季節は3月に入りました。
とはいえ、北日本では記録的な豪雪。北海道では多数の犠牲者が出てしまい、秋田新幹線が脱線しました。
関東地方では春一番も吹き、テレビの花粉飛散情報の画面は日々、赤い面積が増えつつあることに憂鬱な気持ちになります。
久しぶりに日比谷公園を訪ねてみると、梅、菜の花、水仙、山茱萸(サンシュユ)など春の花で粧われていました。
さて、2月の末は滋賀、京都に業務出張。美味しいものを頂いてきました。
JR東海道本線の近江八幡駅前に、「近江牛メンチカツ」と書かれた赤い幟が立てられた小さなお店がありました。
覗いてみるとテイクアウト中心ですが、片隅に2脚だけ丸椅子が置かれ、店内で食べることができるとのこと。メニューは近江牛のメンチカツ丼、すき焼き丼など。
ガッツリ系のメンチカツ丼を注文しました。ご飯の上にキャベツの千切りが敷き詰められ、マヨネーズが掛け回されています。
その上に、手前には2つ割した煮卵、奥には主役のメンチカツがどかんと鎮座。
甘辛いソースが絡んだメンチカツに豪快にかぶりつくと、衣はサクサク、噛むとじゅわっと肉汁が口中にあふれます。これで450円とは財布も満足。
京都での業務終了後は、新幹線に乗る前に駅ビル内の京野菜を売り物にした居酒屋。
メニューは野菜中心、店の造りも町屋風とおしゃれで、客層は若い女性のグループが中心です。京都在住の職場の先輩、元同僚とのオヤジ3人のテーブルは、やや場違いの雰囲気。
料理は見た目も美しく、2月限定(つまり、この日まで)というメニューを中心に注文してみました。
聖護院だいこん、かぶ、九条ねぎ、にんじん、えびいも、長いも、うるい等のたくさんの野菜。
それらを籠盛りにしたサラダ、鴨肉とのくず煮、スモークサーモンと合わせた生春巻など。
京野菜は伝統種だけというわけではありませんが、飲食店向けに普通の値段で通年で安定供給していけるという体制、それを普通の消費者が日常的に食する、つまり日々の生活に根付いているという面で、京野菜ブランドの底力を垣間見たような気がしました。
伏見の日本酒も美味、帰りの新幹線はちょっとしんどかったです。
帰宅すると、熊本の知人から荷物が届いていました。
原田正純先生の追悼集の本(改めて紹介させて頂きます。)に同梱されていたのは、水俣・愛林館(久木野ふるさとセンター)のお米「たなだのかおり」。
今や良食味品種の代表、ヒノヒカリに香り米がブレンドされているとのこと。
山間部にある愛林館では、都市住民等による石積み体験や「棚田のあかり」など、様々な先進的な様々な取組が行われています。棚田や森林の風景を懐かしく思い出しました。
ところで、先日は神田「なみへい」へ行ってきました。
このブログでも何度か紹介している「東京から故郷おこし」がコンセプトのお店です。
2月の特産品コースは青森県佐井村の特集。
下北半島の西側に位置する人口2400人程度の小さな村で、国指定の名勝「仏ヶ浦」と豊かな海の幸に恵まれている地とのこと。
前菜には、塩うに、もずく酢と若竹煮など。続いて青森県の郷土料理「貝味噌焼き」。
さらに「鮭とば」と水菜のハリハリサラダ。鮭とばとは、秋鮭の半身を皮付きのまま縦に細く割き、海水で洗って潮風で干したものです。噛みしめるほどにうま味が拡がります。
肉料理はジンギスカン。続いて佐井村産の魚の煮付け。
さらに鍋ものは「生わかめしゃぶしゃぶ、チキンスープ仕立て」。
〆には、鮭とば炊き込みご飯。土鍋炊きです。
2月のコースも堪能させて頂きました。お腹も気持ちも満足です。
ちなみに3月は、京都府舞鶴市の特選品とのことです。
フード・マイレージの考え方からすると、なるべく近くで獲れたものを食べた方が輸送に伴う環境負荷が小さくて望ましい、ということになります。
しかし、フード・マイレージという考え方が本当に訴えている大事なことは、その食べものの産地や生産者のとを想像し、思いを馳せることです。
その意味で、東京など都会において、様々な地域の美味しいものを頂けることは有難いことです。
産地や生産者のことに思いを馳せ、寄り添うことこそが、現在の「飽食」日本において何よりも大事なことだと思います。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
◆ メルマガ :【F. M. Letter】フード・マイレージ資料室 通信
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