【オーシャン・カレント】東京食肉市場・芝浦と場

【ポイント】
 品川駅からほど近い東京食肉市場・芝浦と場に併設されている「お肉の情報館」には、食肉の歴史と人権についての展示もあります。多くの方に訪ねて頂きたい場所です。

写真は「お肉の情報館」HPより。

JR品川駅の港南口(東口)から徒歩5分ほどのところに、日本最大の取引規模を誇る東京都中央卸売市場食肉市場があります。このセンタービル6階にある「お肉の情報館」を訪ねたのは、昨年12月18日(月)のことでした。
 東京食肉市場・芝浦と場の歴史、と畜・解体作業の流れ、衛生検査や市場取引の仕組み等について、パネルや模型等により分かりやすく展示・説明されています。と畜・解体作業の様子はビデオで見ることもできます(なかなかショッキングな映像です)。

足が止まったのは、「食肉の歴史と人権」のコーナーです。
 食肉市場(と畜場)や、そこで働く人たちを誹謗・中傷するはがきや手紙が展示されていたのです。「残酷で人間のやる仕事じゃない」など、詳しく紹介できないほどの酷い言葉が綴られています。なかには子どもが書いたと思われるものもありました。
 ほとんどの日付は平成以降のもので、近年はインターネットへの誹謗・中傷の投稿も増えているそうです。現在も食肉処理に対する根強い差別や偏見が払拭されていない数々の証拠をみて、正直、これほど酷いものかと驚くとともに、大きな衝撃を受けました。
 なお、すぐ隣には市場を見学した小学生たちの感想文が掲示されていて、市場で働く人たちへの感謝の気持ちなどが綴られていることに救われる思いがしました。

美味しくお肉を頂きながら、牛や豚をと畜することを、残酷、可哀そう等と偏見を持っているような社会は、人権の面からも問い直される必要があることは言うまでありません。
 なお、お肉の情報館は平日の10〜18時開館、自由に見学できます。多くの方に訪ねて頂きたいと思います。

[参考]
 東京都中央卸売市場食肉市場 「お肉の情報館」案内
 https://www.shijou.metro.tokyo.lg.jp/syokuniku/rekisi-keihatu/rekisi-keihatu-03-01/

出典:
 F.M.Letter-フード・マイレージ資料室 通信-pray for peace.
 No.284、2024年1月25日(木)[和暦 師走十五日]
  https://www.mag2.com/m/0001579997.html
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