【ブログ】春のピザ作り勉強会@八王子・磯沼牧場

2016年3月25日(土)は、前週に続き2週連続で八王子へ。
 東京地方では早くも21日(火)に桜の開花宣言が出された後、不順で気温の低い日が続いていたのですが、この日は好天に恵まれました。

いったん高尾まで出て京王線に乗り換え、山田駅で下車すると典型的な都市近郊の光景。
 ところが交通量の多い道路を脇道に入り、ゴルフ練習場とバッティングセンターの間を抜けたところに磯沼ミルクファーム(磯沼牧場)の看板がありました。

景色も一変します。
 目の前には広い農地が広がり、丘陵になっているようで遠くまで望むことができます。
 やがて畑や山林の間の道は、下り坂に。

あちらこちらに牛が放牧されているのが見えます。坂を降り切ったところの牛舎には、さらに多くの牛の姿。

看板が掛けられているたい肥舎の脇の道を入っていくと、広い中庭には多くの人が集まっています。
 この日開催されたのは「春を満喫!ピザ作り勉強会」。
 多摩・八王子江戸東京野菜研究会と磯沼ミルクファームの共同プロジェクトです。

傍らの牛舎では、子どもたちが小牛の頭を撫でたり草を与えたりしています。
 年中無休という直売所もあります。

10時を回ってイベントが開会。
 多摩・八王子江戸東京野菜研究会の福島秀史さんから、磯沼牧場のミルクや江戸東京野菜を使っての料理を楽しみ、参加者同志で交流しながら、牧場を見学してサステナブルな都市農業について学習したい、との挨拶。

牧場主の磯沼正則さんからも挨拶を頂き、この日のスケジュールや料理の段取り等の説明がありました。

早速、料理に取りかかります。
 江戸東京野菜ののらぼう菜は、三鷹のわ生産者グループのリーダー・冨澤剛さんがご自身でキャリーバッグで運んで来て下さったもの。
 滝野川ニンジンや6種類の菜花(下山千歳白菜、品川かぶ、青茎三河島菜、城南小松菜、多磨の百年小松菜)は、福島さんが自宅の畑で栽培された貴重な伝統種です。菜花はそれぞれ風味が異なるそうです。

テーブルには磯沼牧場特製のソーセージやベーコンなど。もちろんチーズなど乳製品もふんだんに並べられています。

野菜を洗って用途(サラダ、野菜スープ、ピザ)に合わせて切っていきます。滝野川ニンジンの赤が鮮やかです。
 子どもたちもチーズを削るなどお手伝い。チーズを差し入れて下さった方も。多摩・八王子江戸東京野菜研究会のメンバーの方達の緑のTシャツが目を引きます(私も持っているのですが忘れてしまいました)。

やがて、江戸東京野菜コンシェルジュ協会理事の上原恭子さん(野菜ソムリエ)の手によるサラダが出来上がりました。
 特製ドレッシングも含め、文旦がふんだんに使用されています。これは上原さんのお知り合いの高知の生産者の方のものだそうです。
 菜花の黄色も目に鮮やか。ソーセージやチーズをトッピングして頂きます。

サラダが完成したところで、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の納所二郎理事長の音頭で乾杯。
 ソフトドリンクの他に持ち寄りのワインやウイスキーなど。
 サラダは春の香りです(上原さん、ワインもご馳走様でした)。

この間、2つの大鍋で野菜スープが準備されています。
 これを担当して下さったのは、チェリオ(東京・小金井市)のオーナーシェフ・滑川一美さん。牛乳も入りぐつぐつと煮込まれて柔らかくなった春野菜を、たっぷりと頂くことができました。
 温まりました。ご馳走様でした!

いよいよピザ作り。
 磯沼牧場の牛乳を使って丸めておいた生地を麺棒で延ばし、好みのトッピング。色も鮮やか。個性も出ます。

磯沼さんが鉄皿に入れて窯の中へ。窯は溶岩で作られており、燻製ができるスペースも付属しています。
 強い火力で、たちまちピザが焼きあがりました。窯から出したとたんに香ばしさが鼻をくすぐります。

お腹が満足した(食べすぎ!)後は、牧場を見学させて下さいました。
 先ほどもみた子牛の牛舎から。
 様々な色の牛がいます。この牧場ではホルスタイン種、ジャージー種、ブラウンスイス種、エアシャー種、ガンジー種が飼われているとのこと。

坂道を丘の上に登っていくと、広々とした光景の中に放牧されている牛の姿。
 子どもたちが競うように野の草を与えてはしゃぎます。

さらに一段高いところにも放牧場。そこから下る途中の林の間でも放牧されています。

親牛たち(搾乳牛)の牛舎を見学し、最後は堆肥舎。
 ビール工場やコーヒー・チョコレート工場からの食品残渣を受け入れているそうです。
 この地に牧場があることで、これらが産業廃棄物にならずに資源として循環している様子を説明して下さいました。堆肥は一般向けにも袋入りで販売されているそうです。

磯沼牧場を訪ねたのは初めてでした(八王子ショウガのジェラードは頂いたことがありました)。東京都下に、予想していた以上の規模の大きな牧場があることに驚きました。
 しかも資源循環に取り組み、ヨーグルトやソーセージの加工を手がけ、それらの様子を地域住民や子ども達に開放されているのです。酪農教育ファーム認証牧場として、乳搾り体験等も受け入れているとのこと。

さらに今回は、江戸東京野菜とのコラボレーションにより、いっそう美味しくて楽しく、意義深いイベントとなりました。
 主催された福島さん、磯沼さん始め多くの皆さま、有難うございました。