【ブログ】2022年9月の「今夜はご機嫌@銀座で農業」など

2022年も9月。
 今年の夏は猛暑続きでしたが、ようやく秋の気配が漂い始めました。同時に台風シーズンも到来、要注意です。
 9月3日(土)午前中、ベランダの手摺りの上にはルリタテハの姿。(猫の額ほどの)庭には食草のホトトギスを植えてあります。

同日、クレヨンハウスからワンテーマの雑誌『いいね』2022年10月号が送られてきました。以前に、フード・マイレージのデータを掲載したいと協力依頼があったものです。

「広がるベジフードの世界」「肉食で温暖化が進む」といった特集で、残念ながら畜産や肉食は環境に良くないという一方的な論調にとどまっています。
 最初に相談があった時にも伝えていたのですが、改めて私から編集部には、「畜産や肉食を『十把一絡げ』に捉えることなく、放牧など循環型の畜産を行っている方たちにも目を向けて頂き、そのような生産者の方々を応援して頂けると幸いです」とお伝えしました。

クレヨンハウスの「朝の教室」には私も何度が参加したことがあり、非常に素晴らしい活動をされています。改めて、循環型畜産等を取り上げて下さるのを期待したいと思います。

9月5日(月)の午後は、地域づくり情報誌『かがり火』のオンライン支局長会議に参加。
 ゲストは富山支局長の川又 直さん。
 富山市万願寺移住された川又さんは、1987年、自宅を改装して「ピースフルハウス・はぐれ雲」を開設されました(2001年にNPO法人格を取得)。合宿型の自立支援塾で、不登校や引きこもりの子ども達と一緒に暮らしながら、農業にも携わっているそうです。最近注目されている「農福連携」に、35年も前から先駆的に取り組んでおられるのです。

 「学校に戻ることが目的ではなく、まずは生活リズムを整えることから。朝起きてみんなで散歩に行き、朝食をとることを大切にしている」「農業に携わることで視野が広がる。また、農業は周りとのコミュニケーションの中で成り立っており、見守ってくれる人が多い。これらは農業ならでは」等のお話を伺いました。

 一年前の五輪関係の贈収賄事件(当事者たちは罪になるという意識もなかったのでしょうね)など気持ちが沈みがちだったのですが、このように地域で実践されている様子を伺い、心晴れる思いがしました。

9月6日(火)は職場主催の2つの勉強会に参加。
 ここ数年、このような機会が増えています。この日はどちらもオンライン(会場とのハイブリッド)だったので、自宅からでも参加でき、チャットで質問することもできました。

午前中はエコロジカルフットプリント、午後は「疑似科学」について。
 どちらも興味深い内容で、大いに参考になりました。

左はNPOエコロジカル・フットプリント・ジャパンのHP、右は「疑似科学とされるものの科学性評定サイト」より。

9月7日(水)の終業後は、東京・神田の「47都道府県レストラン・箕と環」に立ち寄ってから、京橋の中央区環境センターの会議室で開催された「今夜はご機嫌@銀座で農業」に参加。
 参加者10名ほどの、アットホームな勉強会です。
(何度も来ている会場なのですが、間違えて隣のビルに入って迷い、10分ほど遅刻してしまいました。近隣では新しいビルの建設工事が進むなど、東京都心ばかりますます発展するようです。)

この日の蔦谷栄一先生の講演テーマは「江戸時代と循環型農業」。近く雑誌に寄稿されるという原稿のスケルトンを配って説明して下さいました(文責・中田)。

「日本農業にとって水田とは、先祖たちの血と汗の結晶であり、かけがえのない遺産」
 「律令時代、戦国・江戸時代、明治時代を通じ、治水技術の進展とともに新田開発が進められてきた。人口も増加」
 「江戸中期の大規模開発では環境問題も発生し、その反省に立って植林等も推進」

「地域資源・地域の特性(持続性)を重視した江戸時代の循環型農業は、日本独自の村落共同体・農村自治、あるいは識字率も高い“百姓”の知恵に支えられていた。貨幣経済に囚われない自然観も有していた」

「江戸の農業に学ぶべきことは、環境破壊(行き過ぎた開発)を反省し経験を活かすこと、地域資源を活用(地域循環・持続性を重視)することなど」
 「これからの日本は、農産物の貿易自由化が進展するなか、日本は水田農業(食料・食生活、文化・景観、治水)を守っていく必要がある。さらに国民皆農による都市農地の保全と田園回帰を進めていくべき」

参加者からの近況紹介と質疑応答、意見交換は、いつもの地下の餃子屋さん(美味しくてリーズナブル)で継続。今回も充実して楽しい時間を過ごすことができました。

なお、次回の「今夜はご機嫌@銀座で農業」は、10月20日(木)18:30から開催予定です。