じていること(No.198)、一人当たり農地面積は人類史上もっとも少ない状況にあること(No.200)を紹介しました。

食料消費の持続可能性の関連では、日本人は持続可能性を意識して買物をする人が少なく(No.202)、食に対する消費者の経済志向が高まっている(No.186)一方、家庭からの食品ロス発生量の減少率が相対的に小さいこと(No.204)を紹介するとともに、うなぎの資源管理も持続的でないこと(No.197)も指摘しました。
 また、日本の若者は国や社会を変えられるという意識が低いという調査結果(No.187)も紹介しました。

地球環境の関係では、長期的に桜の開花日が早まっていること(No.188)、猛暑日数が増加していること(No.199)を紹介するとともに、フード・マイレージの縮減が食料輸送に伴う環境負荷を低減するケーススタディを改めて紹介しました(No.201)。

一方、若者が自分らしく暮らし働く場として農山村地域に移住している状況(No.185)、農福連携の効果(No.203)、関係人口の推計値(No.205)も紹介しました。

(各図表と解説は以下に掲載してあります。)
 https://food-mileage.jp/category/mame/

◆ オーシャン・カレント−潮目を変える−

食や農の分野について先進的かつユニークな活動に取り組んでおられる方や、食や農に関わるトピックス等を紹介してきました。
 新年最初の号では、ガンジーの研究者である石井一也先生(香川大、No.184)を紹介させて頂きました。
 桜と日本文学(No.188)、土用の丑の日(No.197)、閏月と自然のリズム(No.193)についても紹介しました。

政策・制度関連では、3月に策定された新たな食料・農業・農村基本計画(No.191)、花いっぱい応援プロジェクト(No.189)、国産農林水産物等販売促進緊急対策等(No.196)、農福連携(No.203)、改正種苗法(No.207)を紹介しました。
 また、鳥インフルエンザはヒトには感染しないこと(No.206)も紹介しました。

コロナ禍が世界の穀物需給に及ぼしている影響(No.194)、EUの「農場から食卓まで戦略」(No.201)、地方自治体等による気候非常事態宣言(No.199)を紹介しました。
 コロナ禍のなかで頑張っている飲食店としてゴホウビダイナー(東京・祖師ヶ谷大蔵、No.186)と炭火焼居酒屋・裏馬場(東京・北品川、No.192)を、さらに生産者とつながることのできるポケマル等(No.190)、大崎駅前マルシェ「おおさき二十四節気祭(No.205)を紹介させて頂きました。

東日本大震災の被災地の関係では、高田暮舎(岩手・陸前高田市、No.185)、葛力創造舎(福島・葛尾村、No.187)、楢葉町食生活改善推進員会(福島、No.195)、母なる地球を守ろう研究所(福島・喜多方市、No.200)を紹介させて頂きました。

さらに、個人からできる社会変革(No.198)、エシカル消費(No.202)、食品ロス削減のための30・10運動(No.204)も紹介しました。

(詳しくは以下に掲載してあります。)
 https://food-mileage.jp/category/pr/

◆ ほんのさわり

今年も食や農の分野を中心に、考えるヒントとなる多くの本と出合えることができました。
 地球と人類の将来ビジョンを考えるのに参考になった本は西川 潤『2030年 未来への選択』(No.186)、宮台真司、飯田哲也『原発社会からの離脱』(No.190)、古沢広祐『食・農・環境とSDGs』(No.196)、中野佳裕「いまこそ〈健全な社会〉へ」(No.198)、ハラリ『サピエンス全史』(No.200)、斎藤幸平『人新世の「資本論」』(No.207)です。

農村や自然との関わりでは、鷲田清一/山極寿一『都市と野生の思考』(No.191)、宇根 豊『日本人にとって自然とはなにか』(No.193)、山本太郎『感染症と文明−共生への道』(No.194)、前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』(No.195)。
 それに筒井一伸ほか『移住者による継業』(No.185)、駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする』(No.187)も紹介しました。

小説では朱川湊人『花まんま』(No.189)、吉田篤弘『つむじ風食堂の夜』(No.192)、日本ペンクラブ編『うなぎ』(No.197)、コロンバニ『三つ編み』(No.201)、とびやあい『田んぼ、はじめました。』(No.205)。いずれも強い感銘を受けました。

 さらに佐藤俊樹『桜が創った「日本」』(No.188)、大田昌秀『沖縄 鉄血勤皇隊』(No.199)、末吉里花『はじめてのエシカル』(No.202)、滝沢秀一『やっぱり、このゴミは収集できません 』(No.204)、宮内泰介・上田昌文『実践 自分で調べる技術』(No.206)も紹介させて頂きました。
 そして奥沢ブッククラブでの若き友人である岩下紘己さんの『ひらけ!モトム』(No.203)は、今年の最大の収穫の一つでした。

(詳しくは以下に掲載してあります。)
 https://food-mileage.jp/category/br/

◆ 情報ひろば
 拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベントの開催情報等をお届します。

▼ 拙ブログ「新・伏臥慢録」更新情報
〇 新人世の資本論、奥沢ブッククラブなど[12/17]
 https://food-mileage.jp/2020/12/17/blog-293/

〇 埼玉キーマン展、北條民雄と多磨全生園、そして突然の訃報[12/21]
 https://food-mileage.jp/2020/12/21/blog-294/

〇 2020年暮れのウルトラマン[12/28]
 https://food-mileage.jp/2020/12/28/blog-295/

▼ 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。
 既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には必ず事前に主催者等にお問い合せ下さい。

○ 連続講座「日本の市民科学者−その系譜を描く」第4回
  水俣病と医学・科学−原田正純、西村肇を主にして
 日時:2020年1月8日(金)19:00〜21:00
 場所:市民科学研究室事務所(東京・文京区湯島)及びオンライン
 主催:NPO法人市民科学研究室、白順社
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.shiminkagaku.org/csijseminar_citizenscientists_2020_2021/

○ オンライン新年交流会2021
 日時:2020年1月9日(土)、10日(日)18:00〜20:00
 場所:オンライン
 主催:NPO法人市民科学研究室、白順社
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.shiminkagaku.org/csijnewyear2021/

○ 奥沢ブッククラブ第63回 斎藤幸平『人新世の「資本論」』
 日時:1月11日(月)19:00〜21:00
 場所:オンライン
 主催:奥沢ブッククラブ
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/709160200038481

○ お茶の水サンクレールマルシェ
 日時:1月14日(木)〜15日(金) 11:00〜18:00  場所:新御茶ノ水駅前広場(東京・千代田区)
 主催:サンクレールマルシェ運営委員会
 (詳細、問合せ等↓)
 https://www.facebook.com/events/406839120560895

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*米令寺忽々のコツコツ小咄。
「持続させるため、わしら高齢男性も全身美容に取り組むぞよ」
「何それ、おじいちゃん」
「エステ爺ズ(SDGs)じゃ」

 コツコツ小咄は拙ウェブサイトにも写真入りで掲載しています。
 https://food-mileage.jp/category/iki/

* 今年もお読み下さり有難うございました。次号No.209は新年1月13日(水)[和暦 師走朔日]に配信予定です。
 より役立つ情報発信等に努めていきますので、来年も引き続き読者の皆さまのご意見、ご要望をお聞かせ頂ければ幸いです。

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて頂いています。
 いつもありがとうございます。
  https://www.lunaworks.jp/

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。
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◆ F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信−【ID;0001579997】 
 発行者:中田哲也
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