【ブログ】吉田俊道さん講演会「菌ちゃんが地域と地球を救う」

2017年3月3日(金)は、仕事を早退して東京・三鷹へ。
 JR吉祥寺駅で吉田俊道さんをお出迎え。
 吉田さんはNPO大地といのちの会(長崎・佐世保市)理事長、菌ちゃんふぁーむ園主。

10年ほど前になりますが、九州農政局(熊本)在勤中に食育関係の協議会委員になって頂くなど仕事面でもお世話になった方。講演活動で関東に来られている時間の合間に、無理を言って三鷹でも講演をお願いしたのです。

タクシーで森の食卓へ。
 一軒家を改装した「人、食、自然」をテーマとした多目的・フラットなコミュニティスペースです。
 奥の和室には、お雛様も飾られていました。

森の食卓・オーナーの田中眞紀子さん始め4名ほどの方が、食事を準備して下さっています。

この日19時から吉田さんをお迎えして開催したのは森の菌ちゃん講演会「菌ちゃんが地域と地球を救う」

会場は20名強で満席。農業生産者や食育活動に取り組んでおられる方も。
 スライドを映写しながら、吉田さんの話が始まりました(文責・中田)。

微生物の力を活かした「菌ちゃん野菜」のすごさを、学校関係者や消費者の皆さんに分かってもらいたい。
 自身の農場で取れた野菜の成分を分析すると、栄養価が慣行栽培のものと全然違う。

元気な野菜、本当に美味しい野菜には虫は来ない。そのメカニズムも大体分かってきた。
 びんにそれぞれキャベツ(普通のものと元気野菜)とアオムシを入れて実験してみると、元気野菜は少ししか食べない。ファイトケミカルの作用と思われる。

害虫は弱った野菜を食べる。ウジムシは完全に死んだものしか食べない。死んだものを食べて新しい生命に備えている。『もののけ姫』で描かれたシシガミ様と同じ。

野菜くずを土に入れると、生長点(芯やへた)からは葉や根が出てくる。生きている証拠。今は何でも消毒殺菌する時代だが、皮付きで調理するようになった大規模給食センターもある。 

学校では生ゴミだけではなく草を入れる実験もしている。
 刈り取った草を廃棄物として処分するのではなく、穴を掘って米ぬかとともに何層にも埋め、ビニールシートをかけておくと、やがて細菌により発酵が始まっていい土ができる。

しかし、このように土作りをしてもできた野菜の値段は変わらない。本当の値打ちが分かる消費者が増えていってほしい。

元気野菜の取組みを始めた保育園や幼稚園では、低体温の子どもが減るなど効果が出てきている。
 人間の体の中にも大きくの菌がいる。健康のためには「お腹の畑作り」も必要。

次第に身振り手振りも大きくなり、時には笑いも交えつつ、1時間ほどのアツい講演時間はあっという間に終了。
 吉田さんも言い足りなかったでしょうし、参加者の皆さんからも「もっと聞きたい」という気持ちが伝わってきます。

後半は食事をしながらの意見交換・懇談に。

田中さん達が準備して下さったのは、根菜と豆腐の味噌粕漬け、和風ポトフ、のらぼう菜の辛し和え、プチヴェール等のミモザサラダなど。
 講演の趣旨に沿って、できるだけ発酵食品や地場(三鷹)産の野菜を使うなど工夫して下さいました(ご馳走様でした)。
 ちなみに飲み物はソフトドリンク、ビール、日本酒は屋守(おくのかみ、東京・東村山)に宝剣(広島・呉)など。

短時間ながら全員から自己紹介もして頂き、懇談は多いに盛り上がります。

気がつくと22時を回っていて、慌てて散会。吉田さんも急いで駅に向かわれました(この日は川崎泊て翌日は神奈川・逗子で講演とのこと)。

吉田さんの話は実践に根ざしているされているだけではなく、大学や試験機関とも連携して客観的なデータを収集・分析されている面でも貴重です。
 東京に来られるたびに何度かお話を伺っていますが、今回もまた新しいデータが追加されていました。

参加者して下さって皆さんの心にも響いたものと思います。吉田さん、今回も貴重なお話を有難うございました。

また、会場と料理を提供して下さった田中さん、料理や受付を手伝った下さった皆様にも感謝申し上げます。
 有難うございました。