食や農に関連して、特に私たち消費者にちょっと役に立つ、あるいは考えるヒントになるような話題を毎回コツコツと紹介していきます。
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−失業率と栄養摂取量との相関−
引き続き、失業率と栄養摂取量との関連についてみていきます。
前回は1995年頃から失業率(特に若い世代の失業率)の上昇に連れてエネルギー(カロリー)やたんばく質の摂取量が減少していることを紹介しました。
http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/60_situgyo.pdf
今回のグラフ(リンク先の図61)は、前回(時系列の折れ線グラフ)と同じデータを、横(x)軸に失業率、縦(y)軸に栄養摂取量(1955年を100とした指数)をとってグラフにしたものです。
この形式のグラフは、x軸とy軸の関係性を読み取るに適しています。
これによると、エネルギー摂取量(赤の破線)は1955~75年頃までは増加しているものの、それ以降は失業率の動きとは関係なくほぼ一貫して減少している傾向がみられ、両者の相関はみられません(決定係数は0.14)。
つまりエネルギー摂取量が減少傾向にあるのは、短期的な経済情勢ではなく、ライフスタイルの変化や人口の高齢化など構造的な要因を反映したものと考えられます。
一方、たんばく質摂取量(青の実線)はほぼ一貫して右下がりの直線(回帰線)に沿って推移しています。
1955~1970年にかけては失業率が低下するのに伴って摂取量は増加(グラフは左上に向かって推移)していましたが、1970年以降は失業率が上昇するのに伴って摂取量も減少(右下に向かって推移)、2010年以降は失業率は低下(改善)し摂取量はやや増加しています。
ちなみに決定係数を求めると0.80と、両データ間には強い相関があることが分かります。
もっとも、決定係数が大きいことは必ずしも因果関係(失業率が上昇したため、たんぱく質摂取量が低下)を証明するものではありません。
次回は、最近の経済情勢の悪化が栄養摂取量の減少に及ぼしている可能性について、別のデータからアプ口ーチしたいと思います。
[出典、参考等]
資料:厚生労働省「国民健康・栄養調査」、総務省「労働力調査」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkou_eiyou_chousa_tokubetsushuukei_h26.pdf
http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm
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