【豆知識】東京農業の特徴と底力

国土の0.6%の面積に総人口1割強が集中する東京都。東京都民の食生活を賄うために、都外から多くの農産物が移入されています。東京都の食料自給率はカロリーベースで1%、生産額ベースでも3%と、いずれも都道府県の中で最も低い値です。
 東京都は農業からもっとも縁遠い都道府県というイメージがありますが、実は306億円もの農業産出額があります(2016年)。

リンク先の図81の左の横棒グラフは、東京都の農業産出額の構成比を全国と比べたものです。
  http://food-mileage.jp/wp-content/uploads/2017/09/81_tokyo.pdf

これによると、東京農業は米や畑作、畜産の構成比が小さい一方で、野菜の構成比が特に大きく、果実や花きも全国平均に比べて高くなっています。
 これら野菜等は、比較的狭い農地でも生産できる作目です(「集約的作物」と呼ばれます)。そして、1ha当たりの農業産出額を計算してみると、東京都は429万円と、全国平均(196万円)の2.2倍となっているのです。

東京都においては、近隣に消費者が多いという立地条件を活かして、庭先やJAでの直売所を通した消費者への直接販売等も盛んで、収益性の高い農業が行われているのです。
 なお、都市部の農地については、防災の観点からもその重要性について再認識されつあります。

[参考]
 農林水産省「生産農業所得統計」「作物統計」
  http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/nougyou_sansyutu/index.html
  http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/menseki/index.html

ウェブサイト「フード・マイレージ資料室-F.M.豆知識」
  http://food-mileage.jp/category/mame/