【豆知識】高まる都市住民の「田園回帰」願望

内閣府では、政府の施策に関する国民の意識を把握するため、毎年度10本ほどの世論調査を実施しています。また、間隔をおいて同様の調査を実施することによって、国民意識の過去からの変化の様子をみることもできます。

2014年6月には「農山漁村に関する世論調査」が実施されました。
 これは、農山漁村に関する国民の意識を把握し今後の施策の参考とすることを目的として実施されたもので、農村や中山間地域の役割、都市と農山漁村の交流の必要性、都市住民の農山漁村地域への定住願望の有無等について調査がなされました。
 なお、調査対象は全国の市区町村に居住する満20歳以上の3,000人です。

このなかで、都市住民の農山漁村地域への定住願望の有無について調査した結果がリンク先の図70です。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/03/70_teiju.pdf

これは、居住地域に関する認識について「都市地域」「どちらかというと都市地域」と答えた者 (都市住民、1,147人)に、農山漁村地域に定住してみたいという願望があるかどうかを聞いたもので、全体では「ある」とする者が31.6%、「ない」とする者が65.2%となっています。 これを前回の調査結果(2005年11月)と比較すると、「ある」とする者が11ポイント上昇する一方、「ない」とする者は逆に11ポイントほど低下していることが分かります。
 次に定住願望がある者の割合を性別にみると、男性36.8%、女性26.7%と男性の方が高くなっており、年齢階層別では20~29歳層が38.7%と最も高くなっています。
 なお、いずれの数値も前回よりも上昇していること分かります。

このように都市住民の約3割は農山漁村地域への定住願望を有しており、しかもその割合は約10年前と比べても若い男性を中心に高まっています。都市住民の「田園回帰」願望は、強いものとなっていると言えます。
 なお、本調査では「定住願望実現のため必要なこと」等についても調査されており、6 割以上が「医療機関 (施設)の存在」「生活が維持できる仕事があること」が必要と回答しています。

[参考]
 内閣府大臣官房政府広報室「農山漁村に関する世論調査」(2014年6月調査)
  http://survey.gov-online.go.jp/h26/h26-nousan/index.html
 ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
  http://food-mileage.jp/category/mame/

F.M.Letter No.115, 2017.3/28】掲載