二本松・東和の朝6時過ぎ、日が差してきてようやく目が覚めました。
2021年秋の福島訪問3日目(11月1日(月))も、好天に恵まれそうです。
朝食前に、農家民宿・遊雲の里の前の坂道を、芸術祭の会場となった田んぼまで散歩することに。納屋では、朝早くから昨日の餅つきに使った杵の手入れをされている菅野さんの姿。
朝の日射しの中、もやが立ち上っています。静かで幻想的な棚田の光景です。
案山子たちも朝靄に濡れていました。刈り残した稲穂の脇には「里山の恵みに感謝・お米は命」の立て札。
民宿の軒先にはシイタケが干されていました。
菅野さんご夫妻とともに頂いた朝食は、絶品豆腐入りの熱い味噌汁など美味。
昨夜のおこわも美味でしたが、新米の白ごはんは格別です。お代わりまでして頂きました。
今朝も話は弾み(お忙しいところ済みませんでした)、「布沢純米酒」を求め、お餅、野菜、菅野さんのインタビューが掲載された書籍などをお土産に頂いて、9時頃に出発。
予定より少し遅くなってしまいました。
国道349号線を田村市方面へ南下。
ラジオでは衆院選の結果など(自民党が絶対安定多数という、事前のマスコミ予想からもちょっと意外な結果に)。
この日は2箇所でコットン収穫をお手伝いする予定で、まずは午前11時に広野町で約束を頂いています。のんびりと葛尾村や川内村に立ち寄りながら向かおうと思っていたのですが、どうも時間の余裕が無さそうです(焦!)。
予定を変更し、大熊ICから常磐道に乗って広野町に直行することに。
何度もボランティアバスツアーで訪ねている広野町浅見川沿いのコットン畑に到着したのは、約束の時間ギリギリの11時5分前。
福島県の広さを痛感しました(汗)。
何度もお世話になっている根本賢仁さん(広野わいわいプロジェクト理事長)が、コットン畑の脇で待っていて下さいました。
再会の挨拶もそこそこに、早速、収穫作業に取りかかります。
すぐ近くに見える常磐線を特急列車が通過。最初にこの地に来た時(2014年6月)は、常磐線は広野から2つ先の竜田まで開通されたばかりでした。全線が再開し、東京から仙台まで特急が運行されるようになったのは昨年3月のことです。
今年はコロナの影響もあって、都心からのボラバス等もほとんど運行できず、根本さんたち地元の方だけで栽培されてきたとのこと。
河川敷にあるため強風で枝折れすることも多いそうで、全体に低く剪定されており、畝の間には防草シートを敷くなど、栽培技術は年々進化している様子です。
まだ花も咲いています。花が散ると緑色のコットンボールとなり、赤くなって弾けると、中から茶色の綿が顔を出します。
時間が経つと自然に地面に落ちてしまい、土やゴミがついてしまいます。コットン収穫は人海戦術、まだまだ収穫できそう(作業量はありそう)です。
1時間半ほどのお手伝いのあと、近くの食堂で昼食(私はボリュームあるカレイの煮魚定食)をご馳走になってしまいました。
大したお手伝いもできなかったのに、かえって申し訳ありませんでした。
13時に出発。次はいわき市のJR泉駅前で14時に待ち合わせです。
隣の市なので余裕があると思っていると、これも大誤算。今度はいわき市の広さを思い知らされ、結局、約束の時間に10分ほどの遅刻。
待っていて下さった吉田恵美子さん((一社)福島オーガニックコットンプロジェクト代表理事、NPOザ・ピープル理事長)、申し訳ありませんでした。
吉田さんの車に乗せて頂き、すぐ近く(中ノ坪)のコットン畑へ。
圃場管理者の「大将」にご挨拶。吉田さんとの会話は漫才のようです。
こまめに管理して下さっているそうで、広野町の畑より背丈も高く、全体に葉も生い茂っています。
2時間ほど、収穫をお手伝い。
午前中にはボランティアの若い人たちも来られていたそうですが、ここもまだまだ収穫できそうです。吉田さんに、元の泉駅前まで送って頂きました。
いわき市や広野町でのコットン畑を訪れるようになって8年ほどになります。
最初の頃こそ被災地支援のボランティアという気負いもありましたが、今では作業そのもの、あるいは皆さんにお会いできること自体が楽しみになっています。
大したお手伝いはできなかったにもかかわらず、こちらの都合でわざわざ時間を作って下った根本さん、吉田さんに感謝申し上げます。
なお、(一社)ふくしまオーガニックコットンプロジェクト(ふくわた)は、11月27日(土)13時からオンラインツアー・初冬編を開催するとのこと。
事前に送られた材料で糸つむぎやリース作りができるそうです。
この日の宿は、いわき湯本温泉の元禄彩雅宿・古滝屋さんです。
1695年(元禄8年)創業の老舗旅館で、何度かボラバスツアーの作業後に温泉に入らせて頂いたことがありますが、宿泊するのは初めてです。
17時過ぎにチェックインして、まずは9階にある「原子力災害考証館 furusato」へ。
震災・原発事故から10年を経た本年3月に開館した施設で、運営には大熊町でお世話になった鈴木亮さんご夫妻も関わっておられるとのこと。
事故により捜索が遅れた津波被災地を再現したジオラマ、震災・原発事故前後の浪江町の街並みのパノラマ写真、原発事故や裁判に関連する新聞・書籍・映像資料など、草の根・市民の視点からの各種資料が展示されています。
しまくらまさし氏の写真展「フクシマの10年」も開催されていました。
なお、11月28日(日)13:30から意見交換会「2045年のふるさとを守れるか?中間貯蔵と最終処分を考える」の開催を予定しているそうです(会場は大熊町及びオンライン)。
ゆっくりと大浴場、半露天風呂でかけ流しの温泉を楽しんでから、夕食に出かけました(残念ながら夕食付きのプランは予約できなかったのです)。
宿から徒歩5分ほど、JR湯本駅近くに赤ちょうちんを発見。
おかめの絵が描かれた暖簾をくぐって覗いてみると、カウンターだけの大衆的なお店。地元のオジサン達や若いカップルがお酒や食事を楽しんでいます。
まずは地元名産のメヒカリの天ぷら。鶏皮餃子やネギ入り卵焼き。お酒は地元の「又兵衛」。
〆にソースカツ重まで頂きました。
この日も食べ過ぎ、呑み過ぎです。