【オーシャン・カレント】塩見直紀さん

塩見直紀(しおみ・なおき)さんは1965年、京都・綾部市の生まれ。
 33歳の時に退職して故郷にUターンされ、現在は半農半X研究所と綾部ローカルビジネスデザイン研究所の代表、福知山公立大学地域経営学部特任准教授、総務省地域力創造アドバイザー等を務めておられる方です。
 ご著書の『半農半Xという生き方』(ソニー・マガジンズ、2003)は海外でも翻訳され、講演やワークショップで全国各地を回っておられます。

塩見さんは、大手カタログ通販会社に勤めていた20歳代半ばに、環境問題と天職問題(いかに生きるか)という2つの難問に出会ったとのこと。そして、これらを解決する方策を追求するなかで「半農半X(はんのう・はんエックス)」というシンプルで新しい言葉(コンセプト)を創り出されました。

「半農半X」とは、持続可能な農ある小さな暮らしをベースにして(半農)、生きがい・天職を活かしつつ(半X)、個人と社会が調和しながらともによりよい方向へ進むために、微力であっても自分がその主役になる生き方を模索することだそうです。
 塩見さんは「半農半X」を、ご自身の「人生での思想的到達点」とも言われています。

ちなみに今でこそ移住や「田園回帰」という言葉がよく聞かれるようになりましたが、塩見さんが「半農半X」を提唱され始めたのは20年も前ですから、その先見の明には脱帽します。

去る3月19日(日)、東京・八王子市のクリエイトホールで「小さな農と生きがいのある人生-『半農半X』という生き方」と題する講演会が開催されました。
 前半は「半農半X」のコンセプトやそれが必要とされる背景など、理論的な(哲学的とも言える)講演、後半は「自分とまちの“エックス”をデザインする」ワークショップです。多くのキーワードを書き出し、これらを他の人と交換・組み合わせることによって、新しい自分づくり、まちづくりをデザインできるという内容です。

市町村から個人までの「X(=天職)」を応援する「ミッションサポート」と「コンセプトメイク」がライフワークという塩見さん。
 塩見さんに頂いた貴重なヒントやノウハウを活用しつつ、私も自分の「X」を探していきたいと思います。

[参考]
 塩見直紀さんブログ「半農半Xという生き方~スローレボリューションでいこう。」
  https://plaza.rakuten.co.jp/simpleandmission/
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-オーシャン・カレント」
  http://food-mileage.jp/category/pr/

F.M.Letter No.115, 2017.3/28掲載】