【豆知識】東京農業の特徴と底力

国土の0.6%の面積に総人口1割強が集中する東京都。東京都民の食生活を賄うために、都外から多くの農産物が移入されています。東京都の食料自給率はカロリーベースで1%、生産額ベースでも3%と、いずれも都道府県の中で最も低い値です。
 東京都は農業からもっとも縁遠い都道府県というイメージがありますが、実は306億円もの農業産出額があります(2016年)。

リンク先の図81の左の横棒グラフは、東京都の農業産出額の構成比を全国と比べたものです。
  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/09/81_tokyo.pdf

これによると、東京農業は米や畑作、畜産の構成比が小さい一方で、野菜の構成比が特に大きく、果実や花きも全国平均に比べて高くなっています。… 続きを読む

【豆知識】食料の海外依存率の推移


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戦後から復興し経済の高度成長を遂げた現在の私たちは、時に「飽食」と呼ばれるほどの豊かな食生活を送っていますが、その大きな部分は海外からの輸入に依存しています。
 そのような事情を表すのに一般的に用いられるのは食料自給率ですが、ここでは「食料の海外依存率」という指標を紹介します。
 これは100からカロリーベースの食料自給率の数値を差し引いたもので、日本の場合は62%(2016年度、自給率は38%)となり、輸出国はマイナスとなります。
 なお、食料自給率という言葉には、日本は100%自給を目指しているかのように感じられるとする外国人研究者もいます。… 続きを読む

【豆知識】米の配給量と戦後の米消費の推移


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戦時経済体制の一環として、1941年4月、米穀の割当通帳制が六大都市(東京、大阪、名古屋、京都、神戸、横浜)において初めて実施され、その後、全国に拡大されました。
 この時の米穀配給の基準割当量は、一般人(11~60歳の重労働ではない者)の場合、1人1日当たり330グラム(2合3勺、1,158キロカロリー)でした。これを1年間に換算すると120.4キログラムとなります。

 これは、どの程度の量でしょうか。リンク先の図79は、その後の米消費量(1年間の供給純食料)の推移と比較して図示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/08/79_haikyu.pdf… 続きを読む

【豆知識】低下する卸売市場経由率


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現在、全国には64の中央卸売市場(例えば東京都では築地、大田など)、1,081の地方卸売市場(練馬、国立など)があります。
 これら卸売市場は、多種・大量の物品の効率的な集分荷、透明性の高い価格形成などの機能を有しており、生産者に対して安定的な販路を提供すると同時に、消費者に対しては日々の食料品を供給するという役割を果たしています。
 このため、野菜、果物、魚、肉など生鮮食料品の多くが卸売市場を経由して流通しています。

図78は、卸売市場を経由して流通している生鮮食料品の割合(卸売市場経由率)を示したものです。… 続きを読む

【豆知識】消費者への直接販売に取り組む農家


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2015年農林業センサスでは、農業生産関連事業を行っている農業経営体数についても把握しています。ここでいう農業生産関連事業とは、農産物の加工、消費者への直接販売、体験農園、観光農園、農家民宿、農家レストラン等のことで、これらいわゆる「六次産業化」は所得の向上と安定化に貢献するものと注目されています。

農産物の加工に取り組んでいる経営体は、全体の2%です。
 これを農産物販売金額規模別のグラフに表したものが図77の青い棒グラフで、規模が拡大するにつれて加工に取り組んむ経営体の割合が上昇していることが分かります。

これは、農産物加工に取り組むためには加工施設や機器など設備投資が必要であるため、ある程度規模が大きな経営体でなければ取り組むことが困難であるという事情を反映しているものと思われます。… 続きを読む

【豆知識】小規模農家の生産性


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農林業センサスによると、2015年の農業経営体(農家及び組織)の数は全国で138万経営体、うち都府県には134万経営体あります。
 これを経営耕地規模別にみると、0.5ha 未満が23%、0.5~1haが33%と、1ha未満の経営体が過半を占めています。一方、10ha 以上の経営体は全体のわずか2%に過ぎません。… 続きを読む

【豆知識】都市緑地の浸水被害防止効果


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都市農業は、消費者に近いという利点を生かし、新鮮な農山物の供給、農業体験・交流活動を通じた都市住民の農業への理解の醸成、心安らぐ緑地空間の提供など多面的な役割を果たしています。
 特に東日本大震災等を契機として、都市農地(農業)がもつ防災機能に対する関心が高まっています。

本年4月、(株)日本政策投資銀行から興味深いレポートが公表されました。農地を含む都市緑地が有する防災機能(雨水流出防止・貯留機能)が定量的に計測されているです。

具体的には、東京の神田川上流地域(善福寺川との合流地点までの約23平方km)を対象地域として、緑地が減少または創出された場合のシナリオ毎に、10年に1回おこる可能性のある集中豪雨が発生した時の被害状況がどのように変化するかについて、シミュレーション分析を行っています。… 続きを読む

【豆知識】若返る林業就業者

前回は、食料自給率が長期的に低下傾向にあるのに対し、木材自給率は近年、上昇に転じていることを紹介しました(もっとも水準としては、カロリーベース食料自給率よりも低いものとなっています)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/04/72_mokuzai.pdf

今回は、林業に関するユニークな動きを示している指標を、もう一つ紹介します。
 リンク先の図73は、産業別の就業者数に占める40歳未満の者の割合の推移を示したものです。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/05/73_40saimiman.pdf続きを読む

【豆知識】上昇に転じている木材自給率

食料自給率だけではなく、木材についても自給率という指標があります。

まずは食料自給率のおさらいから。
 食料自給率を総合的に把握する指標にはカロリーベースと生産額ベースの2種類があり、併用されています。これは、前者には野菜・果実や畜産物の生産活動が、後者には国内の畜産が輸入飼料に依存している等の事情が、それぞれ十分に反映されないという事情があるためです。
 2015年度の食料自給率は生産額ベース(リンク先の図72の赤い折れ線グラフ)で66%、カロリーベースで39%(青)となっていますが、両者とも長期的には低下傾向で推移しています。
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【豆知識】都市住民は農山漁村地域とどのように関わりたいか

-都市住民は農山漁村地域とどのように関わりたいか-
 国土交通省は2012年10月、農山漁村地域に対する都市住民の意識や交流の状況、今後の交流・活動意向等について、東日本大震災後の変化も含め把握するため、農山漁村地域に関する都市住民アンケート(インターネット調査)を実施しました。

調査結果によると、ほぼ全ての回答者が農山漁村地域は「大切」と思っており、約4割の回答者は東日本大震災をきっかけに農山漁村地域を以前より大切だと思うようになったことが明らかになっています。

また、「あなたは今後、農山漁村地域とどのような関わりを持ちたいと考えますか」との問いに対しては、「農山漁村地域と関わりを持ちたいとは思わない」とする者は13.2%に留まっており、約9割の都市住民は農山漁村地域との関わりを持ちたい意向を持っています(リンク先の図71参照)。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/04/71_tosijumin.pdf続きを読む

【豆知識】高まる都市住民の「田園回帰」願望

内閣府では、政府の施策に関する国民の意識を把握するため、毎年度10本ほどの世論調査を実施しています。また、間隔をおいて同様の調査を実施することによって、国民意識の過去からの変化の様子をみることもできます。

2014年6月には「農山漁村に関する世論調査」が実施されました。
 これは、農山漁村に関する国民の意識を把握し今後の施策の参考とすることを目的として実施されたもので、農村や中山間地域の役割、都市と農山漁村の交流の必要性、都市住民の農山漁村地域への定住願望の有無等について調査がなされました。
 なお、調査対象は全国の市区町村に居住する満20歳以上の3,000人です。

このなかで、都市住民の農山漁村地域への定住願望の有無について調査した結果がリンク先の図70です。… 続きを読む

【豆知識】風評被害に関する消費者意識

原発事故から6年目に入りましたが、福島県産の農産物の価格は、きゅうりなどの一部を除き、米を含む多くの品目では震災前の水準にまで回復していません。いわゆる「風評被害」の払拭が引き続き重要な課題となっています。

消費者庁は、2013年2月以降半年ごとに「風評被害に関する消費者意識の実態調査」を実施しています。
 対象は被災地域(岩手、宮城、福島、茨城)と被災地産品の主要仕向先である大都市圏(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫)の消費者です(回答数は5000人余)。
 さる3月8日、最新(第9回)の調査結果が公表されました。
 消費者庁発表資料によると「食品の産地を気にする理由のうち『放射性物質の含まれていない食品を買いたいから』とする人は減少傾向」「放射性物質を理由に福島県産品の購入をためらう人の割合はこれまでの調査で最少に」等とされています。… 続きを読む

【豆知識】相対的貧困率と可処分所得の推移

 前々回は、日本の経済成長率が低迷する中で格差が拡大している状況を紹介しました。
 今回は、この同じ統計(厚生労働省「国民生活基礎調査」)にある別のデータをみます。リンク先の図68をご覧ください。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/02/68_hinkonritu2.pdf

折れ線グラフは前々回に示したもの(図66)と同じもので、相対的貧困率と子どもの貧困率(17歳以下の子どもがいる世帯から計算)の推移を示しています。
 http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/66_hinkonritu.pdf続きを読む

【豆知識】心の豊かさか、物の豊かさか

-本当に「物の豊かさ」より「心の豊かさ」か-

前回は、日本の経済成長が低迷する中で格差が拡大している状況を紹介しましたが、関連して、今回は内閣府「国民生活に関する世論調査」を紹介します。
本世論調査では、毎回、「今後の生活において、これからは心の豊かさか、まだ物の豊かさか」についての問いがあります。

最新の2016年調査においては、「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」(『心の豊かさ』)と答えた者の割合が60.2%、「まだまだ物質的な面で生活を豊かにすることに重きをおきたい」(『物の豊かさ』)と答えた者の割合が31.3%となっています。

これを時系列でみると、1972年の時点では『物の豊かさ』が40.0%と『心の豊かさ』(37.3%)を上回っていましたが、その後、両者は逆転し、1982年以降は一貫して『心の豊かさ』が『物の豊かさ』を上回って推移しており、2016年には両者のポイント差(『心の豊かさ』-『物の豊かさ』)は28.9ポイントと、相当大きなものとなっています(リンク先の図67)。… 続きを読む