【豆知識】高齢化しつつ大きく減少を続ける農業の担い手

世界的な新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻等により日本の食料安全保障は危機に面していると言われていますが、実は最大のリスク要因は国内にあります。
 それは、国内において食料を安定供給する基盤の脆弱化です。

リンク先のグラフは、農業の担い手(基幹的農業従事者)数の推移を年齢階層別に示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2022/11/255_ninaite.pdf

これによると、基幹的農業従事者(ふだん仕事として主に自営農業に従事している者)の数は2005年には224万1千人でしたが、2020年は136万3千人と、15年間で約6割へと大きく減少しています(組替集計)。
 さらに2020年について年齢階層別にみると、65〜74歳が38%、75〜84歳が25%、85歳以上が7%と、高齢者が大きな割合を占めているのに対して、55〜64歳は16%、35〜54%は12%と少なく、34歳以下の者は3%弱しかいません。
65歳以上の者の割合でみると70%となっており、これは2005年以降、上昇傾向で推移しています。

つまり、日本の農業生産を担っている労働力は、急速に高齢化しつつ大きく減少しているのです。
 この傾向が続けば、近い将来、国内の農業生産力は大きく低下することが予想されます。農業の担い手の育成と確保は、食料安全保障のためにも最も重要かつ喫緊の課題と言えます。

データの出典:
農林水産省「農林業センサス」(令和3年度 食料・農業・農村白書(令和4年5月27日公表)における組替集計)から作成。
 https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/r3/r3_h/trend/part1/chap1/c1_1_01.html

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.255,2022年11月24日(木)[和暦 霜月朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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