食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げていきます。
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ここ数回にわたり、近年、エンゲル係数が上昇に転じている状況について考察してきました。
そのなかで、前回は収入規模別に食料費支出をみたところ、収入の低い階層では、カップめん、調理食品(弁当など)、ハンバーガーに対する消費支出の割合が高くなっていることが明らかとなりました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/30_shotokukaisou2.pdf
これら品目を多く消費することが、ただちに健康上の問題を引き起こすわけではないのですが、厚生労働省『国民健康栄養調査』(2010年)では世帯の所得を3区分して生活習慣等との関連について分析しています。
これによると、肥満者の割合は、男性では差がみらないものの女性では低所得層の方が高くなっています。また、習慣的な朝食欠席者の割合は、男性、女性ともに低所得層ほど高くなっています。
さらに、野菜の摂取量は、低所得層で少なくなっています。
また、図にはありませんが、習慣的に喫煙している者の割合は低所得層の方が高くなっています。
これらの結果をみると、所得の少ない世帯では食生活の面で相対的に大きな問題を抱えている恐れがあることが伺えます。
[出典等]
厚生労働省『2010年 国民健康・栄養調査』
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb.html
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