【オーシャン・カレント】「能登はやさしや土までも」

【ポイント】
 やさしいはずの能登の大地が、今回は牙をむきました。被災地では、厳しい現実を前に被災者同士が助け合っている様子も報じられています。

国立国会図書館デジタルコレクションより。

「能登はやさしや土までも」という美しい言葉があります。
 能登では人だけではなく風土までも優しいという意味ですが、現実には深い雪に閉ざされるなどの厳しい自然環境の下で、互いに支えあいながら暮らしてきた能登の人びとの強さと温かさを表している言葉です。
 初出は元禄九(1696)年の加賀藩士・浅加久敬の紀行文『三日月の日記』だそうです。浅加は険阻な峠道を行く馬子の笑顔を見て、杵つき歌にある「能登はやさしや土までも」とはこのことかと思ったと記しています。同じ歌詞は童謡にもあるなど、能登地方には古くからあった言葉のようです。

そのやさしいはずの大地が、今回は牙をむきました。被災地からは、厳しい現実と同時に、被災者同士が助け合っている様子も報じられています。今は思いを馳せることしかできません。

参考:
 レファレンス協同データベース
 「能登はやさしや土までも」の言葉の原典について(金沢市図書館)
 https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000190040

ちなみに『三日月の日記』の原本(『能登路の旅.続』所収)は、利用登録すれば国立国会図書館デジタルコレクションで無料で閲覧することができます。
 https://dl.ndl.go.jp/pid/1226241

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
  No.283、2024年1月11日(水)[和暦 師走朔日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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