F. M. Letter -フード・マイレージ資料室 通信- No.078

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◇◆◇ F. M.Letter −フード・マイレージ資料室通信 ◇◆◇

     No.78; 2015.9/27(日)[和暦 葉月十五日]発行

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 秋分の日も過ぎて中秋を迎えました。彼岸花が咲き誇り、虫の音は

盛りを迎え、白露が大地を濡らす季節です。

 

 時の流れを体感して頂くため、和暦の毎月一日(朔日=新月の日)

と十五日(ほぼ満月の日)に配信している本メルマガ、今回は葉月十

五日の配信です。

 

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  F.M.豆知識

 食や農について、(特に私たち消費者にとって)ちょっと役に立つ、

あるいは考えるヒントになるような話題を、毎回こつこつと取り上げ

ていきます。

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 前回は、総務省『家計調査』により都道府県庁所在地ごとの「主食」

(米、パン、カップめん等)に対する世帯員1人当たり消費額をみたと

ころ、米の消費が一番多いのは静岡でした。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/35_todoufuken.pdf

 

 私はちょっと意外だったのですが、ある読者の方から「日常茶飯」

という言葉どおりとの指摘を頂き、なるほどと思った次第です(お茶

に対する支出額も静岡市は全国一です)。

 

 また、パンに対する支出額は京都、神戸、奈良等の近畿地方が多く、

カップめん等については秋田や山形といった東北地方で相対的に多く

消費されているなど、主食の消費パターンには地域差が大きいことが

明らかになりました。

 

 今回は、肉類に着目します。

 リンク先の図36は、2014年における世帯員1人当たりの牛肉、豚肉、

鶏肉に対する消費支出額を都道府県庁所在地別に示したものです。

 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/36_nikurui.pdf

 

 このグラフをみると、肉類の消費パターンは主食以上に地域差が大

きいことが分かります。

 まず、牛肉については西日本、特に近畿地方で多く消費されている

という特徴がみてとれます。ちなみに消費額上位3都市(1位、2位、

3位)は、大津(滋賀)、京都、和歌山で、下位3都市(45位、46位、

47位)は福島、盛岡、新潟となっています。

 

 豚肉への支出額は牛肉ほど大きな地域差はみられませんが、総じて

東日本で多く消費されています(上位:札幌、横浜、埼玉。下位:前

橋、福井、鳥取)。

 鶏肉については、相対的に近畿や九州など西日本での消費が多く

なっています(上位:神戸、京都、静岡。下位:前橋、那覇、新潟)。

 

 肉類の消費パターンはかなり標準化されてきたと言われていますが、

それでも、東日本は豚肉中心、近畿など西日本は牛肉中心など、依然

として大きな地域差がみられるのです。

 

(ちなみに、徳島出身の筆者は30数年前、新採直後に札幌に赴任した

経験があるのですが、独身寮のすき焼きが豚肉だったことに驚いたと

いう思い出があります。美味しかったですが。)

 

[出典等]

 総務省「平成26年家計調査」(都市階級・地方・都道府県庁所在市

 別1世帯当たり支出金額、購入数量及び平均価格、2人以上の世帯)

  http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001135068

 

 FM豆知識のページ(ウェブサイト「フード・マイレージ資料室」)

  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/fm-data_mame.html

 

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  オーシャン・カレント 潮目を変える

  食や農の分野について、先進的かつユニークな活動に取り組んでお

 られる方達を紹介させて頂いています。

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 横田岳(がく)さんは1990年、埼玉・小川町青山の農家に生まれまし

た。

 ひどいアトピーで、食物アレルギーも持っておられたそうです。とこ

ろがある日、家の近くの養鶏農家で採れた卵を食べても皮膚炎が起こら

なかったそうです。ご両親は、食べ物そのものではなく、そのの作り方

に問題があることを確信し、自らの経営を無農薬・無化学肥料に転換さ

れたそうです。

 そして、その野菜を食べるようになって、岳さんのアトピーはたちま

ち改善したとのことです。

 

 2年前、岳さんは両親の有機農業経営にUターン就農され、ご両親と相

談しながら、野菜ボックスの直販や研修生の受け入れなど、新しい取組

も始められました。

 家族連れを対象とした体験イベント「子供といっしょに学ぼう!農家

のお仕事」(全12回)のチラシには、「ご先祖たちが守ってきたこの地

域の山と川、そして種といった大事なものを私達も受け継いでいきたい。

子どもも大人も、空の下、大地の上で土をいじり、食べるものの大切さ

を知って欲しいと思っています」等とあります。

 

 201582日(日)には、小川町の生産者のお話を聞きながら小川町

の野菜を使った料理を頂くUS.Peace主催「シェフズテーブル」において、

横田さんのお話を親しく伺うことができました。

 

 「近年、国際的な穀物価格上昇等の影響でオカラや米ぬかなどの有機

資源が手に入りにくくなってきた。一方、化学肥料の原料はほとんど海

外に依存している。

 一方で獣害が酷くなっているが、これは山の資源を利用しなくなった

ため。

 

 また、一般的なF1種(一代雑種)は肥料の多投が前提だが、在来種や

固定種はやせた土地でもよくできる。この地で先人の方達が守ってきた

在来種等を頂き、自家採種しつつ栽培している」

 

 そして「落ち葉や在来種など、地域内にある資源に着目し、なるべく

町外の資源に頼らない循環的な農業を続けていきたい」と締めくくられ

ました。

 

 埼玉・小川町は有機農業の盛んな地域で、全国から(海外からも)研

修生を受け入れ、多くの新規就農者もいるなど、有機農業の盛んな地域

です。

 横田さんもその担い手の一人として、ますます活躍されることを期待

したいと思います。

 

[参考]

 横田農場ウェブサイト

  http://yokotanojo.com/

 横田農場フェイスブックページ

  https://www.facebook.com/yokotanoujou/

 第10US.Peaceシェフズテーブル レポート

  http://uspeace.jp/user_data/report10.php

 

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  情報ひろば

  拙ウェブサイトやブログの更新情報、食や農に関わる各種イベント

 の開催情報等をお届します。

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ブログ「新・伏臥慢録〜フード・マイレージ資料室から〜」更新情報

 東京「ドリーム」読者の集い (09/13)

  http://food-mileage.jp/2015/09/13/

 

 JKSK ふくしまオーガニックコットン・ボランティアバス2015

 (第2回) (09/16)

  http://food-mileage.jp/2015/09/16/

 

 「護憲のための改憲」「カウンター・デモクラシー」 (09/18)

  http://food-mileage.jp/2015/09/18/

 

 筆者が参加予定または関心のあるイベント等を勝手に紹介します。

  なお、既に満席の場合等がありますので、参加を希望される際には

 必ず事前に主催者にお問い合せ下さい。

 

 「東京ゴマ01in 檜原村 大収穫祭

 日時:927日(日)10:30 JR武蔵五日市駅集合

 場所:東京・檜原村

 主催:グリーンスマイル

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/events/453487518193155/

 

 社会からの喧騒と離れて 稲刈り&バーベーキュー

 日時:104日(日) 11:0015:00

 場所:福島・広野町上浅見川箒平地区

 主催:吉川彰浩さん

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/events/1681343625427530/

 

 映画『聖者たちの食卓』上映会と西荻カレー食べあるきイベント

 日時:1010日(土)1回目上映13:30〜、2回目19:00

 場所:高架下マイロード商店街内特設会場(JR西荻窪駅高架下)

 主催:西荻案内所

 (詳細、お問合せ等

  http://nishiogi.in/151010_seijamovie/

 

 九品仏のレストランにて、「自家農園の有機野菜が主役のレストラ

  ン」研究会&懇親会

 日時:1017日(土)15:0017:30

 場所:九品仏(世田谷区奥沢)/ベジモやさいKitchen

 主催:農業ビジネス研究会

 (詳細、お問合せ等

  https://www.facebook.com/events/1016927188358031/

 

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* 今号のコツコツ小咄。

「今日のワークショップで書き出したことは、一つでも必ず実現するわ」

「付箋(不戦)の誓いね」

 

* 次号No.791013日(火)[長月朔日]の配信予定です。

 

* 和暦については、高月美樹さん『和暦日々是好日』を参考にさせて

 頂いています。いつもありがとうございます。

  http://www.lunaworks.jp/

 

* 本メルマガは個人の立場で配信しているものであり、意見や考え方

 の部分は筆者の個人的なもので、全ての文責は中田個人にあります。

 

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F. M. Letter −フード・マイレージ資料室 通信ID;0001579997】 

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  発行者:中田哲也

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