【ブログ】今夜はご機嫌@銀座で農業-所沢/東村山まち歩き編

ほぼ毎月1回、東京・京橋の会議室で「今夜はご機嫌@銀座で農業」と称する勉強会が開催されています(主催は銀座でみつばちを飼う活動等をされているスローフード銀座です)。

2023年2月22日(水)は、その特別スピンオフ企画として、埼玉・所沢と東京・東村山を舞台にまち歩きイベントが開催されました。
 案内人は、勉強会常連のメンバーのお一人で、所沢市在住の肥沼位昌さん(図書喫茶カンタカのオーナー)です。

参加者7名は15時に西武新宿線・所沢駅東口の階段下に集合。眩しいほどの日差しが眩しいほどです。

まずは、駅前ロータリーの一角にあるトトロとネコバスのモニュメントを見学。サツキとメイが仲良く外を眺めています。宮崎駿監督の『となりのトトロ』は、所沢市、東村山市(の原風景)が舞台とされています。
 そのネコバスの停留所があったとされる場所は、現在は市街地のなかの交通量の多い幹線道路沿いで、映画に描かれた情景の面影はありません。

市街地のなかには、茶畑など農地も残されています。
 しかし現在、この地域では大規模土地区画整理事業(北秋津・上安松土地区画整理事業)が実施されており、広大な面積の農地や雑木林が宅地化され、住宅やショッピングセンターとなる計画になっています。
 この辺りの景色は大きく変わりつつあると、肥沼さんは淡々と説明して下さいます。

崖線に沿った雑木林は残される予定ですが、その幅はかなり細ったとのこと。以前は遊歩道もあり、幼い時の肥沼さんの遊び場でもあったそうです。

残されている市民農園には、農作業をする何人かの方の姿もありましたが、ここも面積はかなり減ったようです。

やがて、淵の森緑地に到着。
 宮崎監督ご夫妻を始めとするボランティアの皆さんにより、貴重な平地林が保存されている場所です(肥沼さんもメンバーの一人として、毎週、河川の清掃作業などを行っているそうです)。

柳瀬川の多くの場所はコンクリートで護岸されていますが、この辺りは自然の姿が残っています。まっくろくろすけが現れそうです。

その後は、一本橋を渡り(たもとには、この近くに住んでいた草野新平の「光あまねしの碑」があります。)、ミツバチの巣箱が置かれている肥沼さんの畑を見学させて頂きました。

図書喫茶カンタカへ。
 内装やメニューは、武蔵野の雑木林や柳瀬川などがイメージされています(例えばコーヒーは「落ち葉」「柳瀬川」など)。
 トトロのポスターや、肥沼さんのお祖父さまが描かれた昔の一本橋の絵なども展示されています(本当に一本の木が渡されただけの橋だったようです)。

1階は書棚に囲まれた快適な喫茶スペースで、多くの人が静かに本を読んだりパソコンを叩いたりしながらくつろいでいます。
 2階はセミナーやイベントに使えるようになっており、私も何度か室内楽コンサートに参加させて頂いたことがあります。

この日は肥沼さんから、スライドを用いて「所沢の農~武蔵野考」と題した講演がありました。
 江戸時代の新田開発と落ち葉堆肥農法、雑木林の経済的価値の喪失と相続税問題、ダイオキシン騒動など。
 そして「今後考えたいテーマ」として、持続可能な自然(ほったらかし自然農法)と人との関係、雑木林の土地税制のあり方、神社など信仰の精神面での人とのつながりをあげられました。

続いて参加者との意見交換。
 勉強会のメイン講師師である蔦谷栄一先生(農的社会デザイン研究所)からは、「コモンとしての平地林をどう残していくかが課題。イベント等を通じて訴えていく必要がある」等の発言がありました。 

その後は、肥沼さんの奥様と、肥沼さんのピアノの先生によるバッハなど室内楽の演奏。チェロとピアノの音色に魅了されました。
 ちなみに「バッハ」とは小川という意味もあるそうですから、柳瀬川沿いのカンタカにぴったりの選曲だったかもしれません。

終了後は、残った有志の皆さんで所沢駅近くの居酒屋さんに移動して延長戦。
 私は比較的近所なので、この辺りは何度も来たことはあるのですが、生まれ育った地元の方に案内して頂く「まち歩き」の楽しさも格別でした。多くの学びもありました。

肥沼さん、主催者の皆さん、有難うございました。

なお、次回の「今夜はご機嫌@銀座で農業」は、通常通り東京・京橋の会議室で、3月7日(火)18:30からに開催される予定です。