−長野路代、佐藤 弘『ながのばあちゃんの食育指南』(2015年8月、西日本新聞社)−
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/199107/
長野路代さんは1930年、福岡・飯塚市の農家に生まれました。
終戦後まもなく母親が急逝し、一家の料理作りを十代で担うことに。ところが当時は農家であっても供出等により一握りの米もなく、一日の重労働(農業)を終えて帰ってきた父親が、ドロドロに炊いたサツマイモ等を黙って食べる姿が、涙で見えなかったとのこと。
その体験から、長野さんは、身近にあるもので工夫をして豊かな食卓を作ることを心がけるようになったそうです。
60代の時に、地域の女性たちと農産加工グループ「野乃実会」結成し、農家の女性の知恵と技を「商品化」する取組みを始められました。地域の食材を使ったゆず胡椒、赤こうじなど野々実会の加工品は、ホームページからも購入することもできます。
共著者の佐藤 弘さん(西日本新聞社編集委員(執筆時))は、長野さんにとって料理とは、「家族の健康と生活を守るために紡いできた技の積み重ね」であり、「人生に対して」真摯に向き合い、前を向いて生きて来たからこその果実」であるとしています。
食料自給率の向上や循環型社会の形成といった国家的な課題も、このような方たちによる地域における実践があって、初めて達成できるのです。
(参考)野々実会HP
https://nonomikai-uchino.jimdofree.com/
出典:
F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信-
No.251、2022年9月26日(月)[和暦 長月朔日]
https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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