【豆知識】原子力被災12市町村の営農再開面積割合の推移

【ポイント】
 原子力被災12市町村における営農再開面積の割合は全体で49.7%。市町村別にみると、避難指示開所の時期や帰還状況(居住率)による差が大きくなっています。

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所では3基の原子炉が同時に炉心溶融(メルトダウン)をするという、世界最悪レベルの事故となりました。これにより大量の放射性物質が拡散され、福島・双葉郡を中心とする12市町村に避難指示が発出されました。
 リンク先の図303は、原子力被災12市町村の2011年12月末時点の営農休止面積に対する、営農を再開した面積の割合の推移を示したものです。
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【豆知識】消滅(無人化)の可能性がある集落の割合

【ポイント】
 人口が特に少ない、あるいは高齢化が著しい集落については消滅可能性が高くなっているものの、全国的に多くの集落が消滅するといった状況はみられません。

中山間地域など過疎地域では人口の減少、高齢化が進行し、近い将来に消滅する恐れのある「限界集落」が全国的に増加していると言われています。
 リンク先の図303は、過疎地域において消滅(無人化)の可能性がある集落の割合を類型別に示したものです(市町村を通じたアンケート結果)。
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【豆知識】過疎化・高齢化が進む中山間地域

【ポイント】
 大都市圏への一極集中が進む中、中山間地域等においては過疎化、高齢化が進行しており、その不均衡はさらに拡大することが懸念されます。

東京都など大都市圏への過度の人口・経済の一極集中が進む中で、中山間地域等においては人口・世帯数が減少するとともに、高齢化が進行しています。
 リンク先の図302は、国勢調査の市町村別の数値を農業地域類型別に組替え集計した結果です。
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【豆知識】農業生産資材価格の高騰

【ポイント】
 農業生産資材の価格は2021年頃から高騰し、現在も高い水準で推移しています。これらコスト上昇分は、農産物価格には十分には反映(転嫁)されていません。

肥料、飼料等の農業生産資材の価格は、国際需給の引き締まり、円安の進行、ウクライナ危機等の影響により、2021年半ば以降、大きく上昇しています。
 リンク先の図301は、2020年以降の主な資材価格指数の推移を示したものです。
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【豆知識】農林水産業総生産の国際比較

【ポイント】
 日本の農林水産業の総生産は、先進国の中ではアメリカに次いで2位ですが、為替レートの影響もあり、他国と異なり一貫して減少しています。一人ひとりが将来の農業や食料供給のあり方について考えていく必要があります。

日本における農林水産業の地位について、国際的な比較を試みました。
 リンク先の図300は、国際連合の統計を用いて、主な先進国(G7各国及びオーストラリア、韓国、オランダ)の農林水産業の総生産(付加価値ベース)と、GDP(国内総生産)に占めるシェアの推移を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/09/300_GDP.pdf続きを読む

【豆知識】食料自給率の目標と米の消費量

【ポイント】
 過去5回の基本計画における食料自給率の目標は、一度も達成されたことはありません。その主な原因は、想定していた以上に米の消費量が減少したことにあります。

本年6月の食料・農業・農村基本法の改正を受けて、年度内に新たな食料・農業・農村基本計画が策定されることとなっており、近く審議会における検討作業も開始されます。
 基本計画は過去5回、5年ごとに策定(閣議決定)されてきており、法の規定に基いて、毎回、10年後の食料自給率(カロリーベース及び生産額ベース)の目標が設定されています。しかしながら、特にカロリーベースの自給率については、これまで目標を下回る水準のままで推移してきています。

リンク先の図298の上半分の折れ線グラフは、1960年以降のカロリー(供給熱量)ベースの食料自給率の推移を示したものに、過去5回の自給率の目標値をプロットしたものです。… 続きを読む

【豆知識】注視される8月の新潟県の気候

【ポイント】
 新潟県では、昨年の猛暑と水不足により米の品質が大きく低下しました、本年も昨年と同様、猛暑が続いており、8月の気候が気掛かりです。

昨年産の全国の米の作況指数は101と平年並み、1等米比率は60.9%(本年3月末時点。2022年産は78.5%)となりました。しかし都道府県別にみて最もシェアの大きい(8.3%)新潟県では、作況指数は95の「やや不良」となり、一等米比率は14.8%(2022年産は73.9%)と大きく低下しました。これが現在の米価格「高騰」の背景となっています(前号参照)。
 新潟県においては、昨年12月、有識者によって構成される研究会が要因分析と次年度以降の対策についての報告書を公表しました。これによると、品質低下の要因は“災害級の異常気象”ともいえる8月の高温と渇水とのことです。
 リンク先の図297は、一昨年末から今年7月にかけての新潟県内の4か所(高田(上越市)、十日町市、新潟市、相川(佐渡市))の気温と降水量等の推移を示したものです。… 続きを読む

【豆知識】「高騰」する米価格

【ポイント】
 米価格「高騰」等の報道が目立っていますが、過去の推移をみると現在の水準が安定的に継続するとは思えず、何より、生産コストを賄えていない状況が続いています。

7月16日に農林水産省が発表した6月の米の相対取引価格(2023年産米、全銘柄平均、速報)は、玄米60kg当たり1万5,865円となり、約11年ぶりの高値となりました。22年産米の通年平均価格と比べると約2000円(15%)上昇しています。某全国経済紙には「令和の米騒動か」などという不穏な見出しまで現れました。
 価格「高騰」の背景には、高温被害により23年産米の供給量が少ないことに加え、インバウンド(訪日外国人)による外食需要の拡大があるとされています。

それでは、現在の米の価格水準はどの程度高いのでしょうか。… 続きを読む

【豆知識】出生率が高い市区町村の特徴

【ポイント】
 出生率上位20位の市区町村は、人口が過度に集中していない、単独世帯が少ない、農林漁業のウェイトが大きい等の特徴があります。

本年6月の厚生労働省の公表によると、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は、2023年で1.20と過去最低を更新しました。これと市街化との関連を都道府県別にみたのが前号の分析でした。
 https://food-mileage.jp/2024/07/03/mame-294/

今号では、本年4月に公表されている2022年の市町村別の出生率を用いて、上位20市区町村の特徴を様々な指標から明らかにすることを試みました。リンク先の図295は、各種指標について、出生率の上位20市区町村と、全国平均、下位20市区町村を比較したものです(上位/下位の具体的な市区町村名等は図の脚注をご覧ください)。… 続きを読む

【豆知識】出生率と都市化との関連

【ポイント】
 全国平均で過去最低を更新した合計特殊出生率は、東京都をはじめとする大都市部では特に低くなっています。

本年(2024)6月5日(水)、厚生労働省は「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表しました。
 それによると、出生数は過去最低で17年連続で死亡数を下回るなど人口減少のペースが加速していることが明らかになり、また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」(以下、「出生率」)は1.20となり、過去最低を更新しました。
 出生率低下の原因には様々なものあると考えられますが、リンク先の図294は、出生率と、市街化区域内にある世帯の割合を都道府県別に示したものです。… 続きを読む

【豆知識】消費者の「食の志向」、有機食品のイメージ

【ポイント】
 近年における日本の消費者はますます節約志向を強めており、有機食品については健康、安全といった「利己的な」動機で購入している状況が伺えます。

(株)日本政策金融公庫は、2010年以降、年2回(1月、7月)、消費者の「食の志向」についてアンケート調査を実施しています(リンク先の左側の図293-1)。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/06/293_shouhi.pdf

直近(2024年1月)においては、健康に配慮したいとする「健康志向」が45.7%と最も高く、次いで「経済性志向」(食費を節約したい、40.8%)、「簡便化志向」(料理や後片付けの手間・時間を省きたい、38.2%)となっています(複数回答、上位2つ)。… 続きを読む

【豆知識】小規模層で重視されている「管理」労働

【ポイント】
 小規模層では「田んぼの見回り」等の管理作業に多くの時間が費やされており、丁寧な稲作が行われていることが伺えます。

日本農業の平均規模は約3haと、アメリカ180ha、イギリス80ha、EU(27か国)17ha等と比べて狭小であることから、規模拡大等による労働生産性の向上が課題とされています。
 米の生産コスト(10a当たり全算入生産費)をみると、作付規模15ha以上層では平均を23%下回っており、特に労働費(コスト全体の21%)は平均を41%下回っているなど、規模拡大の効果が見られます。
 リンク先の棒グラフは、米の作業別の労働時間を作付規模別にみたものです。… 続きを読む

【豆知識】消滅集落跡地で放置される森林、農地

【ポイント】
 過疎地域等における消滅集落跡地では、森林や農地の半分以上が「放置」されている現状にあります。

総務省が全国の過疎地域等1,045市町村を対象に実施した調査(2020年3月)によると、2015年以降に全国の96市町村で164集落が消滅しています。リンク先の図290は、この消滅した集落の跡地における主な地域資源の管理状況を示したものです。
 https://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2024/04/290_kanri.pdf

これによると、集落が消滅した後でも道路は86%、用排水路は70%が管理され続けており、管理主体は主に行政となっています… 続きを読む

【豆知識】農村地域の持つ役割に対する意識

【ポイント】
 大都市の居住者は、食料供給や良好な景観形成等の農村の役割は高く評価しているものの、積極的に過疎地域に行って協力しようとする意識は低いものとなっています。

内閣府では、テーマを変えつつ「農山漁村に関する世論調査」を定期的に実施しています。2021年6月には、農村地域の持つ役割や、都市地域と農山漁村地域の交流についての意識についての調査が行われました。
 調査対象は全国18歳以上の者3,000人で、有効回収数は1,655人(55.2%)です。
 リンク先の図289は、農村地域の持つ役割等に対する回答を都市階級別に示したものです。… 続きを読む