【オーシャン・カレント】CSまちデザイン

NPO法人 コミュニティスクール(CS)・まちデザイン(東京・世田谷区)が活動の中心に据えているンセプトは、「食農共育(ともいく)」。
 これは、食(消費)と農(生産)をつなぎ、生産・流通・消費のトータルな視点をもって、それぞれにかかわる人びとがともに学びあい、知恵を出し合うという考え方です。

このコンセプトの下、CSまちデザインでは、親子で農を体験し農の大切さを実感するなど学習の場の提供、「一人ひとりの食べ方が未来の地球環境を決めるのだから、食べものの選択と食べ方についてもっと大切に考えよう」と呼びかける授業の実施、過去の食文化から現在に活かせる食の知恵や工夫を学ぶ等の様々な市民講座やセミナーを実施しています。
 私も会員となっており、様々な市民講座等で多くの学びを頂いてきました。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】「プレミアム消費」は増加するか

(株)野村総合研究所「生活者1万人アンケート」(2021年8月)より。

(株)野村総合研究所(本社:東京・千代田区)は、2021年8月、生活価値観や消費実態についての「生活者1万人アンケート」を実施しました。なお、本アンケートは1997年以降3年毎に実施しており、今回が9回目となります。

その結果によると、日本人は景気先行きを悲観する一方でウィズコロナの新しい生活様式に一定の充実感を見出していること、ワークライフバランスへの意識の高まり、インターネットショッピングの利用者の増加等が明らかにされています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】米の価格は上昇に転じるのか

出典:農林水産省「相対取引価格の推移」
 https://www.maff.go.jp/j/press/nousan/kikaku/attach/pdf/220916-2.pdf

米については、JA全農(全国農業協同組合連合会)等の出荷業者と卸売業者等との間で、年間を通じて相対(あいたい)取引が行われており、その価格は米の取引価格の代表的な指標となっています。

農林水産省のプレスリリースによると、2022年8月分の相対取引価格(21年産、速報)は、1俵(60キログラム)あたり全銘柄平均で1万2,714円と、近年では珍しく、前月に比べてわずかながら(121円、1%)上昇しました。
 しかし、これは前年同月(20年産)に比べると8%下落しており、21年産の平均値(昨年の出回り期から10月まで)では20年産に比べて12%(1,694円)と大きく低下しています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】NPO エコラボ(石川・金沢市)

金沢市を拠点に、地域の関係者と連携しつつ、幅広い体験型の環境学習を実施している市民(実践者)の集まりです。
 地元農園との協働による「育てて食べる環境配慮型農業」の体験、再生可能エネルギー活用と被災時の備えのためのソーラークッキング、生産現場から買い物、調理までを視野に入れた食品ロス削減(ごみゼロアクション)など、幅広い活動を行っています。。
 いずれも、食の生産から流通、消費、廃棄に至るすべての過程において環境負荷を低減するという視点が重視されており、フード・マイレージの考え方も活用して下さっています。

2022年度(第6回)食育活動表彰事業(農林水産省主催)では、これらの活動が評価され、最高賞である農林水産大臣賞(教育等関係者の部)を受賞し、6月に愛知・常滑市で開催された食育推進全国大会で表彰式等が行われました。
 代表の中村早苗さんは「地域の食の恵みを活かし、多様な方々との連携をいただきながら、次世代の幸福につながる環境食育の活動を充実していきたい」と語っておられます。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】国連WFP「ハンガーマップ」

「ハンガーマップ」は世界の飢餓の現状を分かりやすく示した世界地図で、世界最大の食料支援機関である国連世界食糧計画(WFP)が毎年作成しているものです(最新版は2021年のもの)。

全人口に占める栄養不足人口の割合(2018〜20年平均)が色分けして示されており、人口の35%以上が栄養不足という濃い赤色に塗られている国は、コンゴ民主共和国、中央アフリカ、ソマリア、マダガスカルなど中央/東アフリカに集中していることが一目でわかります。
 また、イラク、イエメン、北朝鮮も濃い赤色で塗られています。

ハンガーマップは、以下の国連WFCのホームページ(日本語)からダウンロードできます。私もA4版で印刷し、居室の鏡の隣りに貼って毎朝眺めています。

(参考)国連WFP「ハンガーマップ2021」… 続きを読む

【オーシャン・カレント】松郷開拓地(埼玉・所沢市)

(2022.8/8、筆者撮影)

戦後の深刻な食料不足に対処するため、政府は全国各地で緊急に開拓事業を実施することとなりました。
 筆者の住いの近隣にある埼玉・所沢市(当時は所沢町、柳瀬村)においても、旧陸軍所沢飛行場跡地を含めて開拓が進められました。そのなかでも松郷(松井地区)は、最も規模の大きな開拓地の一つでした。

現在、その地には「松郷開拓の碑」があります。開拓30周年を記念して昭和五十二(1977)年に建てられたものです。
 碑文によると、昭和二十一(1946)年の夏、県から平地林を入植者等に解放するという提案がなされ、防災面等から平地林の伐採に反対する地主との2年以上の話し合いを経て、翌々年十月、入植者30名、地元の増反者150名に対して農用地90ha、防風林用地40ha等を配分することが決定されたとのこと。なお、電気が通ったのは、さらに5年後だったそうです。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】地域農政未来塾

全国の町村の連合組織である全国町村会(本部:東京・千代田区永田町)が開講している「地域農政未来塾」は、農業・農村を取り巻く環境が大きく変化するなか、自ら地域の課題に気づき、学び、考え、提案し、そして実行できる町村職員を養成することを目的としています。

6期目となる2022年度は、公募で選ばれた全国からの18名の受講生が参加し、来年2月にかけて計7回の講座やゼミが開かれています。
 塾長は生源寺眞一先生(福島大学教授・食農学類長)。少人数に分かれてのゼミを担当する主任講師は、小田切徳美先生(明治大学農学部教授)、榊田みどりさん(農業ジャーナリスト・明治大学客員教授)、荘林幹太郎先生(学習院女子大学副学長・教授)、中嶋康博先生(東京大学大学院教授)の4名。
 他にも、それぞれの分野での第一人者である30名近くの講師陣による講義も行われます。

私も榊田さんのゼミを少し協力させて頂きましたが、受講生は意欲的な方ばかりでした。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】第11回 経済・財政・金融を読む会

(一社)ピープルズ・プラン研究所(PP研)では、経済・財政・金融の分野で注目される著作の「読書会」を定期的に開催しています。
 7月30日に開催予定の第11回では「食」に関するテキストを取り上げることとなり、僭越ながら、私が報告(解題)させて頂くことになりました。
 ご関心のある方の参加申し込みをお待ちしています。

○ 第11回 … 続きを読む

【オーシャン・カレント】検索マップ「未来を変えるパン」

食料自給率向上のような大きな課題は、国(政治や行政)が取り組むべきもので、自分にできることはせいぜい国産や地元産の食べものを選ぶこと(それはそれで大切なことですが)位しかないと思っている人も多いと思われます。
 しかし、個人の立場で、食料自給率向上に正面から取り組んでいる方もおられます。

その一つが「未来を変えるパン」。
 国産小麦のパンを扱っている全国のパン屋さんの検索マップで、現在、北海道から九州まで121店舗が登録されています。
 フードロス削減や地産地消に配慮しているパン屋さんの新規登録の受け付け、小麦生産者とパン屋さんとの橋渡し等も行っており、また、フォーラムやセミナー、小麦畑ツアー、麦踏み体験会等のイベント情報も掲載されています(「情報ひろば」欄参照。去る6月5日の麦刈りイベントには、私も参加させて頂きました)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】小農学会オンラインセミナー「フード・マイレージ最前線」

食料の輸送量に輸送距離を乗じたフード・マイレージは、もともとは食料輸送に伴う環境負荷の大きさ(CO2排出量)を把握するために開発された指標ですが、最近のパンデミックやウクライナ危機のなかで、食料の安定供給(安全保障)を考える際のヒントとなるものとしても注目されています。
 以下により、6月17日(金)、小農学会オンライン定期セミナー(zoom)で話題提供させて頂きますので、食料や一次産業に関心のある方のご参加をお待ちしています(参加費無料)。

日時:2022年6月17日(金)19:30〜21:00
  19:30〜 開会、中田からの話題提供「フード・マイレージ最前線」(仮題)… 続きを読む

【オーシャン・カレント】高値が続くたまねぎ

農林水産省は、毎週、小売店における主な野菜価格の動向を調査し公表しています。
 具体的には、キャベツ、ねぎ、レタス、ばれいしょ、たまねぎ、きゅうり、トマト、にんじんの8品目を対象に、毎週1回、各都道府県10店舗の量販店(全国470店舗)を調査員(農林水産省が委託する民間調査機関の調査員)が訪問して調査しているものです。

去る5月24日に発表された最新の調査結果によると、5月16日の週(16〜18日)のたまねぎの小売価格(全国平均)は1kg当たり550円と、前週に比べると5%低下したものの、平年(過去5年平均)の2.2倍という高い水準で推移しています。
 これは、最大の産地である北海道において、昨年夏の干ばつの影響で収穫量が減少したことに加え、後続産地である佐賀など西日本産地においても低温や干ばつの影響で肥大が進んでいないためです。また、作付けを中止した高齢農家等が多かったことも影響しているとも言われています。
 さらに、輸入価格についても、最大の輸入相手国・中国のロックダウンの影響により上昇しています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】若年ママ応援シェルター「おにわ」

昨年(2021)10月1日、沖縄本島中部に若年ママの出産・子育てを応援するシェルター「おにわ」がオープンしました。
 DV等を避けるために一人で赤ちゃんを産んで育てることになった若いママ達(10代の妊娠8か月から赤ちゃんの生後100日までの方)に、出産の前後を過ごす場所を24時間体制で提供する取組みです。
 琉球大学の上間陽子さんと本村真さんが共同代表となり、琉球大学附属病院や助産師さん(寮母さん)がサポートする体制になっているとのこと。

『裸足で逃げる』『海をあげる』等でも知られる上間さんは、風俗業界で働き、暴力を受け、若年出産するなど、凄惨としか言えないような生き方をしている少女たちへのインタビューを続けるなか、調査・研究に留まらず、自ら社会の中に「避難できる場所」をつくる決心をされました。
 その時の思いを、上間さんは、「私の手にあまる。でもつくらないときっとたぶん後悔する。間に合わなかった子たちもいる。それでも動けばなにかは変わる。なにかが変われば、これから間に合うこともあるだろう」とエッセーに記されています。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】特別講座・著者に尋ねる『フード・マイレージ』

自己PRで恐縮です。
 5月12日(木)19時から、第6回「市民科学特別講座・著者に尋ねる」(NPO市民科学研究室主催)で、拙著『フード・マイレージ[新版]』(2018.1、日本評論社)を取り上げて下さいます(オンライン)。

 当日は、フード・マイレージの概要(定義、計算結果、限界・問題点等)、食生活と地球環境問題との関わり(地産地消の効果)、フード・マイレージの現代的意味(パンデミックや国際紛争に伴う国際物流の混乱、食糧安全保障の重要性等)等について話題提供し、参加者との間で意見交換させて頂く予定です(事前に質問も受け付けています)。… 続きを読む

【オーシャン・カレント】過去最高値を更新するFAO食料価格指数

−過去最高値を更新するFAO食料価格指数−

FAOのウェブサイトより。https://www.fao.org/worldfoodsituation/foodpricesindex/en/

去る4月8日、国連食糧農業機関(FAO)が公表した2022年3月の世界の食料価格指数(2014〜16年=100)は159.3と、前月の141.4から17.9ポイント(12.6%)上昇し、1990年の集計開始以来、2か月連続で最高値を記録しました。

穀物は前月から17.1%上昇しており、特に紛争のためウクライナとロシアからの輸出が混乱していること等から小麦は19.7%、とうもろこし等の粗粒穀物は20.4%と高騰しています。… 続きを読む