【オーシャン・カレント】楢葉町食生活改善推進員会

6月の食育月間に、毎年、優れた活動に対する全国表彰が行われています。
 今年(第4回)、ボランティア部門で農林水産大臣賞を受賞されたのが楢葉町(ならはまち)食生活改善推進員会です。原発事故の被災地である福島・浜通りで30年以上にわたって食生活改善の推進に取り組んで来られました。

 2011年の東日本大震災・原発事故により楢葉町でも全町民が避難し、一時、本会も活動の停止を余儀なくされました。
 しかし2014年には早くも活動を再開。特に地元住民の方々にとって重要かつ緊急な課題であった放射線と食の安全についての問題にも正面から取り組んでいます。

 具体的には、サロンやミニデイサービスの機会を捉え、専門家からの講話とともに、町の食品放射線検査所で検査した自家栽培の野菜を使った食事を調理し提供し、また、研修会を開催するなどして、住民の不安の解消と正しい知識の習得を目指しています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】コロナ禍と世界の穀物需給

(下記の農水省HPより)

日本は食料の多くを輸入に依存している(2018年度の食料自給率はカロリーベースで37%、生産額ベースで66%)ため、食料の安定供給面には様々なリスクがあります。
 例えば、短期的には干ばつ等の自然災害、輸出国の政情不安や港湾等でのストライキ等、長期的・構造的には地球温暖化等の気候変動、水需給のひっ迫、人口増加に伴う食料需要増加等があります。
 また、新たな感染症の発生や蔓延も大きなリスク要因であり、今般の新型コロナウイルス禍のなか、多くの人が日本の食料供給に不安を覚えるのも当然です。

 実は2008年頃、世界の穀物等の価格は大きく上昇し、国内でも小麦粉やマヨネーズ等が値上げされるなど大きな影響を及ぼしたことがありました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】閏月と自然のリズム

画像:高月美樹さん『和暦日々是好日』より

現在、広く使われている太陽暦(グレゴリオ暦)は、1582年にローマ教皇・グレゴリウス13世が制定したものです。
 世界共通の時間軸として合理的で便利ですが、一方で日付と曜日だけが意識されるなど、自然界のサイクルを感じにくいものとなっています。

これに対して和暦は、太陽と月の周期を併用した太陰太陽暦で、太陽のリズムで二十四節季等の季節が、月のリズムで日にちが分かる仕組みになっています。
 例えば各月の1日(朔日)は必ず新月、15日はほぼ満月で、夜空を見上げれば大体の日にちが分かります(個人的には月が細ってくると、あるいは満ちてくるとメルマガ原稿を作成しなければと焦ります)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】炭火焼居酒屋・裏馬場(東京・北品川)

東京・北品川は、江戸時代には東海道五十三次の最初の宿場町として栄え、現在も旧東海道沿いの商店街では街づくりが進められています。ゲストハウスもあり、毎年秋には「花魁道中」で有名な「しながわ宿場まつり」品川祭りも開催されています。
 その一画にあるのが「炭火焼居酒屋・裏馬場(うらばんば)」。炭火焼きに特化した焼き鳥やジビエ肉、焼き野菜等を頂くことができる居酒屋さんです。

鶏肉は鳥取県産の大山鶏、ジビエは和歌山・古座川町の鹿や猪を使用。
 現在、全国的に野生鳥獣害の被害が拡大しており、ジビエとしての有効利用が重要な課題になっていますが、このお店はその課題解決の一翼も担っています(臭みなどは全くなく、柔らかくて美味です)。
 ちなみに他の私のお気に入りは、自家製の鶏皮サラミとレバーロール、だし巻き卵など。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】新たな食料・農業・農村基本計画

本年3月31日(火)、新たな食料・農業・農村基本計画が閣議決定されました。これは食料・農業・農村基本法に基づき5年ごとに見直されているもので、今後10年間(2030年まで)の農政の指針となります。

 農業・農村は、食料の供給だけではなく、その営みを通じて国土保全等の役割を果たしていますが、現在、農業者の高齢化、農地の減少、人口減少による産業や集落の衰退など多くの課題に直面しています。
 このため、今回の基本計画の見直しにおいては、農業及び農村地域をいかに維持し、次代に継続していくかが大きな視点となりました。

 今回の計画では、食料自給率の目標(カロリーベース:2018年37%→2030年45%、生産額ベース:同69%→79%)に加えて、新たに輸出目標(同0.9兆円→5兆円)を掲げるなど、国内農業の生産基盤を強化する(農業政策)とともに、車の両輪として、活力ある農村地域の実現(農村政策)に取り組んでいくこととされています。
 食育や地産地消、関係人口の創出・拡大、半農半X、棚田地域の振興等にも触れられています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】生産者とつながるということ

食料の安定供給については様々な制度・事業等により確保されているとはいえ、生活者としては、生活の基盤である「食」に対する安心感をより強く得たいと思うのは当然のことです。
 私は、必要な食料の全てではなく一部でも、生産者と直接つながることによって調達することがで、大きな安心感を得ることにつながると考えます。
 産消提携や CSA(Community Supported … 続きを読む

【オーシャン・カレント】花いっぱい応援プロジェクト

例年3月は、卒業式や送別会等のイベントやお彼岸需要により、花きの需要が最も高まる時期のひとつです(「花き(卉)」とは、切花や鉢花など観賞用の植物のこと)。

 しかしながら本年は、新型コロナウイルスの影響で各種イベントが中止されること等により、花きの需要が落ち込んでいます。
 このため、農林水産省では家庭や職場での花飾りや花の購入促進のキャンペーンを実施しています。

 具体的には、ホワイトデーを含む花を贈ったり胸ポケットに生花のコサージュを挿す取組みの推進・推奨、イベント等の開催自粛で余剰になった花を産地の生産者と連携しての販売、庁舎内や公共スペースでの花飾りのほか、公式SNSを通じた情報発信等を行っています。
(九州農政局作成のYoutubeはこちら)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】桜と日本文学

  (福島・富岡町 夜ノ森)

古来、多くの和歌や俳句、小説に様々な桜が描かれています。それらは桜自体を描写したというよりは、作者の心情を反映したものです。
 以下、そのごく一部を紹介してみますが、これらを読むと、やはり日本人にとって桜は特別な花なのかも知れません。

「あしひきの … 続きを読む

【オーシャン・カレント】葛力創造舎(福島・葛尾村)

阿武隈山地の山間部に位置する福島・双葉郡葛尾村(かつらおむら)は、東日本大震災前の時点で人口約1500人と、1950年代からすでに半減していました。

 そこに大震災と原発事故が発生。全村避難を強いられ、居住人口は一時ゼロとなりました。
 その後、2016年6月にはほとんどの区域で避難指示は解除されたものの、現在も居住人口は移住者を含めて400人程度にとどまっています。

 そのような過疎・高齢化が深刻化している葛尾村において、持続可能なコミュニティづくりのために取り組んでいるのが、一般社団法人 葛力創造舎(かつりょくそうぞうしゃ)です。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】ゴホウビダイナー

祖師ヶ谷大蔵駅(小田急小田原線、世田谷区)の近隣には、かつて円谷プロダクションがありました。
 それにちなんで北口広場にはウルトラマン像があり、駅周辺の商店街はウルトラマン商店街と呼ばれています。

 その賑やかな通りを2分ほど北へ歩いたところに、ゴホウビダイナーはあります。
 国産ハンバーガーを中心とした料理を、国産クラフトビールとともに楽しめるお店で、店名には「がんばった自分や大切な人への“ご褒美”として楽しい時間を過ごして欲しい」という思いが込められているそうです。

 店主の齊藤星児さんは福岡県の出身。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】NPO 高田暮舎(岩手・陸前高田市)

岩手県の東南端、宮城県に接する陸前高田市は、東日本大震災の津波で大きな被害を蒙りました。
 震災直後から多くのボランティア等が入り、なかにはやがてリピーターとなり、あるいは移住された方もいます。

 そのような陸前高田市において、2017年5月、特定非営利活動法人 高田暮舎(たかたくらししゃ)が誕生しました。設立に関わったのは、震災後に都会からUターン、Iターンした若い方達が中心です。

 掲げるミッションは「ポジティブな過疎地を創る!」。  … 続きを読む

【オーシャン・カレント】石井一也先生(香川大)

石井一也先生は1964年東京・足立区生まれ。
 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程を修了し、スタンフォード大学経済学部客員研究員等を経て、現在は香川大学法学部教授(博士(経済学))。

脱成長ミーティング公開研究会

 経済学を専門とされる石井先生の主な研究対象は、マハートマ・ガンディー(1869~ 1948)です。ガンディーは、非暴力・不服従運動を通じて旧宗主国・イギリスからの独立を指導した「インド独立の父」で、経済学者ではありません。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】(一社)マチモノ

貴重な森林資源は都市部にもあります。
 それに着目してユニークな活動をしているのが、(一社)街の木ものづくりネットワーク(マチモノ)です。

 マチモノのミッションは、街のなかにある木を、身近な自然から得られる恵み(資源)として意識し、学び、有効活用することを通じて、街に住む私たちの生活をもっと楽しく、もっと豊かにすること。
 街では、日々、多くの木(庭木、街路樹、公園木等)が伐られています。伐採された木のなかには、チップ化など現状の処分方法以外にも木材として活用できるものもあり、これでは資源としてもったいないだけではなく、共に生きてきた街の木の思い出が人々の記憶から完全に喪われることにもなります。

 そこでマチモノは、前身の任意団体の頃から、街の木と、その周りで暮す人々との多様なチャンネルづくりのための様々な取組みを始めました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】榊田みどりさん

榊田みどりさんは秋田県のご出身。
 東京大学大学院(総合文化研究科修士課程)を修了後、生協勤務を経て、1990年からフリーの農業ジャーナリスト(「農政ジャーナリスト」ではありません)。
 明治大学客員教授、農政ジャーナリストの会副会長、NPO法人コミュニティスクールまちデザイン理事のほか、農水省の各種検討会の委員等を務められ、多くの著作もあります。

 農業県の秋田で生まれ育ったものの、農業との接点はほとんどなかったという榊田さん。大学進学のために上京した後、都市部の消費者と生産現場の遠さを実感するようになったことが、農業に関心を持つようになったきっかけだったそうです。
 何とかその距離を縮められないか、また、自分も食べているものの生産者や産地のことを知りたいと思い、生協に就職して産消提携に携わるようになりました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】大嘗祭

今週、米と稲作に関わる最も重要な儀式とされる「大嘗祭」(だいじょうさい)が行われます。
 毎年秋、その年の収穫を喜ぶ宮中祭祀が新嘗祭(にいなめさい)ですが、新たに即位した天皇が初めて行う新嘗祭のことを特別に大嘗祭と呼びます。
 皇位継承に伴う一世に一度の儀式として皇室行事の中でも最も重要なものと位置づけられており、7世紀後半の天武天皇以来の伝統があります(もっとも戦国時代から江戸時代にかけて221年間にわたって中断した期間もあります)。

 本年5月には大嘗祭に用いる米の産地を定める「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」が行われ、東の悠紀(ゆき)地方として栃木・高根沢市、西の主基(すき)地方として京都・南丹市の水田が選ばれ、9月27日にはそれぞれ「斎田抜穂(さいでんぬきほ=収穫)の儀」が行われました。
 また、絹服(にぎたえ=絹の反物、愛知)と供服(あらたえ=麻の反物、徳島)のほか、47都道府県特産の農林水産物も「庭積机代物(にわづみのつくえしろもの)」として供えられます。… 続きを読む