3連休明けの2016年7月19日(火)の夕方は、東京・新宿の東京都庁へ。
近くに来ると、まさに見上げるばかりの威容です。
壁面には2020年五輪のエンブレム。それに31日(日)投開票の東京都知事選挙の横断幕。
1階で受付票に氏名や行き先を記入し(行き先は「食堂」)、身分証明書を見せて「一時通行証」を受け取ります。
エレベータで32階へ。素晴らしい景観。
西日はもれていますが、まだしばらく梅雨は明けそうにありません。
職員食堂の入り口には、「江戸東京伝統野菜フェア」の看板。メニューのサンプルも展示されています。
中に入ると、すでに20名ほどの人達が集まっておられました。
江戸東京野菜コンシェルジュの皆さんによる「江戸東京野菜を食べよう! シリーズ3(寺島なす)」が開催されています。
江戸東京野菜コンシェルジュ協会の大竹道茂会長(江戸東京・伝統野菜研究会)はじめ役員の皆さんの姿もあります。
生産者である清水丈雄さん(小平市)も来ておられました。
この食堂を運営されている事業者の担当部長さんが、ある会合で大竹会長と会われたのをきっかけに実現したのが 「江戸東京伝統野菜フェア」。担当部長さんは、実施に先立って生産者の方のところにも足を運ばれたそうです。
「江戸東京伝統野菜フェア」は本年5月にスタートしたこのフェアは、これまでミョウガタケ、ウドを取り上げてきました。
そして第3回の旬の食材は、寺島なすです。
寺島村(てらじまむら)は、現在の地名で言えば墨田区・東向島。
墨田川が運んできた肥沃な土壌の畑で生産された小ぶりのナスは、名産品として船で千住、本所、神田等の青物市場に運ばれていたとのこと。
もっとも現在はその地は宅地化が進んだため、現在の主産地は多摩地方です。
(ちなみに私も、毎年、市民農園で寺島ナスを栽培しています。)
テーブルには、寺島なすを用いた様々なメニューが続々と出てきます。
まずは天ぷら、そぼろあんかけ、それに揚げびたし。ナス料理の定番からです。
続いて寺島なすとピーマンの味噌炒め。寺島なすとトマトのピザ。
そして何と、寺島なすの握り寿司まで。
番外編として、チジミ、メンチカツ、サラダ等も出して頂き、満腹に。
飲み物はビール、ワイン、焼酎など。
そして日本酒も東京産にこだわっています。
この日頂いたのは、澤乃井(小澤酒造・青梅市)の旬の純米生酒「さわ音」。
少し酸味があり、爽やかな夏酒です。
東京の野菜とお酒に大満足。
自給率1%(カロリーベース)という東京都にも、美味しい食材やお酒はたくさんあります。
しかし、実はこの寺島なすも、一時は生産されなくなり「幻のナス」と言われていたのですが、大竹さんが保存されていた種を見つけ出し、生産者等と連携して栽培を復活させたもの。
伝統野菜に関心を持ち、美味しく頂くことは、その地域の歴史や風土、物語を再発見することに繋がります。ひいては子ども達の食育、地域の活性化、コミュニティ再生の面でも大きな意義があると期待されるのです。
しかし、そもそも私たち消費者が関心を持ち、選ばなければ、江戸東京野菜の取組みも広がってはいきません。
先日(6/29)の市民科学講座を聞いて下さった高月美樹さん(和暦研究家)が、感想を「食の国民投票」と素敵にまとめてフェイスブックに投稿して下さっています。
「個人の食の選択も、投票権の行使。その意味では、つねに国民投票は行われていますし、産地や生産者の声を聞き、納得のいくものを選ぶことは、誰にでも許されています」「この国のゆくえは、ひとりひとりが支えているのです」
この「江戸東京伝統野菜フェア(寺島なす編)」は22日(金)で終了ですが、今後も谷中しょうが、馬込半白きゅうり、亀戸大根等を予定しているそうです。
都庁食堂という場所柄、あまり宣伝はしておられないようですが、32階の食堂には身分証明書を見せて受付をすれば誰でも入れます。もちろん景色も抜群。
機会があれば立ち寄って、江戸東京野菜を食べてみて下さい。
ところでこの日は週明け初日にもかかわらず、帰りが同じ方向の方達と西武新宿線・上井草駅で途中下車し、居酒屋さん(テレビにも出た有名なお店だそうです。)で2次会。
壁にはびっしりと日本酒のメニュー。これは選択に一苦労でした。心の洗濯にはなりましたが。
【ご参考】
◆ ウェブサイト:フード・マイレージ資料室
(プロバイダ側の都合で1月12日以降更新できなくなっていることから、現在、移行作業を検討中です。)
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