【ブログ】Present Tree in くまもと山都2(1日目)

NPO法人環境リレーションズ研究所が運営する「プレゼントツリー」とは、森林再生と地域振興をつなげるプロジェクト。2005年1月にスタートしました。
 全国の被災地や放置された森林跡地に、自分や大切な人へのプレゼントとして樹を植えて、地元との協定により10年間育てるという取組み。現在、北海道から九州まで全国8か所で里親募集中です。

2022年3月26日(土)~27日(日)、「Present Tree in くまもと山都2」植樹イベントに参加させて頂きました。私は熊本行きは、2016年の熊本地震の1か月後に訪ねて以来です。
 ちなみに参加者は全員、事前のPCR検査等による陰性証明が義務付けられています。 

地元0503発の始発に乗り、事故等もなく無事に集合時間(7時)前に羽田空港に到着。
 スタッフの方から搭乗券を頂き、検査場前の行列へ。まん延防止措置解除後で初の週末のせいか、すごい混雑です。しかも乗る予定の便は、悪天候のため羽田に引き返すかもしれないとの表示。
 0805発のJAL625便は、検査場前の混雑のせいで10分ほど出発が遅れました。

10時過ぎに無事に阿蘇くまもと空港に到着。強い雨のなか、2台のバスに分乗し出発。
 車中で鈴木敦子理事長からの挨拶、スタッフの方から行程等の説明。頂いた山都町のパンフレットには、今回のツアーでお世話になる方々も掲載されています。

 参加者からの自己紹介。大学の先生とゼミの学生たち、各地のボランティアに通っておられる方など。山都町のリピーターの方も多いようです(山都町でのプレゼントツリーは、昨年に続いて2回目とのこと)。

残念ながら阿蘇の雄大な光景は全く望めないまま、山都町へ。
 最初の見学地は弊立(へいたて)神宮。神武天皇の孫・健磐龍命が阿蘇に下向する際にこの地で幣帛を立てたとされ、パワースポットとしても有名だそうです。
 大雨の中、石段を登って息が切れましたが、樹齢6000年とも言われる「五百枝杉(いおえすぎ)」などの巨樹は見事でした。

強い雨のため、予定していた池尻の唐傘松の見学は割愛して昼食会場に直行。山都町中心部(浜町)にある割烹・本さつまやです。
 今回のツアーでお世話になる下田美鈴さんから挨拶を頂きました。翌日は下田さんの農園を訪ねる予定です。

 ジビエのステーキやハンバーグ、渓流魚、有機野菜、山菜など地元産食材たっぷりの昼食。料理長さんの強いこだわりと思いを感じました。
 ちなみに本さつまやという屋号は、西南戦争時、西郷隆盛が一時浜町に滞在したことに由来しているそうです。

本さつまやさんの玄関には、見事な雛壇も。

 徒歩5分ほどで通潤酒造へ。見学と試飲をさせて頂きました。
 江戸時代中期創業という老舗蔵も2016年の熊本地震で大きな被害を被ったそうですが、歴史ある蔵をカフェにリノベーションするなど、斬新な取組みをされています。

国の重要文化財・通潤橋へ。雨はほとんど上がりました。
 布田保之助(通潤橋を建設した惣庄屋)の銅像の前で、今回のツアーガイドのお一人、寺崎 彰さん九州脊梁山脈登山ガイド)が説明して下さいました。

 今から165年前、水不足に悩む白糸台地に水を送るために造られた日本最大級の石造りアーチ式水路橋は、現在も約100haの農地を潤しているとのこと。
 2016年の熊本地震、2018年の豪雨によって積み石が崩れるなど大きな被害を受けましたが、昨年、復旧工事が完了したそうです。

12~3月の間は、石材の凍結防止等のため放水は行わないそうですが、この日は役場や土地改良区の方々の協力により、特別に放水を見学できるとのこと。

みんなが息をのんで見上げるなか、係の方がハンマーで木栓を抜いた瞬間、ものすごい勢いで大量の水が落ちてきました。大迫力に歓声が上がります。
 放水口は正面に2か所、背面に1か所。たもとの丘を登っていくと、様々な角度から放水の様子を眺めることができます。

橋の上は、熊本地震以降は立入り禁止となっていたのが、本年4月からは通行可能となるとのこと。この日はそれに先立って特別に渡らせて頂きました。
 高さは約20メートル、手すりはなく、見下ろすとなかなかの迫力です。

橋を渡り切ったところで、土地改良区のGさん(農政局在勤中にお世話になった方)が、給水の仕組みなどを説明して下さいました。
 取入口の吹上口の高低差を利用し、漆喰で固めた通水管によって、さらに標高が高い白糸大地まで水を供給しているとのこと。

台地を登り切ったところには、布田保之助を祀る布田神社がありました。
 近くの散策路を下っていくと展望台と吊り橋があり、五郎ヶ滝が目近に望めます。大雨で水は濁っているそうですが、すごい水量と轟音です。
 ちょうど陽が射してきて、虹が現れるというサプライズも。

1日目の最後の見学地は鮎の瀬大橋。緑川渓谷の見事な風景を見下ろせます。
 1999年に農免道路の整備事業の一環として開通。高さ140m、長さ390mのY字橋脚と斜張橋との複合型の珍しい橋で、土木学会デザイン賞等を受賞しているとのこと。色鮮やかな桜の木の下で寺崎さんが説明して下さいました。

16時過ぎに、この日の宿泊地である通潤山荘に到着。再び風が強くなってきました。ロビーの一画には、地元出身の山下泰裕さんの柔道着等が展示されています。

 大浴場と露天風呂で汗を流し、テレビ観戦の14日目は不調だった熊本出身の大関が終盤になって実力を発揮(遅い!)。
 大広間での夕食では、通潤酒造のお酒も頂きました。夜もご馳走です。

20時頃に部屋に戻ると、2度目の風呂にも行かずに布団へ。そのまま爆睡して1日目が終了。
 明日は本番の植樹です。(2日目に続く。)