【ブログ】オンライン講座など(大事なことを忘れないように)、付・日経新聞

緊急事態宣言は延長の方向とのこと。それでも季節は廻ります。
 自宅近くに一画を借りている市民農園では、夏野菜等がすくすくと育ち、ジャガイモは綺麗な花を咲かせています。

勉強会等は相変わらずオンラインばかり。
 2021年5月19日(水)は、農業情報総合研究所/農業ビジネス研究会の主催によるオンラインきき酒会に参加。今回で6回目になるそうですが、私は初参加です。
 テーマは「二戸テロワール」に取り組む酒蔵〜「南部美人」。事前に送られてきた3種類のお酒を飲み比べつつ、代表取締役社長・久慈浩介社長の興味深いお話を伺いました。 

久慈社長のお話は、きわめて興味深い内容でした(以下、文責・中田。
 「1997年頃から他の蔵と協力して輸出に取組み。ニューヨークでの試飲会などで日本酒の素晴らしさを伝えてきた。 
 世界市場で競争するためには、何もワインの真似をする必要はないが、テロワールが重要。米や水だけではなく、漆器まで岩手・二戸産という究極のテロワールを実現している。現在は生産量の22%を55か国に輸出」

 「コーシャやビーガンの国際認証も取得。日本酒だから動物性食材を使っていないのは当たり前と言われそうだが、当たり前を見える化しないと世界では通用しない」(なお、主催者による詳しい議事録はこちらです。)

 輸出のみならず、当然ながら国内販売にも力を入れておられるという久慈社長は、質問にも丁寧に答えて下さり、モニター越しでも熱意と魅力が伝わってきました。
 ぜひいつか二戸を訪ね、「究極のテロワール」を楽しみたいと思います。

5月22日(土)の21時からは「コンポストーク! vol.8」に参加。
 この日は、集合住宅のベランダでコンポストを実践されているメイコさん(東京・八王子)から実践報告。どんどん温度が上がるのが面白かったこと、アメリカミズアブが大量発生した時は固く縛って天日干しした(焼き殺した)ことなど(「魔女のスープ」は、とろみがついて美味しそうだったそうな)。
 台所のディスポーザーに流していた生ゴミを市民農園で利用するようになり、循環ということの大切さを考えるようになったそうです。

ベランダからでも始められるコンポストは、ゴミ減量だけではなく、身近なところから小さな循環を確実に生み出すことにつながります。
 ちなみに私は1月からジップロックで実践中。野菜くずや卵の殻はほとんど分解されています。

5月24日(月)17時からはCCNE(原子力市民委員会連続オンライン企画「原発ゼロ社会への道」の第6回を視聴。

 まず、茅野恒秀先生(信州大学人文学部准教授、核廃棄物部会コーディネータ)から「事故由来放射性物質の政策的対処の経過と問題点」と題して解説(以下、文責・中田)。

 「事故由来の放射性物質によって生じた廃棄物・除去土壌(モノ)と法制度の対応関係は非常に複雑でわかりにくい。現状追認とルール無視が進められている。『土壌は貴重な資源』とする環境省の言う『品質調整』『再生利用』も複雑怪奇な用語。法的根拠もない。市民の参加もなく、一方的な『理解醸成』だけ」

 これに対して石井秀樹先生(福島大学食農学類准教授、福島原発事故部会)からは、
 「『風評被害』という言葉には理解しない消費者が悪いというニュアンスがある。環境省が『風評加害者』といった言葉を使うのも問題。二項対立を乗り越えるためには情緒に流されない議論が必要。Amenity (然るべきものが然るべきところにあること)という言葉も重要」等の発言(中田の誤解があるかも知れません)。

参加者の間では、前日に開催された環境省主催の「対話フォーラム」の評価を含め、様々な意見交換が行われました。
 原発事故から10年を過ぎ、ますます複雑化している課題もあるようです。

同じ5月24日(月)19時からは、NPO市民科学研究室(市民研)主催の「市民科学入門講座」(第22回)に参加。

第22回目のテーマは「日本の自然史系博物館における市民科学について」。講師は林 浩二さん(市民科学研究室会員、博物館学芸員)です。

日浦 勇さんという方は1972年の時点で、文明の発達に伴い市民から遊離し専門家に委ねられるようになった自然科学(原子力はその典型かも)を、再び市民のものとすることが必要等と訴えておられるそうです。
 その面からも、博物館や学芸員の役割が大きいことも感じました。

なお、市民研では6月から「食と農の市民談話会」をスタートさせます。月1回、6回連続の開催で、企画及び当日の進行等には中田も関わっています。
 これについて詳しくは、稿を改めて紹介させて頂きます。

ところで、去る2021年5月22日付け日本経済新聞「今を読み解く」欄において、流通経済大学教授・矢野裕児先生が寄稿された「国際物流が抱えるリスク」と題する記事において、拙著を紹介して下さいました。
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO72123060R20C21A5MY6000/

 矢野先生及び新聞社の許可を得て、個人のブログにも転載させて頂きました。
 https://food-mileage.jp/2021/05/24/210522_nikkei/

もともと食料輸送と環境負荷との関わりに着目したフード・マイレージ指標ですが、コロナ禍の下での国際物流のリスクという新たな観点から取り上げて下さったことに感謝申し上げます。
 矢野先生、有難うございました。